金曜日のお話し。
仕事で、とある地区に配りものへ行ってきました。
山あいの、小さな集落を30集落以上まわります。
いくつかの集落を終わり、ふと、見渡す先は…
まるで、日本むかし話のような…( ´艸`)
まだ、雪深い此処。
白と藍色だけの世界。
*
次に行く集落は、戸数が二軒だけの小さなところ。
100メートルほど手前に車をとめて、雪道をあるく。
……着いたぁ。
雪深く、玄関へは、雪の階段を下りて入ります。
と、看板が。
御用ノ方ハ 叩イテ下サイ
ソノ辺ニ 居リマス。
宮沢賢治か日本むかし話か。
そんなお家( ´艸`)
でもね、コレ、夏に叩いたことがあるの。
そしたら…… やってきたのは、家主ではなくてね。
なんと、ニワトリ!
しかも、集団(*゜ロ゜)
生まれて初めて、ニワトリにかこまれたよ(笑)
でも、今は。
ニワトリさんは、小屋の中。
だから、叩いたの。
カンカンカンって。
そしたら……(*゜ロ゜)
メェェェ
扉の向こうには、シロヤギさん。
家主は、やっぱりお留守だったから、
お手紙置いて来たけれど、
シロヤギさん、食べてないかな…
*
途中、家屋のすぐ向こうで大きな雪崩がありました。
配りものに出かける前に、
雪崩に気をつけてね って。
メールもらったけど… ありがとうね。
改めて、自然の力の大きさを目の当たりにして。
ただ、ただ此処に生かされていることに、感謝。
この大地とともにある、いのち、なんだよね。
*
最後の集落に向かうころには、
薄い太陽は、オレンジに。
やっぱり、相変わらず。
白と藍色の世界が続いていて。
そして、むかし話にでていたはずの、
おじいさんとおばあさんが、笑っていて。
ふと、思いだした宮沢賢治の「屈折率」
七つ森のこっちのひとつが
みずのなかよりもっと明るく
そしてたいへん巨きいのに
わたくしはでこぼこ凍ったみちをふみ
このでこぼこの雪をふみ
向ふの縮れた亜鉛の雲へ
陰気な郵便脚夫のやうに
(またアラッディン 洋燈とり)
急がなければならないのか
七つ森ほど、此処は北ではないけれど。
同じように、
自然は美しく、偉大で、時に大きすぎるチカラの前に
何もできなくて。
でも、人がつくりだす、絶望や、悲しみや、喪失感は
人がまた、乗り越えていけるもの。
*
寄り道しすぎて、すっかり日が暮れる。
ポケットには、
いただいた甘夏やおせんべい、缶コーヒー。
「また、寄っていかっしゃい」って。
のんびりと時間が流れた、そんなイチニチ。
たまには、いいか( ´艸`)
あれ?
いつも、かな…(笑)