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響けブログ

音楽コドモから「音楽コドナ」へちょっと進化。ドラムとバイオリンと小鼓を弾く、ヒビキの音楽遍歴。

菊池成孔とUA、一夜だけのかくもゴージャスな夜。4

2007-12-23 | ライブハウスへ行こう!

ところでその頃、私の隣の音楽コドナは、靴まで脱いで熟睡していた。ヒビキはその日、恒例のサタデードラムレッスンで、モータウンっぽいごきげんなリズムを叩きわけたあと、渋谷にある楽器店でかれこれ1時間以上も電子ドラムを試奏し、念願のダブルペダルモードの演奏を、あっさりと自分が音楽と思える範囲内にまで引きずり込んでしまい、オーチャードへ着いた18時頃には、小さな体内はアドレナリンの疾走する400メートルトラックと化していたのである。

いくらなんでも少し休憩をとらなくては、その興奮のうず巻きに巻き取られて自爆してしまう。そこで、私の隣には、こんどは、時々かさこそと動く別の動物が足を抱えて丸くなっていることになったのだった。目を覚まして憶えていたのが2、3曲ってとこだろう、親たちは言い合った。でも、それだけでも十分すばらしい体験だからOKだと。

2007/12/8の渋谷・オーチャードホール、菊池成孔とUAのライブは、ジビエのようなてかりのある、濃いコンサートであった。そういえばジビエなんて、ずいぶん食べていないなあ、という方は、広尾にある「レ・ビノム」がお勧めだ。小ぶりの鴨、鹿、日によって熊など。料理の合うワインのことも、オーナーでソムリエの徳原氏が選んでくれるから、みんなお任せしてしまうのである。

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菊池成孔とUA、一夜だけのかくもゴージャスな夜。3

2007-12-22 | ライブハウスへ行こう!

私は途中から、このすごさについて、UA本人は実際のところ、どう思っているのだろう、と疑問に感じ始めた。たとえばオペラにしても演歌にしても、これだけ歌ったについて「どうよ」という一押しがあることに観客は慣れているものだが、UAの場合、どう言ったらいいか、彼女のステージ上での態度のなかに自分の歌についての解釈がまったく含まれないのだ。ひょっとしてUA自身は、すばらしい声という野性動物を飼っている「だけ」なのではないか?──『アメトラ』のジャケットにあるトラにも似て、ふさふさした黄金色の毛並みの。

曲の合間には、菊池氏の気ままなおしゃべりが、会場をなごませる。メンバー紹介があり、曲によって楽器編成も入れ替わる。菊池氏のサクソフォン、ハープ、ピアノ、バイオリン・チェロなどの弦楽、そしてコントラバス。その何回目かの入れ替えのとき、遅ればせながら私ははっと、この編成が明快な成分で出来ていることに気づいたのだった。それはクラシックとジャズ、すなわち弦楽アンサンブルとピアノトリオであり、そこにUAがのっているのだ。いや3つそれぞれの強靱な腱が、絡み合っているとでも言おうか。

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菊池成孔とUA、一夜だけのかくもゴージャスな夜。2

2007-12-21 | ライブハウスへ行こう!

そういうわけで、さほど様子のわからないままにでかけた私は、どこからがライブを聴いてわかったことで、どこまではもともと知っていたことなのかが、ライブから時間が経っていることもあって、すっかり混じり合ってしまった。でも大きく言うと、UAは自分の思い描いていた通りを目の前で実現してくれ、一方ライブが進行するに従って、菊池成孔がいかにこのコンサートを準備したのかを理解していったのだと思う。

マゼンタの一枚布をまとうようなフォーマル・ドレスで登場したUAの最初の声は、丸めた緋色の絨毯をぱっと解くようだった。エフェクターのような技巧がほどこされていたが、それはUAの声を引き上げるものでも、引き下げるものでもない。引き上げるようなものはUAが赦さないし、引き下げないについては菊池が命を賭けている、そんな感じだった。私はそこに良心のようなものを感じざるを得なかった。

ところがUAはもっともっとすごかった。最初の印象をどんどん越え、どんなに高い山へも登っていく感じだった。彼女にはその勇気があり、今の彼女にはその力が十分備わっている。「身長が2000メートルぐらいに見える」と菊池氏はステージの上で、そんな彼女を評した。

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菊池成孔とUA、一夜だけのかくもゴージャスな夜。1

2007-12-20 | ライブハウスへ行こう!


