みをつくし料理帖

高田郁「みをつくし料理帖」シリーズ、第一～三作読了。
（たかだ　かおる、「高」ははしごの高）

『八朔の雪』
『花散らしの雨』
『想い雲』
の三作です。

作者はマンガ原作で業界入りした方らしく、描写もいかにもそんな感じで、少々物足りなさもありますが、少女マンガが好きな人が、時代小説入門として読むにはうってつけではないかと思いました。（職場の若い子たちにも好評です）

キャラクター造形も、注文をつけたいところはあるものの、おおむねいい感じ。
私が好きなのは、戯作者の清右衛門先生と、吉原の料理人、又次さん。
清右衛門先生は、口が悪くて素直じゃないのに、じつはちょっとうぶなところもあるのがいいし、又さんは吉原で生きてるだけあって、ちょっと翳とトゲがあっていいです。

主人公である女料理人、澪が惚れてる、小松原様もなかなか味があります。
澪のことを好きな医師、源斉先生は、若くて男前で優しくて血筋もいいんだけど、それだけにキャラクターとしてはやや弱い感があるのが残念！

残念なところばかりがつい気になってしまいますが、これ、ドラマ化したらそれなりに面白いんじゃないかしら。
あれこれ、自分の好きな役者さんをイメージキャスティングして楽しめます。
又さんには北村一輝なんかどうかしら。
ご寮さんの芳には野際葉子、いや、富司純子がいいかな。
つる屋の主人、種市には小林隆。
源斉先生は谷原章介とか向井理みたいなアクがなくて柔らかいイメージの人がいいな。
肝心の主人公、澪は浮かびませんが、その想い人、小松原様は、小汚い格好ときりっとかっこいい場面を違和感なくこなしてくれそうな、江口洋介あたりで。

おまけ、伊勢屋のお嬢さん、美緒には秋元才加ちゃんでどうだ！