和歌山からも水仙の花の便りが届きましたが、こちらでも一輪咲きました。
水に映る自分の姿に見とれて、そのまま水に落ちて水仙の花になった人や、
また鏡に映る自分に向って、世の中に私以上の美貌の持ち主がいるかと尋ねる人を
ねたましく思うことがあった。
中学生まで、男はみんな丸坊主だった。
伯父さんが来るとバリカンで刈られた。動かないよう手で押さえられ、バリカンに挟まった毛を抜かれたりさんざん痛い目にあった。それ以上に苦痛だったのは頭の形の悪さが衆人の目にさらされることでした。鏡や水に写る顔をしげしげと見れません。
今になって天は一物を与えてくれました。中身は別にして同級生と比べて、
薄くなったが形の悪さを覆い隠す量だけは残してくれていますので。