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初めての四国~真鍋博2020

2020-11-24 23:33:00 | アート

▲真鍋博2020が開催された愛媛県立美術館より、松山城を望む


 イラストレーター真鍋博さんが亡くなって20年の今年、「真鍋博2020」という美術展が開催されることになった。20年前、無くなった年に回顧展があり、東京ステーションギャラリーで見た以来の大規模展示だ。
 20年前の感動を思い出して、見に行きたい!! と思った。

 しかし、今回は東京での開催ではない。出身地である愛媛県立美術館での開催となっていた。こうなれば行くしかあるまい。ということで、愛媛行きを決めたのが9月のこと。まだGOTOは東京は除外されていたころだった。いずれは東京も対象になるだろうと思って、遅めの11月に行くことにした。その予約の2週間後には東京都民もGOTO対象となり、おかげでお得な旅行計画となった。
 なお、この手の美術館鑑賞系は通常一人で行動するものなので、何の迷いもなくひとり旅である。東京界隈の美術芸術鑑賞もいつも一人だからね。


 ということで11月の晴れの日に初の四国フライト。

 松山市街へはバスで移動。
 松山市街に入ると、伊予鉄が並走する。そして伊予鉄って、平面交差するのね。普通に信号待ちしていてびっくりした。
 松山市駅で空港バスを降り、そこから歩いて愛媛県立美術館へ。
 今回は、カメラも持たない1泊2日旅行なので、荷物は最小。街歩きのこぶりのリュックひとつである。

 美術館で手指を消毒し、検温してもらい、拡大鏡を借りていざ美術展へ。
 イラストレーターとして有名な真鍋氏も当然美術大学の時代があり、そのころの油絵の展示から始まった。
 そう、当初は普通のが学生だったのだ。最も賞とか取っちゃうレベルの人だったけれど。卒業後も油絵を描いていたらしいが、その後イラストレータとなる。
 そしてSFと出会い筒井康隆や星新一の仕事をし、さらに、海外の推理ものの装丁も手掛けるように会った。この辺りになると、多くの人が知る真鍋になるのだろう。
 
 挿絵は当初彩色した作品を印刷所で4C分解【C(シアン・青)M(マゼンダ・ビンク)Y(イエロー・黄)K(クロ・黒】し、その掛け合わせでイラストの色を再現していた。
ところが、それでは100%描いたイラストと同じ色にはならない。それが4色印刷の限界ともいえる。
 なお、現在の商業印刷の多くも、この4つの色を掛け合わせるという手法で刷られている。ただ、イラスト自体が絵の具で描くものではなくなってきており、PC等を使って描かれることで、当初から4色に分解されたデータとして印刷物に取り込まれる。紙かディスプレイというデバイスでの色の見え方の違いはあるが、真鍋が感じたほどの違和感はないだろう。
 真鍋は自分のイラストが自分の思い描いた色となって世間に出回らないことに業を煮やし、印刷の手法を身に着けた。すなわち、イラストのカラーをはじめからカラーチップで指定したのである。DICを使っていたかはわからないが、イラスト作品にトレーシングペーパーをかけ、各色の4Cのパーセンテージを具体的な数値で指示するという方法で己の望む色を再現したのである。
 自分が編集職に就いたのも、この頃で、例えばカラーページの背景色などは、カラー見本で色を決め、指定紙にその組成(C40M80Y10=#A64C8F)を書き込んでいたからよくわかる。実は個人的にはこの色決めが楽しかったから、結局今まで紙の媒体に関わってきているとも言えたりする。
 それを真鍋は超人的に細かい指定をした。プロの目から見ても異様なほどに細かい、そして緻密な指定紙であった。受付で大きな虫眼鏡を借りれるのだが、それをもってなお、細かい指定に、目がくらくらする。

 こういう指定紙は、没後東京で行われた20年前の回顧展でも展示されていたのだが、もう、あまりに細かくかつ詳細で乱れない指示書に、制作屋としての襟を正してもらったわけである。
 真鍋は、4cだけでは足りず、特色を交えた美術印刷でも細かな指定をしていた。

