動脈硬化の病巣の形成に、免疫を担う細胞の一種が作り出すたんぱく質が“黒幕”として深くかかわっていることを、米テキサス大医学部の宮崎徹教授、新井郷子研究員らが突き止めた。
このたんぱく質の働きを抑えれば、動脈硬化の予防につながると期待される。
研究成果は米専門誌に掲載された。
悪玉コレステロールは、免疫細胞(マクロファージ)に大量に取り込まれて血管の内側に集まるが、このように異物を取り込んだ免疫細胞は本来、のみ込んだものを道連れに死んでいくよう設計されている。
しかし、動脈硬化の場合には生き続け、悪玉の蓄積をひどくさせていることがわかっており、このメカニズムが大きな謎となっていた。
研究チームは、悪玉を取り込んだ免疫細胞を詳しく調べ、AIMというたんぱく質を発見。
このたんぱく質に、免疫細胞が死ぬのを阻止する働きがあることを突き止めた。AIMを作れないマウスに、脂肪の多いエサを与える実験でも、著しく動脈硬化になりにくいという結果が出た。
(読売新聞 記事参考)