あなろぐ

ここは私の巣穴です。自閉症の息子のことや、好きな作品のことなどを書きます。
最近のハマリものはイ・ジュンギ。愛だぜ。

橋はかかる

2011-02-19 20:43:00 | 読書メモ
『橋はかかる』村崎太郎+栗原美和子(ポプラ社)

村崎太郎という名を知らない人でも、「反省ザルの次郎」を連れた太郎さんと聞けば、思い当たると思います。

村崎太郎さんが、被差別出身であることを公言した著書、『ボロを着た王子様』に続く、差別について考えるなら、ぜひ読んでおきたい本。

栗原美和子さんというのは村崎さんの奥さんですが、この方もフジテレビのプロデューサーとして結構有名な方なんですってね。
私はテレビドラマをあんまり見ないので、一つも知りませんでしたが…。
『ピュア』『人にやさしく』『不信のとき』『ぶどうの木』『東京湾景』などをプロデュースした方です。

この本を知ったのは、栗原さんのお話をうかがったからでした。
栗原さんは終始冷静に、村崎太郎さんがこの本を書くまでの経緯を語ってくれました。

差別のことを我がこととして語る本を、勇気を奮って出して、マスコミから黙殺されたこと。
問題はそんなに蓋をしないといけないほど臭いのか!?と失望したこと、
失望から心を閉ざしてしまいそうになった太郎さんとは、
そりゃきれいごとでは済まない日々があったことなど……

冷静な語り口と裏腹に、その目からは涙があふれ、声は震えて、
太郎さんと栗原さんの味わった苦しみはどれほどだったろうかと感じました。

問題って、現代の日本にもまだ残ってるの?と思われる方もいるでしょう。
差別って、なかなかなくならないんですね。
貧困や差別って、社会の病気みたいなもので、根絶するのは本当に難しい。
障害者や、ハンセン氏病患者や、在日外国人などなど、社会に正しい理解がないために苦しんでいる人はたくさんいます。
一人でも多くの人に、関心をもってほしいです。


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