 松山市内のセキ美術館では、そういう見本も見ることができた。10版以上のインクを重ねて、作りだした贅沢な印刷物。そのち密さは何度見ても嘆息するが、それを受け止めるスポンサーの気前の良さも古き良き昔である。現在でも美術印刷と呼ばれるものは、4色以上の特色を交えた印刷を行っている。


 現在のイラストはPCのソフトで作られ、印刷向けに最初から色が分解されたデータで納品される。そういうソフトが多く出回っているので、作り手は真鍋のような印刷知識が無くても素晴らしい作品を生み出せる。
 アナログ時代からこの世界に入った自分としては、その辺りがうれしくもあり、さみしくもありといった感じだったりする。


▲愛媛県立美術館の隣の図書館では、真鍋博が手掛けたイラストがカバーとなっている文庫本の展示が行われていた。星新一のショートショートの文庫は自分もかなり持っている


ゲイカツ(芸術鑑賞活動)

2016-09-20 23:02:00 | アート

▲乃木坂駅直結口のエントランスにはヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たちとダリ展の告知が交互に…。

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 シルバーウィーク、当初は新潟方面にまた行こうと思っていたのだけれど、夏の無理がたたって、資金枯渇。なお、行こうと思っていた花火は2つとも雨天打ち上げとなったようだから、結果オーライといえばそれまで(まぁ、この連休中はかなりの確率でどこも雨にやられていたから、致し方なしなのだが…)


 ということで、春先に前売りチケットをゲットしていたヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たちに行ってきた。
 以前だと、前売り券を出力して、どこかに保管しておくうちにあれ、どこに行ったっけってパターンなのだが、最近はネットチケットをスマホに入れられるので便利。

 ルネッサンスというとフィレンツェが有名だが、ミラノやローマ、ヴェネツィアなどのイタリアの各都市でもその花が開いた。今回はそのうちのヴェネツィアを中心とした展示。といっても???という人が多いだろうが、要はティツィアーノの晩年の傑作「受胎告知」を中心としたその趨勢を展示するものである。

 当日新国立美術館に入るといきなり大行列! え、そんな人気だっけ!?と思ったら、数日前に開幕したダリ展でした。新国立美術館は小中学生のみならず、高校生も無料で入館できる日ということで、100人以上が入場待ちをしている状態。
 2階のヴェネツィア・ルネサンスの方はといえば、特に行列もなく、中の混雑もなく快適な環境で観覧できた。

 うーん、テーマとしてはダリが面白いが、絵画としてはヴェネツィア・ルネサンスの方が面白いと思うんだけどなぁ…。ヴェネツィアが芸術の都っていうのは今の学生は知らんのかな? あー、そもそもヴェネツィア派というのもここ四半世紀で日本で認知され始めた言葉なのかもしれんなぁ(もちろん、専門家除く一般人にとっての話)
 そうなると古臭い宗教絵画よりは、何だこのおっさん、面白いぞって感じのインパクトのあるダリの方が人気なのはむべなるかな。
 まぁ、私自身もシュールレアリスム好きではあるのだけど、私はマグリッドが大好きで、ダリにはちょっと距離があるのだよね。


 ということで、いきなり聖母子に出迎えられる。赤いケルビム飛び回る聖母子像(上記画像の一番右がその部分)。最初、赤いバラ(マリアの象徴)かと思ったら顔だけ天使のケルビムでビビったよw
 一部女子にはケルビムとかセラフとかが好きって子いるんだけど、私にはこの天使たちのかわいらしさはよくわからないとだけ言っておく。

 教会によって管理されてきた聖母子画像が変化するのがルネッサンス期。母子が視線を交わす構図すら珍しかったらしい。それがああやってこうやって…って、ダヴィンチの糸巻きの聖母子像(もはや象徴無し)の表現にたどり着いたりするんだよな。


