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ジーンズリペア&リメイク工房 hands-on 日記(旧ブログ)

デニムの産地、岡山から発信するジーンズ日記(2010年12月~2016年1月)

リーバイス506XX (1st Gジャン) ビンテージ(1947モデル?) オーバーホールリペア ビフォー&解体

2015年09月15日 | デニムジャケット、Gジャン リペア

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。


相変わらず、激しいダメージのリペア依頼が多いです、、、

なので、予定よりも時間が掛かっております、、、

お待ちのお客さま、大変ご迷惑をお掛けしております。

申し訳ございません。



それでは今回紹介するのは、、、




リーバイスのGジャンです。

左前ポケットが1つなので506XX 通称1stです。


この色落ちでビンテージ物だとわかります。

復刻やレプリカをどんなに着て洗い込んでも、

この雰囲気にはならないと思います、、、個人的意見。





ビックリするほどのボロボロです、、、(焦)


ダメージ部分のアップ画像を連続で流していきます。


まずは前面









































お次は後面











































































左腕のカフス部分は平置きしているので、こんなんですが、、、

ハンガーに吊るすと、皮一枚でつながっていて、ブラーンってなります、、、(汗笑)



ハードダメージを通り越した、、、

スーパーハードダメージだと思います





依頼主は当店の常連様。

過去にヤフオクで買ったボロボロのビンテージジーンズで

当店のオーバーホールリペアの経験をされています。



依頼主曰く、あえてボロボロのデニムを買って(サイズはピッタリで)

それを当店でオーバーホールリペア(完全解体リペア)すれば

「色落ちの雰囲気はそのままに、新品のような感じでガンガン着る事が出来る!」 との事。

こんなのどこにも売っていないので 本当に重宝しているそうです。

(ある意味、ハンズオンの作品だと言って頂いております)



オーバーホールリペアする事を前提にボロボロのビンテージ古着を探しているそうです。

当店にとっては何とも有り難いお客さまです、、、感謝




納期はどんなに掛かっても大丈夫だから、、、

とにかく、バッチリ直して欲しい(ガンガン着て、洗えるような強度)とのオーダーです。

という訳で、オーバーホールリペアをします。



しかし、Gジャンはジーンズよりも作りが立体的でパーツ数も多いから

組み直すの難しいのです、、、

職人魂に火が付きます!








さて、このビンテージGジャンの年代チェックもしておきましょう。





シンチバックの金具です。

元は針付きの形状ですが、針が欠損しております。



1stのGジャンの知識はあまり無くて、、、(恥)

以前はシンチ金具が「針付き」だと第二次大戦前

「針なし」で止めるタイプだと第二次大戦後だという認識でした、、、



でも、詳しい方に聞いたらそうじゃないようですね、、、

戦後のタイプにも針付きはあるそうです。




それじゃどこでそれを見分けるかと言えば、、、



まずはリベットの刻印らしいです。

これは刻印が中央寄りなので1940年代だと思います。


スミマセン、ボタン裏の画像撮りわすれています、、、

もちろん膨らみのあるドーム型です。









これが戦前のものになると



刻印のCO の O が小文字のアンダーバーになるそうです。

(これは当店で過去にリペアした501XX ビンテージ 1937年モデルの画像)










あとはシンチ金具に滑り止めのギザギザが無いです。

全体的につるんとしています。

(これも同じく、当店で過去にリペアした501XX ビンテージ 1937年モデルの画像)




という訳で、、、これは戦後間もない頃 1947年頃じゃないか?と思います。

Gジャンに関してはまだまだ、知識不足です。

もっと勉強しないといけませんなあ、、、








ちょっと話がそれましたが、、、(ウンチクが好きなもので、スミマセン)

解体をします。



































これを解体したのは3月頃だったと記憶しています。

リベットの再利用にも挑戦していない頃でした、、、

依頼主からもリベットは既製品に変えても良いと言われていました。

(その部分にはあまりこだわっていないから、、、)




まあ、でも私的には 失敗しても良いから 再利用に挑戦しようかな?と思っていました。

駄目だったら、既製品でOKだし、、、



そんな気持ちでリベットを外しました。







何とか外れたが、ちょっといびつになって 傷が多いです。









裏側です(刻印が中央寄りのリベット裏は無地)

表から見えない部分ですが、傷ついています。

(自分的には納得の出来ない状態です)




再利用はどうしようかな?

これでもオリジナルパーツには変わりないし、、、


よし!

とりあえずはこのリベットに合う下側の凸リベットを探そう!

って事になりました。

(挑戦しない事には前には進まないし、、、)













外したボタンです。

裏側の形状を見て下さい。

これは!!!

無傷!


このボタンなら、、、再利用出来そう、、、


という訳で、こちらのボタンに合う下側の凸ボタンを探します。
















以前、児島の職人仲間から、スコービルのシンチ金具をちょっと頂きました。

Kさんありがとう!

(スコービルは生産されていないので、デッドストックです)












止め具の部分のみを外して

その先端をカットして、針状態にします。













それをリーバイスの針シンチに合体させると、、、

以外にピッタリだ!


おおお、、、これで針シンチとして使える。

ダメもとでやってみて良かった!








そんなこんなで

ボチボチリペア作業をスタートしました。

Gジャンは秋頃に着たいから、急いでリペアはしなくて良いと言われていました。



その間に、リベット再利用の為に

綺麗にリベットを外す研究は続けていました。

(外す道具の開発がメイン)








そして、その道具が完成して

リベットを綺麗に外す、自信が付いてきた頃に





前ポケットのリベットを外しました。














赤タブです(もちろん片面です)

経年変化で色が薄くなっています。
















開発した道具で外した、リベットの表裏です。

ほとんど傷無しで外せるようになりました、、、喜




お客さまが私にチャンスを与えてくれたので

(失敗しても大丈夫、、、)

チャレンジ出来ました。

そして、最終的には成功したのです!

本当に感謝です。






という訳で、、、

これらのパーツを全てリペア&補強して

元の状態に組み上げて完成です。


簡単に書いていますが、、、

超大変でした、、、



それでは出来上がりのアフターは次回のブログで紹介します。

では!

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
 ↓ 

 https://hands-on-jeans.com/nagare.html

 

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
 ↓
https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)

 

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