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ナスダストラップ

日々の生活で、見たこと聞いたこと感じたこと考えたことをそこはかとなく書き綴るブログ

T内

2013年11月18日 | T内
情報のS/N比を上げるのは良いことか?


ライブドア元社長の堀江さんが「TERIYAKI」というグルメアプリをリリースしました。
このサービスの構想については以前見たことがあったんですが、
ちゃんと結実したんですね。

サービス内容は専門のキュレーターが選んだ飲食店が紹介されるというものです。
今のところ、飲食店のレビューサイトとしては「食べログ」が最大手だと思います。
食べログが素人の投稿で成り立っているのに対し、TERIYAKIは玄人の投稿で成り立っています。
堀江版ミシュランガイドと言えば分かりやすいでしょうか。

堀江さんがこのサービスのコンセプトとして言っていたのは
「情報のS/N比を上げる」ということです。

※S/N比とはシグナルとノイズの比のことです。
 シグナルを上げるかノイズを下げるとS/N比は上がります。
 (意味のある情報)/(意味のない情報)とも言えます。

食べログは素人が手軽に投稿できる半面、偏った評価や間違った情報が掲載される
可能性が高くなります。そういった不要な情報(ノイズ)を減らし、
本当に良い店の情報(シグナル)を速やかに見つけられるよう
専門のキュレーターが飲食店を選定し情報を提供する。
これがTERIYAKIのコンセプトです。


考えてみるとメディアによって情報のS/N比に対する考え方は様々です。
一般にテレビや新聞のニュースは高S/N比志向です。
ノイズは基本的に排除されます。

対して2chに代表されるネット掲示板やニコニコ動画は低SN比志向と言えます。
どんなに下らない意味のない間違った書き込みでも排除されることはありません。
まぁ、ユーザー参加型の場合どうしてもノイズが多くなりがちです。
そのノイズが活気の源ともいえます。

ユーザー参加型でも高S/N比志向の場合があります。
コメントを管理者が必ずチェックする掲示板などです。
内容のある議論を志向した掲示板ではノイズの排除は重要になります。
ある掲示板の管理者はこう言っています。
「掲示板運営における唯一最大の課題はいかにしてキチガイを排除するかである」

ノイズにまみれた情報を編集してノイズを除去すると
とても見やすくなったり面白くなる場合があります。
いわゆるまとめサイトはこれをやっています。
ただ、編集の程度に応じて大なり小なり作為が紛れ込むことは避けらません。


個人的には、ネット上の情報を個人ごとの嗜好に合わせて口当たり良く
変換するツールが出てこないかなぁ、と思います。
その過程では当然S/N比も調整されます。
これは人に都合のいい情報だけ見せるという強力な甘やかしツールですが、
ネット上で見たくない意見に触れるとそう思ってしまいます。