 まぁ、この辺りはかじった程度の知識しかないので、さっさと終了。


 ちょっと気になった点が二つ。
 一つは、マリア超人すぎないか1?という点。
 イエスが生まれた晩に、近所の羊飼いやら東方三賢人やらが星に導かれてイエスに会いに来るのだが、マリアの身なりが整いすぎているのだよね。産褥期にあれば無理だろう。藁によっかかってイエスを抱いているのならまだしも(そういう絵画も見る)、素っ裸のイエスを中央に配して身なりを整えて礼拝している姿とか、マリア、どんだけパワフルなんだよって感じ。まぁ、聖書の登場人物はそもそも男女ともスーパーマンだし、マリアは処女懐胎だしなんだって出来そうなんだけれどさ。

 で、もう一つは、聖母子像は児童ポルノに該当しないのか?という素朴な疑問。聖母子像というのはマリアは決まった色の服を着、時にユリやらハトやらバラやらが添えられているのだが、幼子イエスの方はたいてい素っ裸である。産着ぐらい着せてもらいなよw
 非実在人物(イエス)の裸体だしなぁ。聖なるものをそのような目で見るとはけしからぬと宗教者からお叱りを受けることは重々承知の上での暴言なのだが、二次元の子供の裸体に目くじらを立てる人に、見識を伺いたい気持ちになった。
(なお、個人的に2次元の児童ポルノの容認者というわけではありません)


 あ、お釈迦様の誕生の像(天上天下唯我独尊ポーズ)も腰布を巻いただけで上半身裸か…。


 という、雑念にまみれて美術展を見てきたというわけである。


 でも、ヴェネツィア・ルネサンスは良質な大型の絵画展示が多いので(あのサイズのカンバスってどう作ったのかな?)、西洋絵画好きなら見る価値あると思いますよ。

不遜でドラマチックなカラヴァッジョ

2016-05-15 20:32:00 | アート

▲カラヴァッジョ展ポスター

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 気が付けば桜もGWも終わっていた。その辺りで行こうと思っていたカラヴァッジョ展、すっかり出遅れたけれど行ってきた。

 以前にも東京都庭園美術館で見たことあるのよねぇってググって見たら、それが2001年のこと。あれから15年経ちました…。

 上野駅を降りて国立西洋に行くと、なんか列ができている。

 えぇっ!! こんなに行列できるほどの人気あったっけ!? って動揺していると、チケットを買い求める人の列という。もちろん、前売り券はゲット済みであるので、そのままするすると館内入場。
 今回は音声ガイド抜きで観覧。
 音声ガイドは便利なんだけれど、どうもガイドなしの絵画の見方が雑になっちゃうのだよね。まぁ、何度も展示されるアイテムならそれでもいいのだけど、後で印象から消えてしまうのはもったいない。今回はそれほど展示数が多くないから、きちんと1点1点見ようと…。
 会場内はそれなりに混んでいるが、超有名どころの絵画展に比べると、ずいぶんゆったりしている。アート好きならともかく、日本の一般人にはカラヴァッジョがあまり広く浸透していない…ということの裏返しだろう。
 何しろこの人破天荒!
 2週間ほど絵を描くと外に出て、大抵騒ぎを起こして帰ってくる。切った張ったを地で行った人で、3人も人を殺めている。自分も刺されて死にそうになっている。
 なのに、絵筆を握るや、光と闇の明暗を使い、まるでカメラで一瞬をとらえたようなドラマチックな構図で作品を仕上げる。きれいごとではなく、ある意味リアリズムで、人々の汚れや大量な血の流れ、苦しみ無ゆがむ顔などを容赦なく描き出していく。
 教科書になんてうっかり載せられない人なのだ。

