ジーンズリペア&リメイク工房 hands-on 日記(旧ブログ)

デニムの産地、岡山から発信するジーンズ日記(2010年12月~2016年1月)

501XX ビンテージ ギャラ入り(1955モデル) 前ポケットスレキ(袋布)交換 補強リペア リベット表再利用

2015年09月12日 | ジーンズリペア ポケット

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。



行ってきましたよ!

早朝ラジオの生放送!

(フェイスブックには写真をUPしています)


超ドキドキでした、、、

詳しくはまた、ブログで報告したいと思っています。


Kディレクター、守口アナウンサー、坂本さん 本当にありがとうございました!




さて、今回紹介するのは 私物のジーンズです。





リーバイス501XX ギャラ入り(1955モデル)ビンテージ


右前ポケット入口を解体補強して スレキ(袋布)の交換をします。


画像で見る限り、それほどダメージは進行していませんよね、、、

でも、なぜそんな事をするの?



それは、、、

リベット表側の再利用テストが目的だからです。


ギャラ入りのオリジナルでテストやっちゃうのか! 

勿体無い! と思う方もいると思います。


でも、自分が普段着用するジーンズで試さないと

テストの意味がありませんからね、、、

私も、このジーンズは売る気ないのでリベット裏が既製品になっても構いません。









リベット表側のUPです。










リベット裏側のUPです。

ギャラ入り期(1955年~62年頃)はこのようにリベット裏が銅褐色になっています。









501XX ビンテージのリベットは沢山見て来ました。

そこである事に気が付きました。



先ほどのギャラ入りのリベットです。

この角度から見て下さい。













こちらは私物の501XX 革パッチ(1952年~53年頃)のリベットです。


リベットの先端の形状が違うでしょう!


ギャラ入りの方がちょっと高くて、革パッチのほうがちょっと低い


これがリベット再利用の研究において、重要な事だったのです。



なぜかというと

このギャラ入りに使われているのは鉄製の銅メッキで

この革パッチに使われているのは銅製だからです。


※今回は偶然このような結果ですが、

リベットの素材がいつ変更になったかは解明出来ていません。

恐らく、リベットの混在期もあると思います。




このリベット表を再利用するには

リベット表を壊さずに、綺麗に外さないといけません。


鉄と銅 どっちが外しにくいと思いますか?




答えは鉄です。


銅の方が柔らかくて、加工しやすいのですが、、、

鉄はかなり硬いので、頑丈にカシマっています。

これを綺麗に外すのが、相当な手間です。

専用の道具を開発しないといけませんでした。

(随分お金をかけましたよ、、、涙)

トライ&エラーの繰り返しでしたからね、、、大汗




鉄製の銅メッキが剥げて、サビサビになったリベットも見た事があります。

これが綺麗に外せるかも疑問です、、、

(それも挑戦しないといけないと思っていますが、、、)


















そんなこんなで、右前ポケット部分を解体しました。

ポケット入口の生地がちょっと弱っているので補強リペアします。


スレキもまだ使えそうな気がしますが

(ポケット入口付近はかなり弱っていますね)

今回はテストも兼ねているので、新品に交換します。











外した、リベット表側です。

専用の道具を開発したので、綺麗に外せたと思います。



外したリベット裏側(下の突起部分)は、お見せ出来ません、、、

これを見ると綺麗な外し方のヒントを与えてしまうからです。

これが出来る様になるのに、かなり苦労したので 同業者の方には見られたくありません、、、














リベット表の反対側です。

こちらにも刻印があります。

(両面刻印)










リベットが鉄製か銅製かを見分ける簡単な方法があります。

磁石です!



これは工業用ミシン専用の定規です。

ミシンに固定出来る様に、強力な磁石が付いています。


鉄のリベットは吸い付くように付きます。











さて、ここでもう一つ実験です。




501XXビンテージに使われている、刻印が中央寄りのリベット(私物です)

1950年以前になるとこうゆう感じになっています。












普段見れない、裏側です。

刻印がありませんね。

(片面刻印)


これは新事実かも?

リベットを解体するマニア限定の情報ですね、、、(苦笑)











これは銅製なので磁石に反応しません。

豆知識でした。












それじゃ話を戻します。


リペア後がこちら





















生地が弱い部分は補強リペア済みです。

エッジの色落ちした部分と

周辺の色の濃い部分はリペア糸色を使い分けています。

(より自然な仕上がりになるように)


ベルトループ下のカンドメ(カンヌキ)は専用ミシンで縫い直しています。











脇押さえのサイドステッチは太い綿糸を使っています、、、オリジナル重視















コインポケットの入口も生地が弱っていたので補強リペアしました。

(ポケット入口のステッチだけはイエローにしています、、、オリジナル重視)







それじゃ再利用したリベット表のアップ行きます。






右上










コインポケット右












コインポケット左











左下





外したリベットは混ぜてしまうので

元の位置にまったく同じのが来るとは限りませんので、、、




リベット裏側は新品の銅製になります。

なので、先端の突起部分のみ色が綺麗です。

しかし、銅無垢素材なので自然と色がくすんで

周辺の色に馴染んできますよ。













交換したスレキ(袋布)です。















先端のステッチ処理はこのようになります、、、オリジナル重視


※結構この辺はアバウトで、個体差あります。

真っ直ぐに縫って、返し縫い処理のもあります。

絶対にこうなっているとは限りませんので、、、その一例です。















リベット裏は既製品に交換しています。

新品なのでピカピカしています。

(時間の経過で馴染んでくるでしょう)


ウエストベルトはチェーンステッチで縫っています、、、オリジナル重視

















ポケット入口の補強した部分です。

解体リペアにするとスレキと一緒に縫い込む事はありません。






以上でございます。



これを穿いては洗濯をしてのテストをしています。

(リベットの強度を試す)

今の所、問題ないです。



という訳で、リーバイスのビンテージジーンズのリベット表側の再利用を開始しています。


リーバイス社ではなくても、このようにリーバイスタイプであれば再利用します。

レプリカ系のリベットも同じような作りなので、、、


デザイナーズ系ブランドのはちょっと再利用は難しいかな?



リベット再利用の工賃なのですが、

1個500円です。


万が一、再利用が出来なかった場合は 既製品の近い物になります。

その場合は再利用工賃は頂きません。


再利用に成功した場合のみ工賃を頂く仕組みです。

(でも、私はそれに挑戦するだけで手間なんですけどね、、、汗)



今の所、かなり高い確率で成功しています。

さっき書きました、サビサビになって固着していたりするのが

上手く外れるか?でしょうかね、、、

ビンテージ物なので絶対成功とは言い切れませんが、、、

頑張って再利用したと思います。




という訳で、、、

今回の工賃を出すと

右前ポケット入口の解体補強 2000円(スレキ交換有りなので安くしました)

コインポケットの解体補強 1000円(スレキ交換有りなので安くしました)

右前ポケット入口のスレキ交換 4000円

リベット表 再利用成功 500円×4=2000円

合計 9000円(別途送料)



リーバイスのビンテージジーンズのオリジナルパーツにコダワリのあるお客さまオーダーお待ちしています。




リーバイスビンテージのリベット表の再利用は只今、ドンドンやっている最中です。

(今の所、外れたという報告はありません)

これからもブログで紹介しますので、お楽しみに!

 

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