音楽はもともと私の夫の趣味である。趣味というべきか、生きがいというとなんだか年寄りくさいし、野心(というほどじゃないか)、誠意、冴えたところ……というか何だろう、まあ彼を最も特徴づけていることは間違いない。去る2007/12/8の渋谷・オーチャードホール、菊池成孔とUAのライブは、珍しく、彼がとったチケットだった。

この誰がとったチケットかという点について、これまで実はあまり問題にしてこなかったのだが、実際にはこのことは聴く体験に大きく影響する。自分がとったのではないチケットには本来行く必然性がなく、従って期待もさほど、ちょっと他人事というところがどうしてもあるのだ。菊池成孔とUAの『cure jazz』(菊池氏は「キュアジャズ」と平板に発音していた)を聴き込み、『東京大学のアルバート・アイラー』を読みふけっていた夫とは、はなから雲泥の差なのである。

「きょうは何のコンサート?」
「UAだよ」
「UAか」
「行く?」
「うん、行く」

ヒビキはUAというだけで、一発GOを出す。ヒビキは保育園児時代、確かに、コドモ向け番組のNHKのドレミノテレビのビデオをよく見ていた。だが、さらに遡ってUAのセカンドアルバム、1998年リリースの『アメトラ』をリピートかけまくりで聴いていた時期がある。ここへ引っ越す前だったから2003年、音楽コドモはまだ2歳以前という頃だ。とりわけヒビキのお気に入りだったのは、「ミルクティー」という曲だった。(つづく)

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日経おとなのバンド大賞全国大会

2007-12-03 | ライブハウスへ行こう!
審査員の加藤和彦氏が、
Don't trust under 40と言って
会場がオオウケしていたが、
アンダー40はCDを買わないのだそうである。



さて本日は親バカ父が「羅風」というバンドで参加し、
東京大会で奨励賞をいただいた
日本経済新聞社主催「日経おとなのバンド大賞」
の決勝大会が品川で行われ、
残念ながら羅風の出演はなかったものの、
親バカたちとヒビキでGO!

さてその加藤氏の発言に、
本日司会の子供バンドの氏木氏が
「いまもうCDじゃないでしょう」
と四方山話へもつれこもうとしていたが、
考えてみれば心の底からバンドってかっこいい、
バンドやりてーという若者の人数が揃っていた時期
というものがあったとして、
それがけっこういいおやじになっているとしたら
バンドという財産は、およそ中高年に集まっており
しかも消費者層という意味でのリスナーも
やはり同じ年代ということに、考えてみればなりそうだ。

そういう層の厚さからくる力と
おとなという社会的な力と、
そこからどんなメッセージを発することができるのか、
そういったことが実は真剣に問われていたのだなあ
と本選まできて初めて、親バカ母、やっとこさ思い至った。
至極簡単に言えば、ですよ。

ただまあなんというか、
たとえばプロでいい音楽を発表する人が
そんなに難しいことを考えているかというと
そうとは限らないから、このような趣旨を伝えるのは
案外難しいことだとも感ぜられた。

ところで大人たちが会場内で
一喜一憂しているときに、
ヒビキは場外の協賛各社ブースにある
サイレントドラム試奏コーナーで
審査発表の間ずっとドラムを叩いていたらしい。
ステージが始まってもヒビキがいないので
どうしたのかなと思っていたが
帰る段になってやっと発見されたのである。
やれやれ。さすがコドモくん。

そういうタイミングで、鞴座東京ライブ

2007-11-18 | ライブハウスへ行こう!
金子鉄心さんのサイトが出来たということを
書いた途端に、「鞴座(ふいござ)」のライブ情報が
掲載されていたので、転載。
2008/3/8(土)渋谷アピアにて。

ところでこのほど、親バカ母は
細野晴臣&THE WORLD SHYNESSと、
金子鉄心「鞴座」の共通点を見つけてしまった。
──アコーディオンである。

アコーディオンといえば、先日
楽器フェア@横浜パシフィコで、
電子化されたアコーディオンってのも展示されてましたよ。
ひょっとして、ちょっとブーム?

たとえば小松亮太さんでバンドネオンが流行るとか、
KOBAさんでアコーディオンが流行るといった、
ピアニカとか、ウクレレとか、そういうのとも
実は根は同じなのかもしれないですが、
なんとなく巷でこの楽器が流行り出す、
ということがありますよね。

カホンなんかがそうだし、
あとパーカッションなんかも小さな楽器も
いろいろ流行りがあるように思う。

アコーディオンなんか割とでかいけど、
最近は小さいので中国製なんていうのが
とても手に入りやすくて、楽しいですよ。

ちなみに親バカ父の口癖は、
「楽器は安い」
そのこころは、あれだけ遊べて楽しいのだから
「絶対、元がとれる」

弦楽アンサンブルを聴きにウィーンへ行こう!