 今回の目玉は「法悦のマグダラのマリア」が世界初公開ってこと。
 2014年に発見され、専門家の調査によって真筆と認められたものという。

 えっ!! じゃぁ、2001年に来ていた「法悦のマグダラのマリア」(当時は「マグダラのマリアの法悦」ってタイトルだった)ってなんなの!? 当時の資料が一部しか残っていないからよく分からないのだけど、あれも一応カラヴァッジョ作とされていたのだよね。コピーに格下げされたのかなぁ…。
 さすがに当時の印象はほぼ忘れてしまっているし…(←ヲイ)。


 会場の一角に、カラヴァッジョの作品が世界のどこにあるのか分かる地図が展示されていた。マルタに3点ある!! 行く先々でトラブルを起こした彼が、マルタに逃亡してきたときに描いたものらしい。しかも、結局マルタでトラブルを起こしてシチリア経由で逃げているし…w ダメじゃん。
 ということで、マルタに行く2つ目の理由ができた。行かねば!! まぁ、その前に英語だな。美術館も英語のガイドしかないらしいし…。
 

 という感じで、観覧終了。


 そのまま常設展へ流れる。


▲常設展

 常設展は、実は撮影自由。特別なもの以外は撮っていいのだよ。
 とはいえ、比較的暗い館内では絵画そのものを撮ってお持ち帰りすることは難しいので(確か三脚NG)、「解説文込みの後のお楽しみ方式」の撮りとなる。

 版画室では、夢をテーマとした展示がされており、まさかのルドンの目玉と再会。しっかり収めてきた。が、ルドンの中では「気持ち悪い系」に分類される作品なので、どう活用していいのやら…。

 そして退館。


 そういえば、上野公園の広場で小千谷からの物販が来ていると聞いていたので、ちょっと足を向けてみる。
 えちご長岡・佐渡広域観光フェア(pdf)

 物販や飲食販売、地酒試飲(有料)などもあり、結構な賑わい。土日の2日間のイベントで、日曜の午後なのですでに売り切れも多し。それでも結構な人が楽しんでいた。
 小千谷観光協会のヤンキー座りの美人のお姉さんも実物いたし(笑)



▲長岡・佐渡広域観光フェアの小千谷案内
 花火対決だ!!


▲長岡・佐渡広域観光フェアの長岡案内
 芯がないのはいかんなぁww


▲尺玉半分の重さは5.5キロと見た目よりずっしり重い。
 火薬に金属粉とかが配合されているからだろうか…。

 尺玉の重さは平均11キロ。スーパーで売っている大きな米袋(10キロ)より1キロ多い。小家族なら5キロの袋を2つで10キロ。多い1キロ分は、花火に対する越後人の想いと覚えましょう!!(勝手に定義) 実際、片貝にせよ、長岡にせよ、いろんな思いが込められているし…。




▲こういう鯉専用の箱があるのね
 会場では、錦鯉の展示もされていたよ。今、錦鯉って海外輸出が結構多くて、上記のような段ボールに入れて出荷されるらしい。






 そういえば、長岡の小国地区のPRで例のトレランの件が紹介されていた。

 どうも当初は小国だけでやろうと思っていたらしい(実際昨年実施されている)のだが、集客が増えることを考えると近隣地区まで範囲を広げた方がバリエーションも増え、かつ、いざというとき協力体制が敷けるからって辺りから小千谷にも広がったらしい…ということは分かった。
 まぁ、何事も初めてだからやってみないと分からないしな…。一応、西山の危ないエリア(中越地震で崩落したポイント)は大きく迂回しているみたいだし…。
 http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20160427251079.html

 ってか、例の総選挙の翌日じゃね? 連戦なんて猛者がいるのかもw

ビーナスにもプリマヴェーラにも会えなかったけれど…

2016-02-07 01:31:00 | アート

▲東京都美術館のエントランスにあるオブジェ「my sky hole 85-2 光と影」井上 武吉 いつ行ってもピッカピカなのだが、定期的にふきふきしているのかなぁ。

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 今年も魅力的な美術展はいくつかあるのだけど、花火がオフのうちに行っておかないと…(オフは無いんだけどさ)。

