関連ブログ記事・・・2023/4/1付「阪急バスの大阪・阪神エリアで2023/9以降運賃値上げ」、2023/7/28付「阪急バスの値上げ・運輸審議会での議事内容が公開されました」
2023/7/18付の運輸審議会の答申から2週間経過した2023/8/1付で、阪急バスの大阪・阪神エリアの運賃値上げが認可されました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000399.html
これを受けて、阪急バス公式サイトに運賃改定の詳細が掲載されました。
https://www.hankyubus.co.jp/news/post-308.html
全営業所分の運賃表が掲載されていますが、調べてみると、大阪・阪神エリアであっても値上げ対象外の路線や区間が結構あります。こちらでは、その背景について考察します。
１．神戸市内の路線
上記2023/4/1付ブログ記事で書いたように「有野藤原台地区」は値上げ対象からもともと外されていますが、同地区（神戸電鉄岡場駅・五社駅発着の路線）以外の神戸市内路線も値上げ対象から外されています。
https://www.hankyubus.co.jp/rosen/fare/kaitei/2023karato-u.pdf （唐櫃営業所管内の運賃表）
西鈴神戸線や鈴蘭台線は「有野藤原台地区」同様もともと神戸市バスと共同運行していた路線、有馬温泉～三宮線は神姫バスと共同運行、他の谷上駅や鈴蘭台駅発着の路線は神鉄バスから引き継いだ路線（2023/7/28付ブログ記事で触れています）だからと推測されます。神戸市北区内の大半の路線バスは神姫バスが運行していますが、同社はこのブログ記事を書いている時点では値上げを申請していません。
ちなみに、六甲山上バス（表六甲線）は長らく芦屋浜営業所が担当していましたが、六甲登山バスの終了（2023/3/6付ブログ記事参照）に伴い、六甲山上に最も近い唐櫃営業所に移管されています。
２．伊丹市内区間
上記2023/4/1付ブログ記事で書いたように、尼崎市内および伊丹市内については1区の運賃は220円ではなく210円となっています。伊丹市内は伊丹市バスが運賃決定の主導権を握っており、伊丹市バスに同調する形で引き続き210円が維持されます。一方。尼崎市内は同じ2023/9/1付で阪神バス（もと尼崎市バス路線も含む）の運賃が230円に値上げされるので、阪急バスも同調します。
https://www.hankyubus.co.jp/rosen/fare/kaitei/2023itami-u.pdf （伊丹営業所管内の運賃表）
３．旧阪急田園バス路線
猪名川営業所・清和台営業所運行路線の運賃表を見ると、5ページ目の武田尾線のみ基本的に値上げされていないことがわかります。この値上げ対象外区間が旧阪急田園バス路線（2021/6/1付ブログ記事「宝塚市北部山間部のバスのリストラ後の様子」参照）に相当し、もともと初乗り運賃が170円など元からの阪急バスの路線より割高な運賃水準だったのを、今回のタイミングで値上げしないことにより統一するわけです。日生中央駅・パークタウン中央で乗降する場合のみ値上げになりますが、これは該当路線が阪急田園バス→阪急バスの合併後に新規開設され、両バス停がもともと阪急バスの運行エリア内だったためです。
４．大阪府能勢町東部の路線
豊能営業所運行路線の運賃表を見ると、 「箕面森町地区センター～妙見口駅～本滝口～倉垣～奥山内～奥田橋～倉垣」の循環系統について全区間運賃据え置きになっています。
この路線は、かつて京都府亀岡市に本社をおく京都交通（現在の京阪京都交通の前身）が運行しており、2003年に同社の撤退により阪急バスが引き継ぎました。その際に運賃水準は京都交通時代のままで据え置かれたため、能勢町内の他の地域を運行する阪急バスの路線よりもかなり割高となっていました（初乗り170円など）。このこともあり、今回は値上げの対象外とされたわけですが、まだ格差は解消していないかも・・・ ちなみに、京都交通時代は亀岡市内の「本梅車庫前」まで通じていましたが、引き継ぎ時に府境を越える区間は廃止されています。
ちなみに、あとから延伸された箕面森町地区センター～妙見口駅間は、地元豊能町による協議運賃区間のため、付近の路線ともども運賃は据え置きです。
