排尿時にピリリと感じ、“性病?”と不安になった経験を持つ人は多いだろう。
そんな不安を抱える売れない俳優を主人公に据え、彼の夢と現実が交錯する世界を描いた映画「夢の中へ」が東京・テアトル新宿で公開中。
園子温(そのしおん)監督はインディーズ映画の異端児と言われるが「性病のことや、浮気ばかりしている主人公のダメ男ぶりを面白く描いています。下半身のエピソードも、実はスタッフやキャストの実話が入っていて、リアルですよぉ~。誰でも体験する夢体験をシュールなコメディーに仕上げています」(配給元)
主演の鈴木ムツゴロウ役に田中哲司、その恋人に市川実和子を配し、オダギリジョーといった人気俳優のほか、麿赤児ら癖のある俳優の演技も面白い。
<ストーリー>
役者歴10年だが、ブレイクしない、さえない役者、鈴木ムツゴロウ。
同棲中の恋人・タエコは売れない彼に愛想をつかしている。
鈴木は、三流劇団の女優・ランコと恋仲になっている。
ある日、鈴木の体調に、尿道ががしみるという異変が……。
性病だと直感した鈴木は、ランコが原因かと思って追求すれば逆切れされ、家を追い出されてしまう。
さらに自分の家に帰ると、今度はタエコが家を出る準備をしている。
そんな一日が終わり、倒れこむように眠った鈴木だが、突然夢の中にテロリストになった瀕死の自分が現れる。
鈴木は、肩に銃弾を浴びて血まみれ。
周りにはテロリストの一員としてタエコや友だちがいる。
目が覚めると、今度は父親そっくりの男に尋問を受けている。
これは夢か現実なのか? それとも夢に現実が侵食されているのか?
〔写真:披露記者会見 左より、村上淳、夏生ゆうな、田中哲司、臼田あさ美、菜葉菜〕
監督:園子温
出演:田中哲司(鈴木ムツゴロウ役)
夏生ゆうな(タエコ役)
村上淳(ケイジ役)
市川実和子(ランコ役)
臼田あさ美(ムツゴロウの妹役)
菜葉菜(列車で鈴木と出会う女役)
配給:アルゴ・ピクチャーズ
2001年に女子高生の集団自殺の狂乱を描いた『自殺サークル』で話題を呼んだ園子温の最新作。
園の分身ともいえるムツゴロウが遭遇する摩訶不思議な夢を描いたもの。
“自主映画界の異端児”とも囁かれる園だが、本作も撮影期間はわずか2週間。
“俺”映画としてまたもや日本映画のタブーに挑戦している。
出演は、舞台「城」、映画『この世の外へ クラブ進駐軍』、大河ドラマ『新選組!』の田中哲司。
また、村上淳、オダギリジョー、夏生ゆうな、市川実和子、温水洋一、岩松了など。
日本映画には欠かせない豪華出演者が、意外な役で出演。
(主催サイト 夕刊フジ 記事参考)