 ってことで、今年のアート活動は「ボッティチェリ展」を最初とする。
 私の興味のドセンターではないのだが、そこにはちょっとした思い出もあって、忘れられない作家ではある。

 会場は上野公園の東京都美術館。
 上野公園では今はこれしか美術展示がない(西洋は改装中だし、国博では兵馬俑展だし、ほかは何もやってないし…)ので、アート大好き民はまっすぐに都美に向かう。
 寒々しい上野公園では、寒桜のはかなげなピンク色だけに明かりが差している。
 いきなり、建物内側に展開された巨大垂れ幕がどーんと。

▲企画展示室の外向きの窓に馬鹿でかい展示。2フロアぶち抜きサイズなのだが、実際は1メートルぐらいなんで、こんなに大きくしなくてもいいんじゃないかと…。

 都美は公募展なども多く、いつ行っても人がいっぱい。そして空きロッカーが見つからない。ちょうど、ロッカーから荷物を出す人がいたので、その人の後方で待っていたら、後からやってきたおばさんに間に入られて取られてしまった。そんなに遠くにいたわけでもないのに、なんで私のことが目に入らないのだろう(存在感たっぷりだよな)?

 絶望していたら、同じように絶望していた外国からの客を展示会スタッフが案内して行ったので、後を付いて行ったら、比較的すいているロッカー発見! 事なきを得る。

 ごくごく個人的な感想だが、都美の客はモラルが低い感じがする。多すぎる公募展展示がその原因のではないのか…。


▲フツーのポスターサイズですら、現物よりでかいことになる

 入口で音声ガイドを借りて入場。
 音声ガイド、池田秀一と池田昌子だったよ。シャアとメーテルだよ。
 一応役割が分かれていてて、当時の手紙文や詩文を読むのがシャアで、淡々と解説するのがメーテルね。シャアはどこまでもシャアだったけれど、メーテルはあまりメーテル感がしなくて助かった。
 雑念が多い人間なので、声ですぐ邪な考えを起こしてしまうwww


 一応、日本初の大回顧展ってことなんだけど、トータルではちょっと物足りないかなって感じ。
 全体を4章に分けているのだが、第1章~3章までは分かる。だが第4章はボッティチェリの弟子からライバルとなるフィリッピーノ(師匠であるフィリッポ・」リッピの息子)がメインになっちゃうんだよね。うん、最近、こういう展開多いよね。高まった感動を冷めさせてエンディングってパターン…。
 学術的にはそういう「流れ」を穏やかにくくるのがいいのかもしれないけれど、観覧客は研究者じゃないから感動という余韻に包まれて会場を後にしたいのだけど、違うかな。

 そして、フィレンツェは、メティチ家から厳格な宗教家に統治者が変わったことにより、その輝きを失っていくのだよね…。


 まぁ、ボッティチェリを語るに欠かせない、プリマヴェーラやヴィーナスの誕生は「壁画」で、ウフィッツィから持ってこれなかったのは分かるのだけどさ…。
 せめて素描とか、何かその影を偲べるような展示物は無かったのかなぁって辺りが…。大回顧展ではなければ、そこまで求めないんだけど、そう煽っちゃったら、無いと体裁付かないじゃん!?

