金の脳みそをもった男(11)
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Il vécut cependant et grandit au soleil comme
un beau plant d'olivier; seulement sa grosse tête
l'entraînait toujours, et c'était pitié de le voir se
cogner à tous les meubles en marchant ...
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しかしそれでも彼は生きた.そして日を浴びて、オリーブ
の苗のように美しく成長した;ただ、彼はいつも大きな頭
に引きずられていました.そして歩けば、あらゆる家具に
ぶつかる彼を見るのは哀れに思えました.
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vécut:(単純過去3単) <vivre (自) 生きる、生きている
cependant:(接) しかしながら、にもかかわらず
grandit au soleil:陽を浴びて成長した(単純過去3単)
<grandir (自) 成長する、大きくなる
plant: (m)❶ 苗、苗床、苗木;
❷(同一場所の同一の) 植物、植え込み
gros(se):(形) 大きい
entraînait:(半過去3単) <entraîner (他) 引張って行く、
引きずる、運び去る
seulement sa grosse tête l'entraînait toujours:
ただいつも大きな頭が彼を引きずっていた.
ここは受け身に訳したほうがいいです.
ただ彼はいつも大きな頭に引きずられていました.
l'entraînait のleは「頭の大きな彼」
pitié:(f) 哀れみ、憐憫
cogner:(自) 強く打つ、たたく
se cogner (代動) ぶつかる
se cogner la tête contre les murs.
壁に頭をぶつける
meuble:(m) 家具、備品
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—— vivre 単純過去 ——
....je vécus..........nous vécûmes
....tu vécus..........vous vécûtes
....il vécut...........ils vécurent
金の脳みそをもった男(10)
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Lorsqu'il vint au monde, les médecins pensaient que
cet enfant ne vivrait pas, tant sa tête était lourde et
son crâne démesuré.
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彼がこの世にやって来たとき、医者たちは、この子
は生きていけないだろうと考えた.それほど、この
子の頭は大きくて、重たかったのです.
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vivrait:(条件法) 過去における推測
(3単)(この子は)生きるだろう
crâne:(m) 頭蓋骨、 頭蓋
démesuré:(形) 並はずれて大きい、度外れの、途方もない
金の脳みそをもった男(9)
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Il était une fois un homme qui avait une cervelle
d'or; Oui, madame une cervelle tout en or.
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昔々、金の脳みそを持った男がいました.そうです、奥様、
すっかり金でできた脳みそだったのです.
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tout:(副) すっかり
il était une fois...:(非人称構文) 昔々;
文語では il y a の代わりに il est を用いる.
ここの表現は童話の書き出しによく用いる形式.
une cervelle d'or:金の脳みそ;この場合、d'or に他に
en or を用いて、une cervelle en or という言い方もある.
d'or とen or、全く同じというわけはなく、比喩的な
意味のときはd'or を用いる傾向があり、en or は、
金時計(montre en or)のように1個の名詞として
確立化されたものに用いる場合が多いとのことです.