疲労回復などに効果があるとされる化学物質「コエンザイムQ10(CoQ10)」を含むイネを開発することに農業生物資源研究所の門脇光一・遺伝資源研究グループ研究チーム長らが成功した。
CoQ10は、人間の細胞内でエネルギーをつくるのに重要な働きをする物質で、体内で合成されるが、加齢とともに、生産量は減少する。
米や小麦には、構造が似ている「コエンザイムQ9」が含まれているが、人間に効用のあるCoQ10はない。
門脇チーム長は、CoQ10を生成する酵素の遺伝子を細菌から取り出し、イネの遺伝子に導入。
このイネを育てたところ、CoQ10を作り出していることが確認できた。
ただ、CoQ10は胚芽やぬかの部分に含まれるため、玄米で食べる必要があるという。
遺伝子組み換えは消費者の反発が強いため、市販化は簡単ではない。
(読売新聞 記事参考)