2007-11-08 | ライブハウスへ行こう!
ウィーン・ピアノ五重奏団を聴きに
ヒビキと親バカ母で、目黒パーシモンホールへGO!

というわけでウィーンへ行ったわけじゃないんですが、
目黒ユネスコ協会によるこのコンサート、
芸術・文化の良質を熟知した自信ぶりで、
彼らなら確かに弦楽アンサンブルを聴くためだけに
ウィーンへ行くのでは!?、と頼もしく思われた。


またこの催し、全席自由で、小中学生は招待。
開場から少し遅れて着くと、
客席はゆる~い雰囲気で、埋まっていた。
ナマ・近距離主義(!?)の親バカ母、前から3列目に
座ったのだが、ヒビキ「前に人がいて見えない」と言う。

あのね、前は小学生の女の子で、
椅子から頭がでてなかったけど~。

ホールもウッディですばらしく、
ご機嫌に演奏を待っていると2ベル、1ベルと鳴って
ついにコンサートが始まった。
1曲目のハイドン「ひばり」は、弦楽のみの四重奏で、
非常に雑音の少ない、線の細い第一バイオリンのメロディが印象的。
ひとふし演奏が始まったところで、
これはアタリのコンサート!と確信してしまった。

あとでわかったのだがヒビキもそう思ったらしく
それから例のフリクションボールペンで
一生懸命プログラムに書き込みながらの鑑賞。

ヒビキの書き込み↓


また一曲目の途中から、これは第一バイオリンというより
支えてるみんながすごすぎるぞ、と気づく。
あまりに絶妙な支え方。
またなんて見事なチェロのピチカート。

一方ヒビキは、自分のバイオリン曲なども思いだしながら
アレグロという曲のイメージ、
イ長調という曲のイメージをつかんでいくのだが
実は、こんなこと誰も教えてない。

さて続いての演奏は
ピアノがリードをとる、モーツァルトの曲で、
急場で集まってくれた市民オーケストラのみなさんが
助っ人に入り、ミニオケ規模での演奏となる。
さきほどの第二バイオリンがコンマスにあがり
なるほど、というコンマスぶりを発揮。
またオケの人数になっても、結局は
依然、ほぼメンバーの4人の音しか聞こえない。
助っ人のみなさんも衒いなく、役目をこなしていく。

つづいてドボルザーク。
ドボルザークっていうのはブラームスが……
というようなことがプログラムに載っている。
「曲の名前が長いね」などとヒビキが書いている。
全体にはどのパートにも華があるような譜面で、
このアンサンブルのよさをうまく引き出している。

実際演奏終了後、「どうだった?」と訊くと、
ヒビキがっつり「よかった!」という、
ヒビキにとっても、親バカ母にとっても
ウィーンらしい音楽の快楽にあふれる、
ジャストフィットーなコンサートでございました。

でもって、ウィーンっていうのは、
やっぱコテコテやん、とも、親バカ母は思いましてん。
(あ、関西弁はにせもんです)
よくわからない関西のことだけど、
伝統が厚く、こってりしてないと納得できない。
譜面に一盛り、ワタシが弾いてますって理屈のっけんと、
音楽やあらへん、という感じもいたしまして。

でもいわゆるオーケストラということでなく
アンサンブルの絶妙というか、
しっかりありながら、個人の発意で変えられるテンポ感とか、
支え方の妙、さえずるようなメロディ回し、
そういったものをウィーン・テイストで
ヒビキにはぜひ聴いてもらいたかったんだよねー。

これが図星でした。
バイオリン・モチベーションも急上昇当確ってか。


ユネスコ平和コンサート・2007
ウィーン・ピアノ五重奏団
陽子・フォゥグとウィーンフィルメンバーによるピアノ室内楽

陽子・フォゥグ(ピアノ)
ホルガー・グロー(ヴァイオリン)
トーマシュ・ヴィンクラット(ヴァイオリン)
ロバート・バウエルスタッター(ヴィオラ)
ヨァゲン・フォゥグ(チェロ)

曲目
ハイドン:弦楽四重奏曲ニ長調「ひばり」 Op.64 No.5
モーツァルト:ピアノ協奏曲イ長調 K.414
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲イ長調 Op.81 ほか

日経おとなのバンド大賞東京予選 奨励賞!!

2007-10-22 | ライブハウスへ行こう!

