世事雑感

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リハビリ日数制限見直し この図で何を言いたい? また騙す?

2007-03-13 18:11:00 | 医療・リハビリ

H18診療報酬改定結果検証部会報告。
わけの分からない図。


 2007年3月12日に厚労省が、
H18年4月からの診療報酬改訂実態調査結果を発表した。 
私はリハ患者の一人で、医療の専門家では無いから、
適切な意見を言うことは出来ないが、
    「H18年度改訂:評価できる点」 

に記載されている図表が、何を言いたいのかさっぱり分からない。
多分厚労省は、
  『リハビリを充実させることにより、
           在院(入院)日数を減らせる』

と言いたいのだろう。
1993年から2006年までの14年間のデータを見れば、
R(=相関係数)は、約0.8で「相関あり」と考えられる。
しかし、それはH18の改訂による効果ではない。

2005年と2006年を比較すると、

リハ件数は18%増だが、在院日数は4%減だ。
最近5年間のデータを使って、2007年を予測すると、

  リハ件数を13%増やしても、
      在院日数は4%しか減らない。

図2からわかるように、リハ件数をうなぎ登りに増やしても、
在院日数は、直線的にしか減っていかない。
厚労省が目論む、
  『急性期リハの充実で、入院日数を短縮できる』
と言うこととは矛盾している。

それとは別に、厚労省の元のデータは慶應義塾大学病院の
データだ。 
(1)慶應病院は総合病院で、全ての入院患者が、リハを行う
   とは限らない。 病院全体のデータなのか、整形外科のような
   特定の科のデータなのかも分からない。
(2)最近、大病院は 『入院日数を減らす
』ことを心がけている。
(3)最近の10年間の手術方法の進歩は目覚しく、昔のように
   長期間入院しないで済むようになってきている。
(4)慶應病院は伊豆にリハビリ専門の優れた病院を持っている。
   手術終了後、数日で伊豆の病院に移し、リハビリに専念
   させるようにしているらしい。患者にとってはありがたいことだ。
   だとすると、慶應病院での在院日数は当然短くなる。
こんなことを考えると、厚労省が出している図は、『H18年の成果』
言っているが、どお考えればそんな事が言えるのだろうか?
H18年診療報酬改訂の根拠としたのは、『高齢研の脳卒中リハに
関する研究』
 だった。 それを年齢に関係なく、また疾患にも
関係なく、都合の良いように拡大して、疾患別日数制限を行った

この図を使って、あたかも 『急性期リハが入院日数を減らせる』
と言う理由付けにしようとしても、国民は騙されない。

この図から、本当に何を言いたいのか、
何が評価できるのか、さっぱり分からない。


診療報酬改定 検証結果に疑問

2007-03-12 21:17:37 | 医療・リハビリ

リハビリ日数制限。
厚労省の実態調査はどこまで実態を調べたのか?

厚労省は平成19年3月12日(月)、平成18年4月から
実施された、「 診療報酬改定」の結果について検証部会が
行った調査結果を発表した。
詳しい内容は、まだ、厚労省のホームページでも公開
されていないので、目にしていないが、マスコミのニュースは
次のように報じている。

【厚労省は 「日数制限は大筋では妥当だった」
としながらも、心臓病などを日数制限の対象から外したり、
リハビリの継続について医師の裁量権を強めたり
することを検討。医療のリハビリが必要なのに打ち切られて
しまう患者を救済する方針だ。】

問題は調査のやり方だ。筆者は2007/1/22のBlogで
下記のように指摘した。

 厚労省が2006年12月に三菱総研に委託して行った、
 「日数制限による追跡調査」なるものは、「リハ打切り後の
 長期的変化」は全く考慮されていません。 
 「医療保険⇒介護保険」に繋がったかどうかしか
 調べていません。

調査用紙の内容(=調査項目)も報じないで、 
結果だけを流すマスコミの姿勢も問題だ。
TV番組の捏造問題が話題になっているが、
ニュースの背景を読まないと、とんだ誤解をしてしまう。


