ジーンズリペア&リメイク工房 hands-on 日記(旧ブログ)

デニムの産地、岡山から発信するジーンズ日記(2010年12月~2016年1月)

リーバイス501XX 復刻 1937モデル 股の解体リペア+太もも、お尻、カカトの全面補強リペア

2013年06月17日 | ジーンズリペア 股

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。


激しいハードダメージのリペア依頼が続いております。

今回もその紹介を行ないます。



リペア前がこちら



左足上に付いているワッペンは外してリペアします。


穴以外の太もも全面も弱っているので補強します。












お尻周辺も生地が弱っているので全面補強します。





















前後股のダメージは縫い代付近なので

解体リペアにします。

すでにリペアステッチが入っている所は

ステッチを丁寧に外します。
















カカトは裾が長くて擦れた跡になっているので

穴をリペアしてから、少し裾上げを行ないます。













シンチバックを切った跡があります。

加工物だから元々?

邪魔だから後で切った?

こちらはリベットを外して、綺麗に取ります。







ちなみにこちらのバックセンターの縫い代をよく見ると、

右側が高い縫い方になっています。

(右高とか言います)






ちょっとウンチクを、、、

これはリーバイス501XX 1937年モデルの復刻版

戦前モデルです。


バックセンターは巻き縫いという縫い方をしているのですが

この巻き縫いが登場したのが1922年頃だと思っています(多分)

そして最初はバックヨーク側から巻き縫いをスタートしていたので

このような右高になってしまいます。



ジーンズ縫製で一番難易度の高いと思われる

バックセンターの巻き縫い部分。

縫製工場でも量産時この部分を担当するのは

一番腕のあるエースが行なうと聞きます。



この右高が

1942年の大戦モデルから左高になって

現在までずっとそれが続いています。

左高になるということは

股側から巻き縫いをスタートしたということです。


なぜでしょう?

私の予想ですが、股側から縫い始めた方が生産効率が良かったのでは?と考えます。

これは実際に巻き縫いミシンを使った人にしか わからない部分ですが、、、



第二次大戦を機会にジーンズは色んな部分の作りが変更になります。

(素材や製造工程の見直し、無駄だと思われる部分の排除)

そうやって、よりシンプルで機能的なパンツへと進化するんですねー

いやージーンズの歴史は深い、、、





マニア以外にはどうでも良いウンチクを語ってスミマセン、、、











では

股の解体をします。

リペアステッチ外し

かなり大変です、、、

なるべくお客さまに外して頂きたいですねー





お尻の補強ではバックポケットの際を補強するのが

重要だと考えているので、バックポケットも外します。











脇(アウトシーム)と前股も解体します。

股リベットは今回は外しませんでした、、、

(この付近のダメージが激しい時は外して交換します、、、)











では

リペア後がこちら










穴は普通リペアです。







ワッペンの跡が残ってしまいました、、、











股は解体リペアなので

縫い代部分は綺麗な仕上がりだと思います。
















カカトも普通リペアです。







リペア後の裾上げはチェーンステッチ仕上げ
















お尻の補強はよくわかりませんね、、、

最後に裏からお見せします。









シンチバックを取った跡は濃色が残ります。













リベット穴はインディゴ染めの特殊な糸で

軽く穴埋めリペアしました。












では最後に

裏からどうぞ















こちらの工賃が

ワッペンと股のリペアステッチ外し 3000円

左右太もも+前ポケット下部分の全面補強+普通リペア 12000円

左右お尻の全面補強 6000円

股の解体リペア 7000円

左右カカトのリペア+補強 5000円

チェーンステッチ裾上げ 1500円

シンチバック外し+穴のリペア 1500円


合計 36000円(別途送料)



手間暇を掛けて、丁寧に直すのでどうしても

工賃が割高になってしまいますが、、、

キッチリ直して、長く穿き続けたい方

オーダーお待ちしております。

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
 ↓ 

 https://hands-on-jeans.com/nagare.html

 

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
 ↓
https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)