親バカ父の参加するロックバンド「羅風」が
10/21、渋谷DUO MUSIC EXCHANGEで開かれた、
日経おとなのバンド大賞東京予選会で、奨励賞を受賞。
いやあ、おめでとうございます。


ステージ上のすばらしい機材セッティング、
おまけに日頃プロをサポートしていると思われる
目にも鮮やかなステージ・スタッフとPAのチームに
大いに支えられて、いろいろと感動的なバンドが登場するなか
奨励賞というかたちで認められて
メンバーはほんとうにうれしそうでした。

「羅風」メンバーのご紹介
青柳亨(あおやぎ・とおる)Vocal, Guitar
池谷恵司(いけや・けいじ)Guitar
岩打幸二(いわうち・こうじ)Bass
峯健一(みね・けんいち)Drums



それから、ロックバンドの場合、どうしても
司会はいらねえ、って感じになってしまうのだが
本日の進行は、生放送でも余裕でいけそうな、
非常にグレードの高い語りだったのも印象的。

ヒビキはリハは見学せず、本番から客席へ。
親バカ父の演奏では、客席からハモるなどご機嫌に応援し、
大好きな打ち上げ@道玄坂まで参加。

ちなみに羅風(曲は「ムーンシャインロード」)のほか、
「雷親父のてっちゃん」を演奏したHappy50'sBand
プレスリーをカバーしたThe PIRATES
大所帯サンバ部隊のアレグリア
の計4グループがそれぞれ奨励賞を受賞。
そしてみんなの期待を担い、グランプリの
U.O.D.「Metabolic, Be Good!!」が
この後全国へ進出することに決まったのであります。

ちなみに会場は、ライブハウスには珍しく
「男性トイレ」のほうが混んでいるという、
やけに熱いというか“濃い”空間と化しており、
さすが「おとな」は簡単には引き下がらない
という意味で、死力を尽くした戦いであったかと
親バカ母には思われた。

みなさまお疲れ様でした。

「おかげ様」復活で、金子鉄心さんが東京に!

2007-09-27 | ライブハウスへ行こう!
風の便りに、“ふえの精”こと金子鉄心さんが、
最近いろんなユニットやバンドでライブをやっているらしい。

まずは「鞴座」というユニークな名前のバンド。

「鞴」と言えば、もうこれっきりほかに連想するものはないのが

♪ふいごの風さえ 息をもつがず(村の鍛冶屋)

だが、ここからもわかるように
ふいごたるもの、呼気でなく風が送れるというところがポイントだ。
もっとも外観としては木箱のようなものであるらしい。
画像はこちらを参照

ま、風を送るしくみはともかく、
音楽で「鞴」と言えば、やっぱりアコーディオンだろうか。
そしてふえ奏者の金子さんが操るのが
鞴を用いる点でふえを逸脱した楽器「イーリアン・パイプス」。

このイーリアン・パイプス、アコーディオンというふたつの鞴楽器に
ギターが加わったバンドが「鞴座」で、ちょうど1年前、東京でのライブに
ヒビキと出かけていったのが、たしか烏山であった。
その時の模様はこちら↓
鞴座(ふいござ)ライブへGO!

特に大阪では、ライブ目白押しの人気バンドなのである↓
■鞴座
http://www.kcat.zaq.ne.jp/www/fuigo.html

金子鉄心(whistle、sax、bag pipe)
藤沢祥衣(accordion)
岡部わたる(guitar)

それから東京在住の方にもうれしいニュースなのがこれ↓
■おかげ様ブラザーズ、復活!
http://www.okagesamabrothers.com/

きんた・ミーノ (Vo.)
スマイリーつかさ (G.)
金子鉄心 (Sax. 笛,吹きもの全般)
ブラッキー岡部 (Dr.)
福井BIN (B.)
ストロング金城 (Key.)
TOY森松 (Per.)
東京ライブは、近々の10/8(月)、原宿アストロホールです。

うわっー、これ全部サクソフォンです。4人組。
■ジャンナ ジャンカ サクソフォン カルテット(ZZSQ)
http://music.geocities.jp/zzsqtone/

金子鉄心:Saxophone TESSHIN KANEKO
樋野展子:Saxophone TENKO HINO
白起歌済:Saxophone KASUMI SHIRAKI
河村光司:Saxophone MITSUJI KAWAMURA

これなら上手く吹けちゃえそう。大好評レッスン↓
■fieldアルランド音楽研究会 アイリッシュ・ミュージック入門講座
http://www.geocities.jp/kyotofield/kaneko.htm

金子鉄心のWhistle個人/グループ・レッスンを開催中

と、鉄心さん、ウワサに違わずドトーのスケジュールでした。
ついでに親バカ母は、「鞴」について、うっかり詳しくなれました。
イベント詳細は、ぜひ各サイトでご確認を。

題名のない音楽会、すわ、落選!

