H18診療報酬改定結果検証部会報告。
わけの分からない図。
2007年3月12日に厚労省が、
H18年4月からの診療報酬改訂実態調査結果を発表した。
私はリハ患者の一人で、医療の専門家では無いから、
適切な意見を言うことは出来ないが、
「H18年度改訂:評価できる点」
に記載されている図表が、何を言いたいのかさっぱり分からない。
多分厚労省は、
『リハビリを充実させることにより、
在院(入院)日数を減らせる』
と言いたいのだろう。
1993年から2006年までの14年間のデータを見れば、
R(=相関係数)は、約0.8で「相関あり」と考えられる。
しかし、それはH18の改訂による効果ではない。
2005年と2006年を比較すると、
リハ件数は18%増だが、在院日数は4%減だ。
最近5年間のデータを使って、2007年を予測すると、
リハ件数を13%増やしても、
在院日数は4%しか減らない。
図2からわかるように、リハ件数をうなぎ登りに増やしても、
在院日数は、直線的にしか減っていかない。
厚労省が目論む、
『急性期リハの充実で、入院日数を短縮できる』
と言うこととは矛盾している。
それとは別に、厚労省の元のデータは慶應義塾大学病院の
データだ。
(1)慶應病院は総合病院で、全ての入院患者が、リハを行う
とは限らない。 病院全体のデータなのか、整形外科のような
特定の科のデータなのかも分からない。
(2)最近、大病院は 『入院日数を減らす』ことを心がけている。
(3)最近の10年間の手術方法の進歩は目覚しく、昔のように
長期間入院しないで済むようになってきている。
(4)慶應病院は伊豆にリハビリ専門の優れた病院を持っている。
手術終了後、数日で伊豆の病院に移し、リハビリに専念
させるようにしているらしい。患者にとってはありがたいことだ。
だとすると、慶應病院での在院日数は当然短くなる。
こんなことを考えると、厚労省が出している図は、『H18年の成果』と
言っているが、どお考えればそんな事が言えるのだろうか?
H18年診療報酬改訂の根拠としたのは、『高齢研の脳卒中リハに
関する研究』 だった。 それを年齢に関係なく、また疾患にも
関係なく、都合の良いように拡大して、疾患別日数制限を行った。
この図を使って、あたかも 『急性期リハが入院日数を減らせる』
と言う理由付けにしようとしても、国民は騙されない。
この図から、本当に何を言いたいのか、
何が評価できるのか、さっぱり分からない。