リハビリ日数制限は実態を見ていない

2007-01-22 22:45:20 | 医療・リハビリ

頚椎(C2)骨折から丸2年経ちました。


2005年1月22日夜11時頃、駅のホームで電車と接触、首の骨折事故を起こしてから丸2年経ちました。
『生きているのが不思議』と言われましたが、医療関係者・介護関係者・周囲の皆さん・家族の献身的なご尽力により、「身体障害者4級、要介護1」まで回復することが出来ました。 皆様に心から感謝申し上げます。
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それにつけても、ここまで回復できたのは、リハビリの効果も大きく貢献しています。
2006年4月から始まった、「リハビリ日数制限」では、最大でも180日。
発症してから半年では、とてもここまで回復しません。

2年たった今でも、毎日リハビリを続けることにより、少しづつ回復しています。
昨日と今日を比較しても差はわかりませんが、3ケ月位の間隔で比較してみると、良くなっていくのがわかります。
厚労省は「高齢研の脳梗塞に関するリハビリの研究報告」をベースにして、年齢や疾患に関係なく、「疾患別に日数の上限」を設定しました。 CRASEEDの道免先生が中心になって2006年6月「日数制限撤廃」の署名活動を行い、1ケ月程の間に、48万人もの方々の署名を集めました。 その署名は、今は、厚労省の地下倉庫に眠っているのでしょうか。それとも既に廃棄処分されたのでしょうか。
厚労省が2006年12月に三菱総研に委託して行った、「日数制限による追跡調査」なるものは、「リハ打切り後の長期的変化」は全く考慮されていません。 「医療保険⇒介護保険」に繋がったかどうかしか調べていません。 2007年2月に調査結果がまとまるとのことですが、
患者の目から見たら、意味の無い調査結果が発表され、【疾患別日数制限は問題なし】と片付けられてしまうでしょう。
「美しい国」は「美しい心・思いやる心」を持った人にしか出来ません。
是非「美しい国」の前に「美しい心・思いやる心」を持ってください。


ジェネリック医薬品を使いたいのだが・・・。使えない!

2006-12-21 21:19:05 | 医療・リハビリ

12月21日の朝日新聞『お答えします!』欄に次のような記事が出ていました。
<63歳男性の質問>
高血圧の薬を飲んでいるが価格が高いのが悩み。後発品に変えるにはどうすれば良いのでしょうか。
<薬剤師さんの回答>
医者に遠慮なく「後発品(ジェネリック)に変えたい」と相談する。 医師が了解すれば、後発品を指定してくれるか、処方箋の「後発品に変更可」欄に署名してくれる。 厚労省も医療費低減のため、後発品の普及を図っている。

<現実に起こる問題>
通っている病院が院内薬局を持っている場合、医師に「後発品を使いたい」といっても、その病院で後発品を扱っていない場合は断られてしまいます。 例えば、エーザイのメチコバール500μg(ビタミン剤)の薬価は約24円です。後発品は10社ほどあり、いずれも約6円。
私はメチコバールを1日3錠飲んでいます。「後発品にして欲しい」と医師に言いましたが、「この病院ではメチコバールしか扱っていないのでダメ」でした。 それならば「院外処方にして欲しい」と言いましたが、「類似の薬が院内にある場合は院外処方はしない」とのことで結局どうしようもありませんでした。
病院と薬メーカーがつるんでいるのではないかと疑いました。 院内薬局を持たない病院なら、すんなり後発品が使えると思います。 でも、総合病院はだいたい院内薬局を持っています。
厚労省もリハビリ医療費をケチる前に、このような病院を指導して後発品を使えるようにした方が、よっぽど医療費低減に効果が有ると思うのですが、医師会や製薬会社から政治献金でもあるのかなあ~。
 日本ベーリンガー社のメキシチール50mgも飲んでいます。約38円。後発品は8社ほどあり、約8~10円。
これも院内薬局で、メキシチールを飲まされています。

