世事雑感

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さ(血?)迷えるNHK36 製品価格の決定法

2007-02-02 10:19:27 | NHK関連

受信料義務化、
受信料値下げをどうする。
受信料=製品価格はどうやって決めるか?


菅総務相が受信料の義務化と引換えに受信料の20%低減をNHKに要求した。 
(20%の根拠が不明だが、国民の反発を和らげるためのアメだろう)
これに対しNHKの橋本会長は、
『9月までに見極めるが、できる・出来ないは断言できない』と発言している。

”受信料”は、簡単に言えば、
”NHKが放送している番組の製品価格”とも言える。
では、製品価格はどうやって決まるのか?

一般の民間企業の製品では、次の二通りの決め方がある。
(1)コスト積上げ方式
この方式は、製品を作るために必要なコストを積上げ、販売経費や利益を上乗せして製品価格(=販売価格)を決定する。 例えば、電気代のような、独占・寡占企業のやり方である。


(2)価格はお客が決める方式
この方式は、殆どの民間企業の製品が該当する。
例えば、競争の激しい家電製品や、ゲーム機などである。
いくらコストがかかろうが、メーカが希望した価格でお客が買ってくれなければ、作った製品は在庫の山となるだけである。 
販売価格は企業が決めるのではなく、お客(=市場)が決めるのである。 
ソニーのプレステ3が、ニンテンドーとの競争で発売前から価格を下げた。
薄型TVの世界では、激しい値下げ競争が続いている。
他社より高いものは買ってもらえない。 
繰返すが、販売価格を決めるのは、お客(=市場)である。
この激しい価格競争に勝ち抜くため、各社はしのぎを削る。
今でこそブランド力が物を言うトヨタでさえ、部品の原価低減や、カンバン方式に代表されるような製造過程の合理化に必死に取組んでいる。
世界に冠たるIBMでさえ、ハードディスク事業を日立に、パソコン事業をレノボに、プリンター事業をリコーに売却し、ソリューション(ソフト)事業に特化した。
ウエスティングハウスは原子力部門を東芝に売却した。
選択と集中である。 このような経営努力により生き残りを図っている。

NHKのやり方を見てみると、まさに”独占企業の価格決定方式”である。
確かに職員の給与引下げや人員削減など、多少のコスト低減の努力は見られるが、これまで膨らむ一方であった”事業規模(事業分野)”に関する見直しが全く無い。
これまでの事業を継続したままコストを積上げ、受信料(売価)を決定しようとしている。
”選択と集中(事業内容の見直し)”には、一切触れようとしない。
公共放送として、TV5チャンネル+ラジオ3チャンネルもの事業規模が必要か?
NHKは2/1、07年の米大リーグ290試合を中継放送すると発表した。 松坂投手の先発試合は全試合中継すると言う。公共放送として必要な番組だろうか?
チャンネル数が多すぎるから、放送する内容に事欠き、古い映画や、米大リーグや韓国ドラマなど、公共放送として必要ないと思われるものを放送しないと、時間が持たない。


現在の放送法が制定されたのは、1950年(昭和25年)。多少の手直しはあっても抜本的な改訂は行われていない。 当時は戦前の国家主義から、民主主義に移行させるための役割もNHKに課せられたと思う。 それが放送法にも現れている。
しかし今は違う。 民放も発達し、BSで全国津々浦々どこでも受信できる。インターネットも普及してきてTVに取って代わるかも知れない時代である。
今のままの事業規模・事業内容で受信料低減を求められても、9月に出す結論は『出来ない』に決まっている。
公共放送としてのNHKに必要なのは
”選択と集中”である。

TVチャンネル数の削減(-3)である。