今年の中秋節(旧暦の8月15日)は、9月25日。
中国で中秋節に月餅を食べる習慣があることは有名だが、残り1ヶ月を切ると、町のあちこちに、月餅の販促ポスターを見かけるようになる。兎に角、中秋節には、親しい人や普段お世話になっている人に月餅を贈るのが習慣となっていて、中華料理屋でも、ホテルでも、お菓子屋でも、各々がこの時と言わんばかりに贈答用の月餅を売りまくろうとする(バレンタインデーにあやかって、色々な形でチョコレートを売ろうとする、どこかの国の飲食業界と一緒か?)。商売人の商魂は、いずこの国でも逞しく、例えばハーゲンダッツでも、アイスクリームで作った月餅の予約を開始している。
年々エスカレートするため、2年前には「月餅の包装や詰め合わせものの価値が、月餅そのもののコストの20%を超えてはならない」というお達しが政府から出されている程である。また、今年に入り食料品価格が上昇傾向を強める中で、「今年も月餅の価格はそれ程上がっていない!」という記事が態々新聞の社会面に掲載されたりし、月餅が、正にこれからの一時期、中国人の生活の一部になっている様子が窺われる。
もっとも短期間に集中しても食べきれないことから、数年前からは、月餅そのものではなく、月餅引換券を贈るケースが増えている。貰った人は、有効期限内に引き換えれば良いので、便利な仕組みではある。が、この引換券、取引先から貰ったものを、友人への贈答に転用し、友人はそれを更に親戚への贈答に転用する、という具合にどんどん使い回され、一体結局誰の口に肝心の月餅が入ったのか、最早分からない何てことはざらである。
が、今日は更に驚かされた。
月餅では上海一有名な広東料理屋杏花楼に、足を運んでみると、店の入り口附近に暇そうな人々がたむろしているのが遠くの方から目に入った。更に近づいて行くと、皆、私に声を掛けてくるではないか…。「分かった!」彼らは、所謂「ダフ屋」なのだ…。杏花楼に月餅引換券を買いに来た人に、どこからどのようにして手に入れたのか分からないが、既に手に入れている同店の月餅引換券を売り付けようという魂胆なのだ!きっと、店内で買うよりも安く売るのだろう。引換券自体は、勿論本物が大半だろうが、中には偽物もあるに違いない!ということで、こうした輩は無視して、私は店内に入ったのだった。

年々エスカレートするため、2年前には「月餅の包装や詰め合わせものの価値が、月餅そのもののコストの20%を超えてはならない」というお達しが政府から出されている程である。また、今年に入り食料品価格が上昇傾向を強める中で、「今年も月餅の価格はそれ程上がっていない!」という記事が態々新聞の社会面に掲載されたりし、月餅が、正にこれからの一時期、中国人の生活の一部になっている様子が窺われる。
もっとも短期間に集中しても食べきれないことから、数年前からは、月餅そのものではなく、月餅引換券を贈るケースが増えている。貰った人は、有効期限内に引き換えれば良いので、便利な仕組みではある。が、この引換券、取引先から貰ったものを、友人への贈答に転用し、友人はそれを更に親戚への贈答に転用する、という具合にどんどん使い回され、一体結局誰の口に肝心の月餅が入ったのか、最早分からない何てことはざらである。
が、今日は更に驚かされた。
