未だこれ1作しか出ていないが「S&Rシリーズ」として続編も出るらしい。
紺屋長一郎25歳。堅実な人生設計の下銀行員に。しかし徐々に体調が崩れアトピーに。徹底的に摂生をし病院にかかり「劇薬」を身体に注入し続けるも悪化の一途。遂に退職・・・すると回復。しかし失われた根気と体力。でもなんかやんなきゃと、じゃあお好み焼き屋・・・は粉がアレルギーやばそうだったので昔バイトで経験のある「犬探し」事務所を開く→その名は紺屋S&R。しかし何を勘違いされたか、役場勤務の同級生からの紹介で回ってきた仕事は失踪人探しと古文書解読?そんな中、昔から探偵に憧れていたらしい現フリーターのハンペイが「雇ってくれ」言って来たり・・・・そんな巻き込まれ系偶発的探偵物語。犬もちょっと出てきます。
これまで読んだ中でも、この人の作品でハズレは無かったがこれはまたかなり面白かった。ストーリーは緻密。文章のテンポや安定感は相変わらず高い。紺屋とハンペイの対比や微妙にかみ合わぬやり取りやら、チャットのみ登場のGENやら、ちょい役の紺屋の妹やその旦那の茶店マスターまでキャラ立ちも良し。ちょっとクールなエンディングも好き。
シリーズ2作目「流されないで(仮)」ってのも刊行時期未定ながら出るらしいとwiki情報。楽しみです。今度こそ犬を探すのだろうか?
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