 というチョコッとモヤッとした気持ちが、出口付近の映像展示室の大混雑につながったったような気がするのだよ、私は。


 出口の物販エリアでは、ヴィーナスもプリマヴェーラも売っていたよなぁwww



 会場を脱出して、キャラメルマキアートで暖を取ってから(もちろん、席なんて取れないから屋外さ)上野散策。


▲東照宮に行ってみた。寒牡丹を見ようかと思ったが、思ったより見料が高くて止めてしまった。神代植物園の入園料より高いとは思わなかったよ

 そういえば、上野公園には雪割草ポイントあったよなぁ、ってことで向かう。


▲上野公園の某所で、雪割草が見られるんだよね~。まだ咲き始め


▲桜並木のすぐそばで咲く雪割草。多分見ごろになると小さい看板を出すと思う


 まだ桜のつぼみは固く締まっていたけど、春の花はいくつか咲いていた


▲スイセン咲き始め


▲カンザクラが何本かあり、一様に咲いていた


▲ボケの花

 で、こんなイベントをやっていたことを知る。この日はちゃんとしたカメラではないので、早々に退散


▲うえの華灯路浮世絵行燈…というものらしい→http://taitonavi.jp/enjoy_detail.html?no=354



 さて、次のアート活動はカラヴァッジョ展かな。桜の時期は激混みだから、いつ行こうかな…。


▲次は、国立西洋でカラバッジョですな


▲現在国立西洋改装工事中で全館休館だけど、新収蔵品展示は実は毎年楽しみにしている



 あ、あと、音声ガイドは頭を挟むヘッドフォンタイプではなく、耳かけ方式にしてほしいんだよなぁ…。頭の鉢がでかくて、挟まれタイプだと物理的に頭が痛くなるんですよ~。

アクティブな金曜日

2013-03-08 22:15:00 | アート

▲献血10回記念でもらった記念品。杯だよね、コレ。

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 金曜日の今日は半休を取って、午後は街へ。

 まずは某雑貨店のファミリーセールへ突入。
 いつもは会社が終わってからダッシュ来ていたのだが、本日は15時の開場とともに突入。中は大混雑で圧死者出そうなほど。
 そんなところにお子さん連れで来ている人がいてね、しかも1歳児ぐらいの子が放し飼いで、物欲で殺気走っている大人の間をハイハイし始めた。
 キャー、危ない~って速効パパ救出。え、親子3人で来ているの!?(ママは「狩り」真っ只中と思われ…)
 カバン類を手に入れて脱出。
 そのまま同じビルの下の階にある献血ルームへ。
 ここんところわずかな比重差で門前払いだった(貧血という訳ではないんだけれど、献血できないというビミョーなライン)のが、本日はぎりぎりセーフ! 比重が問題なければなぜか血抜きは早く済む私。私より先に始めた男性を抜いて終了。もうちょっと頑張れば2名抜けたなぁ(笑)。
 無事400ml抜いてもらう。
 ということで、献血手帳的に献血10回目を達成。もらった記念品が上記のガラスの杯である。

 まぁ、1度献血手帳をなくしているから(確か8回ぐらいしていたと思う)、実質どーでもいいことだけど。

 それにしてもここの献血ルームはキレイだ。
 窓の外には新幹線が行き交うので、鉄系の人にもお勧め(さすが交通会館)。そして献血終了後にハーゲンダッツのアイスクリームが食べられる。今回はバニラ味以外のがあったので、ちょっと別なものを食べたけれど…。
 ドリンク&お菓子系も食べ放題っちゃー食べ放題だ。おなかが減ったといえば、ドーナツもくれる。

 どーしてこんなに親切なのかというと、ひとつ思い当たる節が…。
 献血者が、ではなく、献血可能な人の母数が減っているからだと思う。狂牛病問題や、謎のウイルスが出るたびに、そこに旅行に行った人は「献血できない人」となる。今どき海外旅行に行く人は結構いるし、その旅先も別にイギリスに限らず多岐に渡る。今回は、南米に行った人が新たに引っかかるようになっていた(詳細の聞き取りで可能か可能でないかを判断するようだ)。
 献血をご遠慮いただく場合

 

 さて、金曜の夜は長い。
 上野へGO! ちょっと見ないうちに上野公園のど真ん中にスタバができていて驚いた。お向かいのカフェもオシャレモード。ともに昨年の花見シーズン後にオープンしたらしい。