なお、後発品の有無を調べたい場合は、「かんじゃさんの薬箱:http://www.generic.gr.jp/index_sr.php 」に情報があります。 また、飲んでいる薬の成分・効果・副作用等を知りたい場合は「ここカラダ:http://www.cocokarada.jp/medicine/rx/01/index.html 」が便利です。 


 


 



 


 


なぜリハビリ上限日数は撤廃されないのか

2006-12-16 14:58:31 | 医療・リハビリ

昨日に続いてリハビリ上限日数に関する話です。
去る11月21日、リハビリ関連医学会で初めて、社団法人日本リハビリテーション医学会が厚労省に「平成18年
診療報酬改定におけるリハビリテーション料に関する意見書」を提出しました。項目2においては患者の視点からの意見もあります。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jarm/gakkai/info061124.htm 
日本リハ医学会の評議員や専門医を中心に実施した調査の結果などから、今回のリハビリテーション診療報酬
体系の改定の内容には、早急の見直しが必要であるとの結論を出しています。なぜ厚労省は直ぐに見直しに着手しないのでしょうか。
昨日触れたように、厚労省自身が『実態調査』(実態調査とは言えないような内容ではあるが)なるものを実施しているからでしょうか。しかし厚労省の『実態調査』が反映されるのは平成20年4月と思われます。あと1年半あります。 その間にリハビリ打切りによる病状悪化や廃用症候群が進み、寝たきりになったり、死期を早めたりすることが眼に見えています。
なぜ直ぐ撤廃なり、見直しなりをしないのでしょうか。 また、日本整形外科学会は8/22に違法・脱法すれすれの医師向けガイドラインを出しただけで厚労省に対し発言しないのでしょうか。 理学療法士協会等も高見の見物を決め込んでいます。
 厚労省は難病であるパーキンソン病や潰瘍性大腸炎の軽症者への公費負担撤廃を発表しましたが、1週間するかしないうちに「公費負担撤廃」を撤廃しました。 これはこれで厚労省の英断だと評価できますが、リハビリに関しても、もっと多くの人が困っていることを考慮し、直ちに見直しをするべきです。
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厚 生 労 働 大 臣             平成18年11月21日
  柳 澤 伯 夫 殿
              社団法人日本リハビリテーション医学会
                   理 事 長 江 藤 文 夫


平成18年診療報酬改定におけるリハビリテーション料に関する意見書


平成18年度社会保険診療報酬改定において、「リハビリテーション体系の抜本的な見直し」が行われ、発症後早期の算定単位数上限の緩和、摂食機能療法の充実、訪問リハビリテーションの充実など、本医学会が要望しておりました諸項目につき一定のご理解が得られましたことを喜ばしく思っております。


しかしながら、全人的視点に立ったアプローチが求められるリハビリテーション医療の観点から、今回の改定には以下の見直しが必要と考えております。リハビリテーション医療の一層の充実・発展のために、ご検討くださいますようお願い申し上げます。

              意見項目

1 疾患別リハビリテーション診療報酬体系のなかに、「総合リハビリテーション施設」を取り入れることが必要です。
   ・・・詳細は上記URLを参照ください。

2 算定日数制限を疾患別に一律に決めることの問題点
(1)必要な算定日数に関しては、疾患群ではなく個々の患者においてバリエーションが大きいので、算定日数制限の除外対象患者以外の患者においても、算定日数制限以上の日数が必要な場合にしばしば遭遇する。
(2)算定日数で収まらないことが予想される脊髄損傷などの疾患は、入院適応なしと判断してしまう場合がおこってしまう。
(3)介護保険対象でない年齢および疾患のために、どうしても医療保険で維持的なリハビリテーション治療を行わなければ廃用性の障害が出現する患者がいる。
(4)算定日数制限の除外対象患者になると、制度上は以前よりも診療報酬算定が行いやすくなり、不必要なリハビリテーション治療が場合によって行われてしまう可能性がある。
(5)開業している代替医療者に医師の同意書に基づく療養費を日数制限無く認めていることと整合性が取れないこと。
(6)十分に機能的なアウトカムが得られていない時点で、健康保険での診療の取り決めにおける算定日数制限の日となったことの理由で、治療を終了することを患者に説得することは難しい。
(7)維持期に利用することが前提となっている介護保険での通所リハビリテーションの個別患者における機能訓練の質が、現在の日本では必ずしも高くない。また、通所リハビリテーション自体の運用が個別の機能訓練を適切に行うことを目的としていない場合も多い。
(8)治療を継続することにより改善の得られる場合だけでなく、障害の状態の維持や進行の遅延が可能と医学的に判断される場合にもリハビリテーション医療の適応となると考えられる。