2007-09-14 | ライブハウスへ行こう!
いやはや。
今回は見事抽選もれしてしまいました!
ポストにはがきがはいっていたのでにんまりしたのに、
返してみると、なんと「落選」でありました。


いや、別にこういったことは以前にも何度もあったのですが
題名のない音楽会の場合は、募集期間が直前まであるので
比較的通りやすいのかな、などと楽観してたんですが
そうじゃないんですね、やっぱりテレビってすごいんだ。

一般に、コドモを音楽会に連れて行く、というのは
やっぱりいろいろな困難さ、リスクなどがある。
こどもを連れて行くなんてもってのほか、という考えと
コドモや若者にすばらしい機会をどんどん提供したほうがいい
という考えと両方あるだろう。

ただ究極的にはですね、
コドモ=マナー悪い、と考えられがちですが、個体差が大きい。
ヒビキの場合は、音楽が好きなんだから、
自分が聞いて信じられないと思うような奇声を発するわけがないし、
ステージに立つ方の心境に感情移入してるので、会場では神妙だし、
客席での態度はたいへんよろしい。
万年鼻炎の親バカ母よりずっといいです。(寝るけど)

新宿厚生年金とかスタンディングでないライブハウスなどでは
そのあたり、ケースバイケースでプロらしくさばいてくれた
という印象が残っている。
でも最近、特にホールでは画一的対応になってきていて、
就学前の児童は入場禁止、小学生以上は大人と同料金
というのが多いように思う。
たまたまその流れのときにヒビキが小学生になったという感じ。
で、やはり小学生になってからのほうが参加できる機会は多い。

これに懲りずに、ということでしょうか。
ちなみに、
この秋は丸の内一帯でもジャズの無料コンサートが目白押しですし。

本牧ジャズ祭、ポンタ&仙波さんツインドラム

2007-08-28 | ライブハウスへ行こう!
ロバート・ハリス実行委員長による、とはいえ現場は結構市役所らしいかんじもする、手作りのジャズフェス「本牧ジャズ祭」に、村上ポンタ秀一氏と仙波師匠のいるユニット「METHOD」が出演するというので、親バカ父、母、ヒビキみんなして、レジャーシートを持ってGO!


会場はこんなところ。昼間は。

親バカ母、横浜育ちなのに、実はオカ系なので、横浜のことはとことん知らず、会場の根岸が、桜木町と横須賀とどちらに近いのかもわからない。(知らないことが多いものである。)根岸といえば、そうだよ、日本で最初の競馬場が作られた場所じゃないか、と思うが、がらんとした駅前には東急ストアがあるくらいで、土地勘がないからどうしようもない。

というわけでやっと着いた会場、前半のパール兄弟は既に終わっていて、バーベキューを楽しんでいる方々はたけなわという頃に小沼ようすけトリオが始まり、いよいよ照明がともるころ、以前浜松のTOKU with ポンタさん、ハチ(b)というバンドをポンタさんのど前でヒビキと聴いたときにギターを弾いていた萩原亮、その他のメンバーは則竹裕之(Ds)、坂井紅介(ウッドベース)という素晴らしいバンドで、横浜ゆかりのグレース・マーヤさんのカルテットのステージがスタート。


夜になってくると、こんな感じ。風が、速い。

最後のバンド、METHODのメンバーは次のとおり。
水野正敏(b)、村上ポンタ秀一(ds)、仙波清彦(perc)、古川初穂(pf)、久保幹一郎(manipulator)、高橋香織(vl)、久富RICH良一(rap)、新井薫(scratch)、河田嘉彦(didgeridoo)

仙波さんは、よくよく考えるとこれは水野氏リーダーのユニットなのだが、どこへ行ってもコンマスであり、コンダクターという存在であるからして、最初はなんか仙波さん、変わったリズムの(というかむしろふつうのリズムの)はにわですねえ?という感じで始まった。よたりズムは、その後開花して、ポンタさんを爆笑させることになるのだが。


ステージ左奥がポンタさん。

とにかく仙波さんがいそいそとしていて、パーカッションの卓に駆け寄っては楽器をぶちまけるは、ドラムセットに臨んではシンバルを叩きまくるは、たいへんな騒ぎである。


ステージ右奥が仙波さん。

笑いながら見守っていたポンタさんは、仙波さんや、電子音のリズムの間で、例によってここはどかない、という不動不屈のドラムス。

この滅多にないポンタさん仙波さんのツインドラムに、ヒビキ、会場前列からまたしても退却。でも家へかえってからDVD『仙波清彦の駄楽器講座』を見るとか言って、0時近くまで眠らずにがんばっていました。

親バカ母、浜松に続いてまたしても最前列でポンタさんのステージを聴く機会に恵まれ、たぶんスティックの描く軌跡が美しいので、ポンタさんが次に何をするか、すごくよくわかるのを、ふたたび体験したのだった。

丸の内キッズフェスタのともともは大人気!

