働いているバヤイじゃない

酒とバイクとゴルフとプラモ

居酒屋Tの人々(1)

2015-05-16 13:50:41 | 
月に3、4回行く近所の居酒屋にTがある。
昨日も大将に日本酒をしこたま飲まされた。

ここの常連、店員が何とも味わい深い人たちばかりで、書き留めることにした。

Tは札幌のとある繁華街から少し外れた場所にある。
店内はアンティークな看板や民芸品が飾ってあって、今は少なくなった良き昭和の居酒屋だ。
週末に妻と夕食にでかけることが多いのだが、ほとんど同じ顔ぶれがカウンターに並んでいる。

最初に紹介するのは「謎のカップル」。
男女とも60代と思われるが、どうやら夫婦ではないらしい。
男は会社経営者風で、ちょっと頑固。キンキン声で話す。女はときどきその態度をたしなめる。
男の度の行きすぎた態度が原因で喧嘩になることもある。
どちらかが一人でいるのを一度も見たことはないが、大将に聞くと別々に来店していて、「飲み友達」とのこと。
誘い合って来店しているのだろうか。

次に紹介するのは「小池さん」。顔がラーメン好き好き小池さんに似ているところから命名した。
小池さんは50代後半だろうか。
Tのメニュー看板をつくっているのが小池さんで、看板職人らしい。
顔に似合わず体は筋肉質でがっしりしているが酒は飲まず、静かにご飯を食べて帰っていく。
支払いをしているところを見たことがない。月極めの一括払いなのか、看板仕事とのトレードなのか。
以前飲食店を経営していた、と聞いたような気もする。

いつもダンディーなのが「ジョージクルーニー」。60代と思われる。Tの常連の中では数少ない普通の人だ(笑)。
言うまでもなく、ジョージクルーニーに似ているところから命名した。妻は若山富三郎に似ていると言う。
ウイスキーが好きで、メニューにないがジョニ黒を愛飲している。
常連の中で最初に声を掛けてくれたのが彼で「おたく達は静かでいいね」と褒めて(?)くれた。
騒いで飲んでいる人が嫌いらしい。ジョニ黒を振る舞ってくれたこともある。
そんな彼がしばらく姿を見せなかった時期がある。
店に現れると松葉杖をついている。事情は分からないが足を折って入院していたらしく、当初はすっかり年老いたように見えた。
最近は娘さんと待ち合わせていることが多い。彼女は40代だが独身で、酔うと自虐ネタを振りまく。妻とは同じ高校出身らしく盛り上がったこともある。建設資材の会社に勤めているらしく、会社のお金で海外旅行に行った話をしていたので景気はいいらしい。独身のままでも問題はないだろう。(続く)