リーバイス501XX 片面タブ(47モデル) ボロボロ ビンテージ 5 オーバーホールリペア前

2013年06月13日 | まめ知識

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。


忙しい日々が続いております。

納期60日以内、ギリギリです、、、

商品が届いてからの連絡が遅れていて、

ご迷惑をお掛けしております。




突然ですが、

当店のHP内に新しく オーバーホールリペアの

専用ページを立ち上げました。



激しいハードリペアの依頼が増えているので

専用ページを作って紹介しようと思いました。



完璧にリペアした物を

細かい部分まで紹介したかったので

今回は、見本となる

ボロボロのビンテージジーンズを購入する事にしました。


こちらです。

































リーバイス 501XX オリジナル ビンテージ です。

ヤフオクで18000円で購入しました。

ここまでボロボロだと、さすがにXXでも安く買うことができますね。

(入札者は自分だけだったので、スタート値で買うことが出来ました、、、)







では

ディテールを見ていきましょう。




ベルトループは太めです。

(アップが無くてスミマセン)








隠しリベット付き




おまけ



普段見れない 隠しリベット上側

UFOタイプでした。


















リベット裏が銅製の打ち抜きタイプ

このディテールで ギャランティー入り のXXになるそうです。














もちろんビッグEです。








片面のみの印字です。


よって、1947年~52年製造の通称 47モデルですね。











フライボタンがプレーンなタイプです。

47モデルの特徴かどうかは???ですが

両面タブの時代になると、このボタンの下地がブツブツになってくるようです。

(この辺の説明は画像付きでまたの機会に行ないますね)















もちろんVステッチ止め





トップボタン裏は刻印無しです。






47モデルは初期モデルになると

ボタン裏がドーム状に膨らみます。

持ち出し(ボタンフライ下地)の下が切りっ放しのロック仕様になったり、

小股裏の縫製も切りっ放しのロック仕様になっていたりします。

そうゆうディテールが入ると

確実に1940年代なのかな? と勝手に思っています。

なので、このジーンズは 47モデル後期の 1950年代製なのかな?と推測しています。



プロの古着商ではないので、曖昧でスミマセン、、、




では、こちらの オーバーホールリペア後は



こちらのページでご覧頂けます。


よろしかったら、一度ご覧ください。



よろしくお願いします。

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
 ↓ 

 https://hands-on-jeans.com/nagare.html

 

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
 ↓
https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)


リーバイス501 66前期 ビンテージ オーバーホールリペア アフター

2013年06月04日 | ジーンズリペア オーバーホール

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。


では前回ブログの続きです。



出来上がりがこちらです。















左右太ももの穴は大きいので

全て普通リペアで仕上げました。














左右前ポケット口です。

かなり苦労しました、、、

伸びきった生地をパターン修正してリペア。

再構築で、ポケット口に綺麗にカーブをつけるのが

難しかったです。

※リベットは全て新品に交換しています。








コインポケットもこのようになりました。

こちらの穴はデニムを移植しました。












別の角度から

スレキ(袋布)も交換しているので

裏側も綺麗な仕上がりだと思います。


























右後ポケット 

裏は全面補強しています。







赤タブが飛び出ていたので

内側に入れました。











左後ポケット

裏は全面補強しています。












破れがひどかった バックヨーク下

穴が大きいので普通リペアです。

解体リペアなので縫い代も綺麗な仕上がりだと思います。











左後ろのベルトループです。

こちらは解体リペアです。














バックセンターのベルトループは

近い雰囲気の物に交換しました。















バックセンターとバックヨークの縫い合わせです。

解体リペアなので綺麗な仕上がりだと思います。


※ここは生地が16枚重なり合う

ジーンズ縫製で一番難しいと思われる難所です(僕的には)

今回のリペアで最も苦労した部分です。













紙パッチはボロボロになっていましたが

とりあえず、縫って付けてみました。

穿いているとすぐに破れると思います、、、

(ここはサービスでやりました)









股はそのままリペアです。









股のアップ

内股を押さえるシングルステッチは強度的に必要ないのですが

見た目重視で、入れるようにしています。















左右裾のリペア後
















裾上げはチェーンステッチ仕上げ











では、最後に裏からどうぞ




補強範囲がわかると思います。

スレキ(袋布)も新品に交換しています。









ここまで広範囲に補強できるのは

解体リペアだからでは?