2007-08-16 | ライブハウスへ行こう!
8/14の丸の内は東京フォーラムにて、山口ともさんのステージがあるというのでヒビキと一緒にGO!


きっかり満席というようなナイスな混み具合で、客席前方に詰めかけた子供たちはみーんなともとものファン。ともともが出てくると一緒にマーチングしちゃう勢いの盛り上がりようなのだが、またともともが、はい、席について、と言うと、みんなぴたっと言うことをきくのがマジカルであった。

ヒビキはまだ小1なくせに、お祭り騒ぎにはのらず、例によって黙ってステージを聴いている。翌日振り返るとオープニングの
ごみ ごみ ごみごみしてる
ごみ ごみ ごみ ごみ(クレシェンド)
というビデオクリップから、独奏、合奏、マーチングとほとんどの曲を覚えているので毎度ながら親バカ達、驚くことしきり。

ステージは会場にビデオが流れたあと、ともともがブリキのいでたちでマーチング、そのまま舞台へ上がって、廃品ドラムセットと宇宙効果音の楽器で演奏、そのあと楽器づくりワークショップ参加者たち約30人の子供たちが舞台へあがって合奏、会場のみんなにもペットボトルのシェイカーが配られて、がらくた音楽会合奏、そのまま会場内でマーチング、と盛りだくさんだったのだが、なんといっても前半の独奏がすばらしい。仙波師匠ならばカウベルという役割の銀色の楽器(何かの缶?)、自転車のベルはいかにもともさんという感じ、それから風呂桶を叩くところでは親バカ父、おもわず「うまい……」と、ため息の漏れるうまさ。廃品でさまざまな音色を奏でるともとものおもしろさは客席に集まったみんなが了解済みという感じですが、そのひとつひとつの音色、そしてリズムが端正なのが、なんといっても聴きどころ。コドモをだしにして大人が楽しいコンサートといいましょうか。

というわけで、散会後ヒビキに訊ねると「おもしろかった」とのこと。
マーチングでともともの後ろに連なっていた子供たちは
「あれはともともの“息子”なんじゃない?」
と言う。親バカ母、まさか、そんなわけないよ、あんなにたくさん……と言うと
「だって“女王蜂はいっぱいコドモを産む”んでしょ?」
とヒビキ。
ちょっと待ってよ、山口ともさんがなんで女王蜂なの? と親バカ母は思ったが、ヒビキもきっと、なぜ子供たちがあんなに親しみを持っているのか、と思い、したがってきっと親子なのではないか、というように考えたのに違いない。
そうなのだよ、とにかくともさん、子供たちとそのお母様たちにあっとーてきに大人気でした!

なんて素敵なズーラシアンブラス

2007-08-05 | ライブハウスへ行こう!
東京交響楽団のコンサートへ行けることになったのだが、
行ってみると、なんと猛獣たちがラッパを吹いてるコンサートなのだった。
その名もズーラシアンブラスという、ブラスアンサンブルである。
今日はそのズーラシアンと東京交響楽団のジョイントコンサートだったのだ。



ズーラシアといえば、横浜の動物園ですが、
ズーラシアンブラスは、ズーラシアをホームとする、ブラスアンサンブル。
トランペット1・2、トロンボーン、テューバ、ホルン、指揮の6人。
で、園内のステージのほか、全国のホールで演奏活動をしているらしい。
とにかくかぶり物で演奏するという子どもターゲットに振り切れてるところがすごい。

実は親バカ母、以前brick movie好き、とこのブログに書いてしまったような気がするが、何と言ってもこのかぶりもの、着ぐるみたちには愛着を感じることこのうえなし。今日はほんとに大感激であったが、でもね、客席の子供たちもみんな起きて聴いてましたよ。

だってね、この動物ミュージシャン、キャラクターの中に「いねむりしちゃう」やつ、「暑いのがだいきらい」なやつ、ってのをあらかじめまぜてある。
クラシックのコンサートといえば客をいかにあきさせず、眠らせずといった側面がどうしてもあるだろうに、この6人は客席の子どもたちに、「起きて!」と叫ばせるのである。なんというユーモア!

