世事雑感

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ホワイトカラー・エグゼンプションより賃下げ。

2007-01-12 22:05:49 | 労働環境

WEには個人主義の発展が必須


政府はホワイトカラー・エグゼンプション(WE)の今年度通常国会への法案提出に固執しているようだ。 既に1/5に本件に触れたが、私はこの制度には現時点では絶対に反対だ。 
日本の会社では、個人の業務が明確に定義されていないし、定義することは非常に難しい。
私も現役時代管理職の端くれとして、『裁量労働性』が導入された企業で働いたが管理職側も労働者側『個々の個人の業務』を定義することが非常に難しい。
卑近な例だが、米国のように個人主義の進んだ国では、机の上にコーヒーカップが散乱していても誰も片付けようとしない。 『誰か片付けて』と頼むと、『それは私の仕事ではありません』という明確な返事が返ってくる。 そのことを誰も不思議とは思わない。当然のことと思っている。 そこまで個人主義が進んでいないと、『個々の個人の業務』を定義することは困難だ。


仮に制度が導入されたとき、期首に『あなたの今期の業務はこれこれです』と管理者ならびに労働者の双方が納得の上で決めても、もしその業務が5ケ月で完了すれば、追加の仕事を割り当てられる。 また、プロジェクトを組んで仕事をやっているとき、仲間の誰かの仕事が遅れたら、皆で手伝って遅れをカバーしようとするし、管理者も『Aさんの仕事が遅れているからBさん手伝って』と命令する。その結果、Bさんの仕事が遅れるとBさんの目標は達成されなかったことになり"評価”が下がる。 それを『Bさんの遅れは、Aさんの仕事を手伝った為なので仕方ない』と評価するようでは本当の成果主義ではない。


安部総理は、『お父ちゃんが早く帰り、お母ちゃんと仲良く夜なべすることにより、少子化が改善される』と言うことも考えているようだが、半分冗談だとしてもアホかと言いたい。
鬱病、過労死、自殺が増えることは明らかだ。


自社の人件費が高すぎるのなら、経営者は正社員の賃金カットをすれば良い。それで社員が辞めていくような会社は潰れればよい。 自分の会社だけ賃金カットできないのでWEを使って実質的に賃金カットしようと考えるような経営者はいらない。 数年前の『護送船団方式』、『皆で渡れば恐くない』と同じではないか。 正社員の賃金をカットすれば、正社員と非正社員の格差是正にも役立つだろう。(これは暴言かな?)


White collar Exemption の試行

2007-01-05 23:19:17 | 労働環境

ホワイトカラーエグゼンプションを
公務員だけ3年間試行して見よう


最近『ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間免除制度)』について議論が続出している。
今、独立行政法人 労働政策研究・研修機構や経団連が中心となって考えている方式では、一定の年収を超える労働者は自動的にこの制度が適用されるらしい。 
私の40年近い会社生活の経験では、日本における労働者の意識は、『個人よりも仕事(会社)を優先』する意識が強いと思う。このような労働環境(労働者の意識)のもとで、この制度を導入すれば、
法律で保護されない無制限な長時間労働が蔓延し、メンタルヘルス・過労死の問題が多発すると考える。一方日本の人件費が高い(見かけ上だけにしても)ことも事実だろう。

労働者側は当然反対している。しかし、『賛成、反対』と論じ合っているだけでは前進が無い。
かなり強引な提案かもしれないが、先ず、公務員(国家公務員、地方公務員、準公務員、みなし公務員なども含む)で試行してみてはどうだろうか。 期間を3年程度に限定して試行し、日本の文化風土にマッチするかどうか検証するのだ。


どうしても「ホワイトカラー・エグゼンプション」なるものを導入したい会社は、当面年収で決めるのではなく、対象者を全て「管理職待遇」にすれば目的は達せられるはずだ。 もし対象者を全て「管理職待遇」にしたのでは目的が達成できないと言うのであれば、制度の目的は単純に『賃金カット』以外の何物でもないと思う。