++おさんぽ日和+++

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「小さき者になしたるは すなわち我になしたるなり」

2006-12-22 | レビュー
夕べの「そのとき歴史は動いた」
先週番組表見た時から、絶対見ようとチェックしてた。

石井筆子さんがテーマでした。

国立市にある知的障害児学園・滝之川学園の創始者。

長崎生まれの筆子。(敬称略)
成人後、津田塾創始者の津田梅子らと共に、海外留学を経験。
3ヶ国語を操る才女として「鹿鳴館の華」と歌われる。
華族女学校の教師となり、貞明皇后にも教える。

大村藩家老の子息と結婚。

親友の津田梅子とともに女性教育を進めていく。
スーパーウーマンそのもの。

しかし。。
結婚後授かった3人の娘。
長女は知的障害を持つ。
次女は生後10ヶ月で他界。
3女は結核性脳膜炎で他界。

元々病弱だった夫も若くして亡くなる。

全て手にしていたはずの筆子は、その全てを無くし
絶望の淵に立つ。

長女の知的障害をきっかけに、石井亮一と出会う。

アメリカで障害児教育を学んだ亮一。
志を等しくした二人は、生涯の伴侶となる。

障害児教育の先駆者となる。

亮一の言葉
「小さな者になしたるは すなわち 我になしたるなり」

「誰かを支えている時は、自分が恵を受けているということを忘れてはならない」
という意味。

この言葉を残して、亮一は亡くなる。

一人残された筆子。

力を落としていた時に、かつての教え子から
自立して生きていることを綴った手紙が届く。

手紙を読んだ筆子は、亮一の言葉を思い出す。
「自分のほうが恵を受けている」ことの実感を取り戻し、
滝之川学園を始める。

***

筆子さんのお墓には、自分より先に亡くなった3人の娘達の墓標が並んでいる。

長女の墓標にはこう書かれている。

「鳩足止めるところなく 舟にかえる」

障害児だった娘には、生きる場所がなかった。
だから天に帰って行った、という意味だそう。

番組の解説者はこう言っていた。

当時の日本は富国強兵政策で
兵隊になれない人=役に立たない
という図式があからさまだった。
障害を持つ人には生きづらい世の中だったと。

でも、今現在の状況は、一体どれだけ変わっているだろうと疑問を持つ。

鳩の足をとめる所はあるだろか?

頭が良い子じゃなくちゃいけない、可愛くなくちゃいけない、お金持ちじゃなくちゃいけない、痩せてなくちゃいけない、健康じゃなくちゃいけない。

この価値観で成り立つ世界。
ここで私たちは生きている。

では。

そうでない人は生きる意味がないの?
障害や美醜は、生まれつきのものなのに?
その人が選んだものではないのに?
どうして差別されなくてはならないの?

では。

そもそもどうして、人間は平等じゃないの?
どうして神さまは、差別を作ったのか。
どうして人間に、優劣の感情を授けたのか。
どうして全ての人に健康な体を与えないのか。

神さまに会って、私は直接聞いてみたい。
人間は何のために、今にも滅んでいきそうなこの地球に生を受けるのか。

石井筆子さんの伝記的映画が撮られ、夏ごろから小さな映画館で上映されていたみたい。
「とくダネ」で取り上げられたことが反響を呼び、
上映される映画館が増えたそうです。
筆子さん役は常盤貴子ちゃん。
私も見てみたいなー。

クリスマスの直前に、愛情深く聖人のような石井筆子さんを知ることができて、
とても感動しています。

「誰かを支える時、自分も恵を受けていることを忘れてはならない」
この言葉が胸に突き刺さります。。







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4 コメント

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見逃しました・・ (みや)
2006-12-23 00:31:46
私も番組欄ではチェックしたのですが、見逃しました大学の時すぐ近くの施設にボランティアで通っていたのですが、内心すごく迷いがあったの。「私に何が出来るのか?」「ただの偽善」ではないかと・・
でもそんなこと考えずに素直に「輝く瞳」と「確かな温もり」(子供達は必ず抱っこかおんぶと甘えてました)を受け止めて、私が恵を受けていることに感謝すればよかったんですね。
今日は息子が来春から入る幼稚園のクリスマス会に行ってきました。子供と一緒なので難しいお話はなかったけれど、最後にシスターが「お母様方。イエス様が何も無いうまごやで、赤ちゃんという最も小さく弱い存在として私達のもとへ降りてきて下さった事をもう一度考えてみて下さい。」「お子様達に(親のエゴ)多くを求めすぎていませんか?」と
クリスマス前に私も考えさせられました。つい長くなりました。ごめんね
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Unknown (ぺんこ⇒みやさま)
2006-12-23 14:19:52
あの番組は、日本では再放送があるはずだよ。
石井筆子さん、今話題の人みたいだネ。
映画是非見てみたいです。
私もクリスマス前に考えさせられました。
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Unknown (LEAF)
2006-12-23 23:09:24
私も、この番組、見ました。
なんだか、見終わった後、どーんと来るものが・・・。
「こんな素晴らしい人がいたんだ」と、放心状態になりました。

豊かな社会になるにつれ、どんどん心が貧しくなってる気がします。
大人になるにつれ、どんどん欲深く、傲慢になりつつある自分自身への自戒の意味も込め、石井さんの言葉を胸に刻みました。
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Unknown (ぺんこ⇒LEAFさま)
2006-12-24 12:59:53
LEAFちゃんも見たのね!
自分のほうが恵を受けている、ていうことを
常に持ち続けることって難しいよね。。
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