ついでにこの動物たちのラインナップは
ライオン、オカピ、とら、しろくま、もう2つは難しい名前のというわけで
おそらく動物園のウリ動物と関わりがあって、それ以上の深い理由はないかもしれない。しかも動物園のかぶりものがしょぼくては話にならないから、親バカ母、さわってみたけど、実に手触りもよく、よくできたかぶりものである。見方にもよるが、この動物園主導で動物が決まっている、というのがなかなかよい。

続いて、それなのに、この動物たちが、中の人間のキャラクターと妙に一致してる……ってどうして初めて逢った動物だけ見てこんなこと言ってるのかというと、全員がそのキャラクターを演じるのが板につき、めちゃくちゃ楽しんでいるからなのだ。というのもコンサート後のサイン会に並んでヒビキの青いTシャツにサインをしてもらったのだが、シロクマは「暑い暑い」、ライオンはひたすら手を振る、とそれぞれ舞台でみせていた持ち味のまま続行していて、
「いやあ、私がそのシロクマにして、テューバでして」
「どうもどうも、オカピ・指揮者ですよ」
という具合で(言ったわけじゃないですよ、そういうキャラがにじみでている!)、さらにすごいのが、そのサイン会に列席されていた東京交響楽団の指揮者の方で、隣にいたオカピ指揮者に対して“まるで人間のようにふつうに”話しながら、かぶりもので視界が悪いのをさっと誘導したりしているのである。よほどキャラがはまっていないかぎり、そんなナチュラルなリアクションできるだろうか、あんなすごいかぶりもんに?

音楽なんて別に気脈で通じてしまうし、ミュージシャンらしいふざけた気持ちは動物に託しちゃえ! というわけで、これがなんかえらく楽しいのである。いやね、ほんとはあんなのかぶって大変だとは思います。

だけどとにかく、すごいかぶりもん現る! という感じ。
演奏がすばらしい。どうぶつになりきりがすばらしい。
そんでもって、どうぶつの芸が音楽的。
そして人間のオケである東京交響楽団に対してたかが動物という引き加減も絶妙。
(じゃないと、あんまりふざけられないし)
面白かったなあ。

いやあ、ヒビキくんはですね、もっとちゃんとコンサートとして曲目をプログラムでよく確認しながら、聴いていました。えらいなあ。親バカ母、例によってひどい脱線。


ヒビキ、エフェクターに目覚める。

2007-07-18 | ライブハウスへ行こう!
先日の山口ともさんと仙波清彦師匠のライブで、
ライブ中は滅多に(というかほぼ完全に)話しをしないヒビキが、
(小さいときから、なぜか自発的にそうなのである)
親バカ母にひとつ耳打ちしたのは、
「(ね、あれ)おんがくせいさく」

これはどういう意味かというと、
仙波さんの“邦”入りコンガで、仙波さんがインドふう音色にするとかいう、
皮の上を指でひっぱる奏法をすると、
親バカ母には“蛙飛び込む水の音”というように聴こえる、
(こういう隅々まで言語化されてるところが、音楽的センスのなさそのもの)
ドヨ~~ん、という深々した音になるのだが
これが(これによく似た音が)先日のApple Storeの
ミュージック・ワークショップで体験した音楽制作の
1万以上内蔵されているとかいう音色のひとつに入っていて、
ヒビキはそれが気に入って自分の音楽制作に使ったのである。
その音だ、と言っているのである。

ああそうか、と記憶が一巡りして親バカ母がやっと理解すると、
ヒビキほっとして、またライブのほうへ帰っていきましたとさ。

そういえば先々週は、親バカ父参加のバンド
「羅風」@吉祥寺曼荼羅があって、

ライブをMD録音したのを朝っぱらかけているのだが、
それを聴いていた親バカ・ギター・父が、珍しくディストーションをかけすぎた自分の演奏を聴いて、割れすぎ、かなんか言ったのを、ヒビキが捉えたので、親バカ父がエフェクターのことを軽く説明したのだが、すかさずトレモロの箇所についてヒビキが質問。「トレモロ」という言葉を教わったヒビキ、P200にもあるよというのですっかり理解したのだが、ヒビキにはトレモロという語意が“吾輩の辞書にはない”らしくて「コレマニ」とかなんとかひどく違うことを言って「トレモロ」を指すことにしている。(ま、これは逆に正しい日本語の語感だと思いますけど。)

そうしたら昨日はバイオリンのレッスンで、
例によって、先生が見本で「(演奏)こうじゃなくて、(演奏)こう」
と弾いてくれると、そのあとすらん~と弾いちゃうヒビキ。
ところがどうしたことか四苦八苦というか、難しいことになること二回。。。
すると先生、
「もしかして、ビブラートかけようとしてる?」