 で、上野公園の目的はコレ↓


 エル・グレコ展 4月7日まで
 いろんな展覧会で1点ぐらい見ることはあるが、まとめて見たことはない。1点でも存在感が凄い画家なのに、その集団だといったいどうなるのさ~って見に行ったわけだ。
 デッサンが狂っているとか、細長くて気持ち悪いとかあるかもしれないけれど、それもこれもみなこの作家の個性だから。というか、マーケティングだよなぁって思った。
 聖堂の上の方に位置する絵だから、縦に長いのだよね。それがどんどん伸びて行ってしまったというか…。
 でもね、意外とこの人、目の描き方がドラマチックだったのね。遠くから見たらわからないレベルの目のハイライトがいいのだよ。その白点ひとつで目が生きる。人が魅力的に見える。目が生きると口元もなぜか優しく見えるようなのよね。ある程度の近くで見ると、急にその顔が魅力的になる。
 この展示ではそれを「魂まで描く」と表現していた。

 そして、展示の並べ方もいい。一番最後に「無原罪の御宿り」の巨大祭壇画をどーんと持ってきて、そこまでのフラグを全部回収する感じ。ちょっと感動する。危うく落涙しそうになるほど。
 それに音声ガイド(森口瑤子さん)も間隔と解説量がなかなか適切。たまに解説が長すぎたり、隣り合っていたりすると、その絵の前だけ人溜まりが凄いことになっていて、いわゆる渋滞ポイントとなる。それが今回は気にならなかった。

 17:00過ぎに入って18:30過ぎに退出。急ぎ足でこちらへ。


 国立西洋美術館!!

 こちらではラファエロ展が開催中。
 今週末くらいかなって思っていたら、もう始まっていたよ(本当は前売り券買うつもりで行ったら既に開催されていて驚いたクチ)。
 多分、日本ではエル・グレコよりラファエロの方が絶対的人気があると思うのだよね。だからまた休日に混雑の中を見に行くよりは、金曜日の夜間開館で見た方が絶対いいと思ってハシゴした次第である。
 (ちなみに、エル・グレコ展も夜間開館時間を利用)
 うん、確かにエル・グレコ展より人口密度が高い。

 ラファエロって何というか、スーパー優等生お坊ちゃんだったのね。
 早くに両親を亡くしていたけれど、お父さんの工房の人と仕事をして16歳の時にはすでに「親方」だったらしい。そして、攻める攻める。新しい活躍の場所を求めて打つ手打つ手が全部当たって、まさにこの世の春だった人みたい。まぁ、そんなんだから37歳で死んじゃうんだけれどね。
 うわぁ、鼻持ちならないヤツ~って思ったんだけれど、あんまり表立って対立する人もいなかったらしく、まさに出木杉君にスネ夫のバックボーンが加わった状態。

 で、展示の方は、うーんちょっと物足りないかなぁって感じだ。いや多分普通の人は満足できると思うのだけどね。
 国立西洋美術館の企画の「癖」なんだと思うのだけど、最後に必ず「継承者」とか「その人に影響を受けた人」の作品を並べるのだよね。つまり、〆がラファエロではなくなるのだよ(ちなみににスタートは「その人が影響を受けた人」の作品が並ぶのも常)。
 直前のエル・グレコ展で感動的な結末だっただけに、その辺りが定型にはまりすぎてつまらない感じがしたのだよ。

 ちなみに、こちらの音声ガイドは池田昌子さんで、鼻濁音が美しゅうございました。

 閉館まで30分を切っていたけれど、駆け足で常設展を見て回る。もう何回も何年も見ている作品もあるのだけれど、ときどき展示替えがあるので、あまり見たことのない作品もある。今回の収穫はコレ。
 

▲アルベール・グレーズ「収穫物の脱穀」 2004年度新規購入

 キュビズムの作品だけれど、何かね、独特の奥行き感が良かったのだよ。
 常設展は、「カメラ×」マークがないものは撮影OKなのだよ。



 さて、この春はあとはルーベンス展かな。昨日慌てて前売り券をオンラインで買ったよ。
 Bunkamuraは開催期間が短いから急いでいかないと…。




▲ランチはチャオタイ銀座でシーフードドライカレー。なぜかこれでドライ扱い。