𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
さすらいの青春(190)
—————————【190】————————————————
Il s'approcha, me saisit par le bras, me forçant à
m'asseoir sur le rebord du lit, et il me dit:
« Je ne puis pas t'emmener, François. Si je con-
naissais bien mon chemin, tu m'accompagnerais.
Mais il faut d'abord que je le retrouve sur le plan,
et je n'y parviens pas.
——Alors, tu ne peux pas repartir non plus ?
——C'est vrai, c'est bien inutile... fit-il avec décou-
ragement. Allons, recouche-toi. Je te promets de ne
pas repartir sans toi. »
——————————(訳)—————————————————
彼は近寄ってきて、私の腕を掴みました.そして
ベッドの片隅に座らせて言うのです:
「フランソワ、君を連れて行くことは無理だ.も
しぼくが道をちゃんと知っていれば、一緒に行ける
のだがね.だけど、まずぼくが地図上で場所を見つ
けなければならない、そしてそれが地図でもたどり
着けないんだ.
——じゃあ、君だって行けないんじゃないか?
——そうさ、その通り.無駄なことなんだ...
モーヌは、がっかりした様子で答えました.さあ、
もう一度寝るんだ、君.行くときは必ず君を連れ
て行くって約束するよ.
..—————————⦅語句》————————————————
Il s'approcha, me saisit par le bras:
彼は近寄って私の腕を掴んだ.
par は辞書では「~によって」となっています.
腕によって私を掴んだ、というわけですが
その腕は「彼」の腕か「私」の腕かがわからない.
所有形容詞ではなく定冠詞になっているので.と
いう素朴な疑問、よくわかります.答えをいうと
定冠詞ということは、その腕は「わかりきった」
腕だということです.
どう「わかりきっているか」といえば、
彼は私を掴んだと先に言っているから、後続の腕は
私の腕になります.
英語でもそうですがHe took me by the hand.といえ
ば「彼は私の腕を掴んだ」のであって、彼の腕に
よって私を掴んだのではありません.
その証拠文がこちら:
He took me by the shoulders.
彼は私の両肩を掴んだ.
さすがに彼が自分の肩で私を掴むのは無理.
同様にフランス語でも
tenir un couteau par le manche
ナイフの柄を掴む
一般にprendre qn par le bras で
誰それの腕をつかむ
となります.
forçant:(現在分詞) <forcer (他)
forcer qn à 不定詞 ~することを誰それに強いる
me forçant à m'asseoir sur le rebord du lit,
私をベッドの端に座らせて、
となります.
me がたくさんあるそ、と言って驚かないで下さい.
あとの方はs'asseoir という代名動詞です.
まだわかりにくい人のためにいうと
s'asseoir は動詞です.座るという意味の動詞、
不定詞です.
parviens:<parvenir (間接他)~に達する、到達する
inutile:(形) 役に立たない、無駄だ
fit-il:(単純過去3単) <faire 挿入節などで使われると
「言う」、「答える」の意味になります.
promets:(1単現)<promettre (他) 約束する
promettre à qn de 不定詞:
人に…することを約束する
Je te promets de ne pas repartir sans toi.
君を放っておいてまた行くなんてことは
しないと約束するよ.