と思っています。









お尻も外側まで全面補強をしました。

左バックヨークも全面補強です。






以上!

では、こちらの工賃が



左右太もも リペア+全面補強 8000円

左右前ポケット下 解体リペア+全面補強 6000円

左右前ポケット口 解体リペア 10000円
(向こう布、コインポケットリペア込み)

左右スレキ(袋布)交換 7000円

左右後ポケット リペア+全面補強 5000円

左右お尻全面 解体リペア+補強 10000円

左バックヨーク全面 解体補強 3000円

股のそのままリペア 1500円

ベルトループ 1本リペア+1本交換 2000円

左右裾 リペア 3000円

左右裾 チェーンステッチ仕上げ 1500円

合計57000円(別途送料)



工賃もhands-onの開業以来 最高金額となりました、、、

お客様からも喜びの声を頂きました(一安心)



キッチリ直して、補強もバッチリなので

ガンガン穿いて、ガンガン洗って

ベビロテ出来るビンテージジーンズに仕上げました。

超高額リペアとなりますが、オーダーお待ちしております。


※オーバーホールリペアの依頼が予想以上に多いので

只今、専用ページを作成中です。

HPでわかりやすい見本を公開しますので

お楽しみにー

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
 ↓ 

 https://hands-on-jeans.com/nagare.html

 

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
 ↓
https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)


リーバイス501 66前期 ビンテージ オーバーホールリペア ビフォー&解体

2013年06月04日 | ジーンズリペア オーバーホール

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。


最近、ハードダメージのジーンズリペアが続いたので

その中から一番激しかった物を紹介します。


リペア前がこちらです。



前身頃

穴の周辺も生地が弱っていて

広範囲の全面補強が必要です。








前ポケット口の生地が完全に無くなっています、、、

さらにそれが引っ張られて、伸びきっています、、、

コインポケット部分は穴の上から簡易的な補強布が

手縫いで縫い付けられています。

こちらは全て解体します。










後身頃










左右後ろポケットは全面補強が必要です。

お尻周りも広範囲に補強をしないと

今にも破れそうなくらいに弱っています、、、

こちらは全て解体します。









これはかなり強烈な破れ方をしています。

こちら側で物の出し入れを繰り返したのでしょうか?

ベルトループも擦れているのでリペアします。

こちらは全て解体します。








バックセンターのベルトループは

外れた後に簡易的に別の物に交換されています。

こちらはリペアせずに近い雰囲気のベルトループに交換します。













股は他に比べるとあまり弱っていませんね。

(最近ブログに書いたリペアもこのようなパターンでした、、、)

こちらはそのままリペアをします。

















左右裾もそこそこダメージがあります。

こちらは解体してリペアします。







さて、ビンテージっぽい色落ちをしたこのジーンズのディテールをチェックします。




帯び止め平行ステッチ

ボタン裏は6









赤タブはスモールe

(赤タブが飛び出た縫い付けになっているので修正します)










バックポケット裏がシングルステッチなので

66前期(シングル)モデルですね。



当店に依頼のある

ビンテージジーンズで一番依頼の多いモデルだと思います。

66モデル以降のジーンズの内タグに製造年月が書いてあるのを

最近知ったので、チェックさせて頂いています。

このジーンズはボロボロだったので、内タグは無くなっていました(残念)

66前期の製造年月の調査が出来て面白いかな?と思ってやっています。

(また、別のブログで紹介しますね)









では、こちらを解体します。






ウエストベルト(帯)を外して

前ポケット部分を外して

アウトシーム(脇)を上まで解きます。











バックポケットを外して、

左バックヨークを外します。

バックセンターの縫い代もボロボロだったので

バックセンターとバックヨークの付け根も解きました。

(再構築が一番難しい部分です)










外したパーツはこんな感じ。

スレキ(袋布)はボロボロなので

新品に交換します。





このダメージはhands-onの開業以来

最大のダメージだと思います。

とても苦労をしてリペアを成し遂げました。

では、出来上がりは次回ブログで報告します。

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
 ↓ 

 https://hands-on-jeans.com/nagare.html

 

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
 ↓
https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)