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2015マレーシアGP考

2015-11-02 16:35:49 | バイク
マレーシアGPでマルケスと絡んで転倒を招き、次戦最終戦で最後尾スタートのペナルティを受け、年間チャンピオンの可能性がほぼなくなったロッシ。
ネット上ではどっちが悪いか議論が白熱しているが、間違いなくロッシに問題がある。125、250、500、モトGPで9回のタイトルを獲得している彼。バイク小僧がそのまま大きくなったような性格で、他界したノリックのファンでもあった。F1のアロンソがWGPを下に見るような発言をしているのを聞き、じゃあ二人ともバイクとF1に両方乗って勝負しようと持ちかけたというエピソードもある(要するに、じゃあアロンソはバイクのレーサーに乗れるのか!と挑発した)。
 こうした行動は全世界的に彼のファンを増やす結果につながったが、一方で年齢を重ねチャンピオンを重ねるうちに傲慢さも身についてきた。他のライダーを見下したようなパッシング、普段「バトルは楽しい」とはいうが、それは「自分が勝てるバトルなら」というカッコ書きが付いているように見える。
 今回の件については、「マルケスは同郷のロレンソに味方する走りをしている」と先に「口撃」したのはロッシ。真偽は別にして同じチーム、同じ国のライダーを援護する行為は今までだってあったし、それをベテランのロッシが知らないわけはない。あえてレース前に発表したのはマルケスをけん制するためしかない。しかし、マルケスは2年連続チャンプであり、性格的にそんなことを言えば逆効果になるのは予想できる。実際レースはマルケスとの執拗なバトルになりロッシの作戦は失敗した。ロッシはチャンプになる最後のチャンスかもしれないが、WGPファンの多くはレースごとの本気のバトルが観たいと思っているのではないか。チャンプを見越した手抜きレースなど少なくとも個人的にはごめんだ。そこにチャンプをめぐるハラハラ感も生まれる。
 よって今回の件はロッシの傲慢さが招いた作戦の失敗としか思えない。蹴ったかどうかは二の次だ、。彼は自ら栄光の歴史の晩節を汚したのである。