3 代替医療者の参入緩和は、国民が専門職による質の高いリハビリテーションを受ける機会を減じる恐れがあり、慎重な対応が必要です。
   ・・・詳細は上記URLを参照ください。
4 理学療法・作業療法・言語聴覚療法の削除は、専門性に係わる重要な課題であり、見直しが必要です。   ・・・詳細は上記URLを参照ください。


社団法人日本リハビリテーション医学会の意見書は上記URLにアップされている資料から、一部要点を抜粋し転載させていただきました。

厚労省のリハビリ上限日数に関する実態調査は欺瞞

2006-12-15 22:54:37 | 医療・リハビリ

今日はリハビリに行ってきました。健康保険を使った病院でのリハです。
ご承知のように、今年四月から疾患別にリハビリの上限日数が決められました。 これに対し、
約50万人もの人が白紙撤回の署名をし、新聞・TVなどでも「白紙撤回または内容の見直しをするべきだ」と大きく取り上げられています。 国会でも福島みずほ議員を先頭に上限日数の医学的根拠について追求が進められています。
これに対し厚労省は「リハビリ打切り後の問題点の実態調査を実施中で、この結果により必要なら次回診療報酬改定(H20年予定)で考慮する」といっています。
 しかし厚労省のホームページで「実態調査の調査表」を見ると下記のような内容です。 、これで、『リハビリ打ち切りの実態把握』が出来ますか?
患者が書く、患者向け調査票で、患者が現実に困っていることが把握できると思いますか?
こんな内容の調査でリハビリ打切り被害の実態がわかるはずがありません。 厚労省の「実態調査中」と言う発言は国民の目をそらすための詭弁に過ぎません。 

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リハビリテーション実施保険医療機関における患者実況調査  
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1025-7a.pdf 参照

調査項目  
<施設属性および患者状況(施設票)
・病院/診療所区分、開設主体
・病床数、リハビリテーション科の有無と病床数,回復期リハ病棟・亜急性期入院医療管理科・脳卒中ケアユニット入院医療管理料算定の有無
・リハビリテーション専門医および施設基準上の関連医師数、PT/OT/ST数
・届け出ている施設基準
・リハビリテーション対象患者統計(入院/外来の実患者数、1日平均、3月時の退院患者数、算定日数上限除外患者数)

<リハビリテーションに関する医療機関の状況(施設向け患者調査票)
・患者性別・生年月日
・算定対象疾患
・算定日数上限除外の有無、有りの場合にはその疾患
・心身機能向上の見通し、活動レベル向上の見通し
・起算日の状況
・算定の状況(患者別単位数、ADL加算等)
・実施したリハビリテーションの内容
・リハビリテーション終了時の患者の状態
 ⇒終了の場合:終了理由とその際の対応
 ⇒継続の場合:継続理由と継続方法

<リハビリテーションに対する患者状況および意識(患者向け調査票)
・回答日、回答者、患者性別・生年月日
・患者の回答時点の活動レベル
・リハビリテーションを実施した医療施設(調査対象施設)で受けた説明や指導とその時期
・リハビリテーションを実施した医療施設(調査対象施設)で受けた訓練と日常生活における効果
・患者の回答時点のリハビリテーション実施の有無、実施の場合サービスの内容(入院、通院、訪問リハ)
・介護保険サービス利用の有無、有りの場合には介護保険者証に記載される被保険者番号・市町村番号(保険者番号)

(注:患者向け調査票は4月1日以降に算定を開始し11月中(または12月中)に算定を終了する患者に対し、各医師から手渡し、調査機関に直接返送する)