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ジーンズリペア&リメイク工房 hands-on 日記(旧ブログ)

デニムの産地、岡山から発信するジーンズ日記(2010年12月~2016年1月)

リーバイスS506XX 1stGジャン 大戦モデル ビンテージ エリの解体リペア、その他リペア ビフォー

2015年01月03日 | デニムジャケット、Gジャン リペア

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。



まだまだ紹介したいネタが沢山あるので

頑張ってブログを更新したいと思います。

こんなにブログを連日更新出来るのも明日までなので、、、




それでは今回紹介するのは




古着のGジャンです。

見る人が見ればすぐわかる物です。

そうあれです、、、

大戦モデル!

オリジナル ビンテージです。



大戦モデルとは、、、


第二次大戦中(1940年代前半)

リーバイス社がアメリカ政府の戦時製品監督局(WPB)から規制された衣類で

衣類を作るのに物資の無駄だと考えられる部分を排除された

歴史を感じさせるモデルです。

品番が S506XX 頭文字にSが付きますが

Simplified(簡素化された)のSで 通常の506XXとは違うという

識別された物でした。


506XXとはリーバイス社が最初に出した形のGジャンで

通称1stと呼ばれます。

1stの特徴は左前の片ポケットですね。

(有名なので説明不要かと思いますが、、、)









大戦モデルはポケット上にフラップが付いていません。

おそらく、物資削減の対象だったのでしょう。

(金属ボタンも無くて済みますから)

でもこれがシンプルで何気にカッコ良いですね。




あと、赤タブが付いていません。

赤タブの有無は固体差がありまして

付いている物もあったようです。

大戦モデルの固体差はかなり大きくて

本当に色んな作りがあるようです。

その1点物感がマニアの心をくすぶっているようですね。

(僕も欲しいけど、高すぎて手が出ません)











前ポケットのリベットのアップです。

無地の既製品リベットを使っていたりする物もあるのですが

これはちゃんとメーカー刻印が入っていました。

C O の O が小文字でアンダーバー入りなので

戦前に使っていた古いリベットのようです。
















フロントボタンの数が通常は5つなのに

大戦モデルは4つです。

1個減らすと、金属ボタンの物資削減が出来ますからね

でもこの4つボタンの雰囲気もシンプルで何気にカッコ良いです。














そしてボタンが月桂樹柄です。

高価なメーカー刻印のボタンではなくて

当時の既製品で安価なボタンを使っていました。

でも今ではこの月桂樹ボタンが大人気です。

(大戦モデルの象徴ですから)












ボタン裏はぷくっと膨らんだドーム型です。

こうゆう所もマニア心をくすぶります。













後身頃です。










シンチバック(尾錠)がカットされていました。

もったいないのですが、当時着ていた人はビンテージの意識ありませんからね、、、

単純に邪魔だったのでしょう、、、




あとはステッチの色が抜けて、生成りになっています。

元はイエローステッチだったと思いますが

大戦時期の素材は染めも安価な物に代用していたのかな?

色抜けが激しい気がします。

赤タブも退色してピンク色になっているのを見かけます。

(それも、大戦モデルらしくて良い感じなのですが、、、)













縦落ち感が凄いです。

しかも不均一なムラになっています。

この不均一なムラがビンテージデニムの魅力ですね。

現代のセルビッチデニムでもムラを出す技術はあるのですが

ここまで不均一でバラバラなムラは出せない気がします(個人的意見)










ではそろそろリペアの紹介をします。

またウンチクが長くなってしまいました(苦笑)





プリーツの押さえステッチは他店さまでリペア済みですが

(おそらく、スパン糸です)

こちらは解いてから綿糸に縫い直します。

このステッチよりもそうした方が雰囲気が良いとの事です。
















綿糸が経年劣化で非常に弱っています。

ヒジの部分のみ画像ですが、Gジャン全体のステッチを補強します。

補強には生地同色の細くて見えにくい糸を入れます。













エリが一番弱っています。












伸ばすとこんな感じです。

ここは解体して丁寧に直します。














エリ下もこんな感じで弱っています。

軽くリペアをします。









それでは部分的に解体です。










こうすると濃色が残っています。

大戦モデルのまっ紺デニムも滅多に見れない部分なので

撮影してみました。

何とも言えない、独特なインディゴ色です。

(画像では伝えにくい部分です)













エリの部分的な解体です。











全面補強+リペアをしています。

ここまでしないとエリの強度が保てないほど、生地全体が弱っていました。






ブログが長くなったので、

出来上がりのアフターは次回ブログで紹介します。

では!

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