ベランダに蝉降る、雨の夜に。

秋めいてきたかとおもえば、日照り返すような残暑、かと思えば、台風なんだそうですな。

秋の空、目まぐるしいかぎりです。

季節柄、マンションの共通廊下のところには、夜になると、光に集まるのか、蝉がごろごろとやってきて、しかしもうかなり弱っているものが多いのです。腹をだしてころがっているようなのばかり。それでもつかみあげると生きていて、すごい声で鳴いたりします。その声がものすごいから逃がしてやろうとすると、もう飛べないくらいに弱っている。そんなことを繰り返すうちに、ヒビキもこの蝉たちがみんな弱って明日には死んでしまうことがわかってきました。

で、どうするかというと、かわいそうだから家へいれてやろうと思うわけですね。

今日も──ほんとはもうヒビキ自身がすごく眠かったんだけど──そのようにしてひとつつかまえて帰ってきたんだけど、玄関を開けると、ウチ猫が待ち構えていて。しかたがないから蝉をやっぱり廊下へ置いてました。

でもって、今はすやすや眠っています。