こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。
激しいハードダメージのリペア依頼が続いております。
今回もその紹介を行ないます。
リペア前がこちら
左足上に付いているワッペンは外してリペアします。
穴以外の太もも全面も弱っているので補強します。
お尻周辺も生地が弱っているので全面補強します。
前後股のダメージは縫い代付近なので
解体リペアにします。
すでにリペアステッチが入っている所は
ステッチを丁寧に外します。
カカトは裾が長くて擦れた跡になっているので
穴をリペアしてから、少し裾上げを行ないます。
シンチバックを切った跡があります。
加工物だから元々?
邪魔だから後で切った?
こちらはリベットを外して、綺麗に取ります。
ちなみにこちらのバックセンターの縫い代をよく見ると、
右側が高い縫い方になっています。
(右高とか言います)
ちょっとウンチクを、、、
これはリーバイス501XX 1937年モデルの復刻版
戦前モデルです。
バックセンターは巻き縫いという縫い方をしているのですが
この巻き縫いが登場したのが1922年頃だと思っています(多分)
そして最初はバックヨーク側から巻き縫いをスタートしていたので
このような右高になってしまいます。
ジーンズ縫製で一番難易度の高いと思われる
バックセンターの巻き縫い部分。
縫製工場でも量産時この部分を担当するのは
一番腕のあるエースが行なうと聞きます。
この右高が
1942年の大戦モデルから左高になって
現在までずっとそれが続いています。
左高になるということは
股側から巻き縫いをスタートしたということです。
なぜでしょう?
私の予想ですが、股側から縫い始めた方が生産効率が良かったのでは?と考えます。
これは実際に巻き縫いミシンを使った人にしか わからない部分ですが、、、
第二次大戦を機会にジーンズは色んな部分の作りが変更になります。
(素材や製造工程の見直し、無駄だと思われる部分の排除)
そうやって、よりシンプルで機能的なパンツへと進化するんですねー
いやージーンズの歴史は深い、、、
マニア以外にはどうでも良いウンチクを語ってスミマセン、、、
では
股の解体をします。
リペアステッチ外し
かなり大変です、、、
なるべくお客さまに外して頂きたいですねー
お尻の補強ではバックポケットの際を補強するのが
重要だと考えているので、バックポケットも外します。
脇(アウトシーム)と前股も解体します。
股リベットは今回は外しませんでした、、、
(この付近のダメージが激しい時は外して交換します、、、)
では
リペア後がこちら
穴は普通リペアです。
ワッペンの跡が残ってしまいました、、、
股は解体リペアなので
縫い代部分は綺麗な仕上がりだと思います。
カカトも普通リペアです。
リペア後の裾上げはチェーンステッチ仕上げ
お尻の補強はよくわかりませんね、、、
最後に裏からお見せします。
シンチバックを取った跡は濃色が残ります。
リベット穴はインディゴ染めの特殊な糸で
軽く穴埋めリペアしました。
では最後に
裏からどうぞ
こちらの工賃が
ワッペンと股のリペアステッチ外し 3000円
左右太もも+前ポケット下部分の全面補強+普通リペア 12000円
左右お尻の全面補強 6000円
股の解体リペア 7000円
左右カカトのリペア+補強 5000円
チェーンステッチ裾上げ 1500円
シンチバック外し+穴のリペア 1500円
合計 36000円(別途送料)
手間暇を掛けて、丁寧に直すのでどうしても
工賃が割高になってしまいますが、、、
キッチリ直して、長く穿き続けたい方
オーダーお待ちしております。
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