ヒビキ、パッと笑って、うんうん、と。
「今は右手やりたいから、ビブラートかけないで」
おうおう、わかったと。

この唐突な「いっそビブラート」についてはレッスン後に親バカ母、発表会でバイオリンの生徒さんがやっていたのを真似たんじゃないか、とフォローしたのだが、よくよく考えるとこれ、ヒビキ・マイブーム「エフェクター」の流れに違いない。ライブの場ではヒビキ、ホントに気が抜けちゃうくらいぽっかりと聴いてるだけなんだけど、ね。

ともさん×仙波師匠、ヒビキの感想と解説

2007-07-17 | ライブハウスへ行こう!
先日、山口ともさんと仙波清彦師匠のライブ@大泉学園「インエフ」
へでかけたヒビキと親バカ達。
7/15日に書きましたその模様に圧倒されて、すっかりヒビキの観戦記が吹っ飛んでしまいました。そこで今回はヒビキの感想など。

「ともさんさ、仙波さんのこと1回みのがしたんだよね」

このコはな~にを言ってるのかというと、
仙波師匠がタンバリン(といっても通常のものではなく、通常に叩いているわけでもないそれ)を持って、ご自分の楽器をかき分けてわざわざステージの前のほうへ出てきてダンスしながら叩き始め、その曲の〆とするときに、脚の下に楽器を通すという瞬間芸があったのですが、それがあまりにアッというものだったので、師匠、ともさんに、
「今の見逃したでしょ」
ともさんが
「はい」と言って、大笑いになったのを言っているのである。
それがおもしろかったという……
しかしこれはまあ、たいした発見ではないようですね。


「仙波さんはさ、あひるが、スティックかんでいるのをみのがしたんだよね」

このコはな~にを言ってるのかというと、
7/15日のポストに掲載したこの写真にあるピンクの鳥(ピンクのカラスということかと思いますが)をヒビキはあひるだと思った──今気づいたんですが、鳴き真似がカラスだったんですよ、オトナには。それがヒビキにはアヒルにきこえたんですね、きっと。──でもって、このモペット(親バカ母、このモペットが好きなんです、これが。話がそれて恐縮です)を見るなり仙波さんが
「いいなそれ、僕もそれ前持ってたんだけど、どっかいっちゃった」
とおっしゃり。
「さっき、そのへんにありましたよ」
とともさんが。
で、ともさんのよりちょっとしょぼいモペットを取り出した仙波師匠(あ、肝心なことを言うの忘れてましたが、このモペットたちは当然、音が出ます)、そいつで戦争、じゃなくって演奏している間にともさんは大きいモペットにスティックを持たせていたんですが、写真のような位置関係だったので、仙波師匠にはそれが見えなかったんです。
だからどうということはないんですが、ヒビキには、ともさんがやっているのに、仙波さんが見えてない、と思ったのでありましょう。
これもまあ、たいした発見ではないようです。

その他の感想は
「おもしろかった」
「かえるが譜面台に登ろうとした」
の二点なんですが──紙面の都合にて(!)これらの説明は省略させていただきます。

たかがコドモの感想なんで深読みはどうかとも思うのですが、
ただね、一緒にあの場にいた親バカ母も、誰かが何かを見逃してて、という感じはよくわかるんだなあ。相手の演奏のどの部分をきっかけにしてもいいわけなので、演奏者本人にしてもそれらを全部採り上げるわけにはいかなくて、どれかを意識的に選んでもいるし、そういうことではなくて、実際問題として自分の楽器を手に取るとかいうところに手間がかかるために、単に見逃す(そのこと自体は別にいいとかわるいとかでなく)ということもあり、そういうことがもう、次々に起こっていったからだ。しかも観客の側からは二人が同時に見えるので、そのへんがコロッセオというか、高みの見物になっちゃいもするのである。

でヒビキに具体的にわかる、あるいは“語れる”ところといえばアヒルだったりカエルだったり、ヒビキの好きなタンバリンだったりする──と考えると、親バカ母には、なるほど、と腑に落ちるんです。

して、その翌々日が昨日で、ヒビキ、ドラムの発表会を迎えたという次第。ヒビキが一番落ち着いてる! 演奏もいい! ついでにかわいい!と親バカ達は、親バカジジババまでついて、大喜び。演奏後の拍手では、歓声まであがって、ステージ後も知らないおじさんが「かっこよかったよ」と言ってくれたそうだ。一方ヒビキは
「今回のはむずかしかった」とやや反省。そういや去年は「かんたん」と言ってたんだよね。なんて単純な感想……。