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東京に嫁いだ頃

2016-11-03 20:05:48 | よもやま

 今からほとんど19年前、大阪から東京の日野市というところに嫁いだ。
 色々と問題のある結婚だったし、
 私は逃げるようにして大阪を出てきた。
 本当に身の回りのものを少しだけ持って・・という感じだ。

 当時ちゃだには借財があり、私は東京に着いて運良く3日目に仕事を見つけた。
 私はそれほど早く、働かなくてはいけなかった。
 日本一のシェアを誇る臨床検査会社のスタッフだったし、
 920円の時給はよすぎるほどだったと思う。
 それでも返済は重くて、私は今、自分が病気で働けなくなったら・・・
 そう思うと怖くて風邪気味でもすぐに養生していたように思う。 

 その頃、私はアジア雑貨の店で一着のワンピースを見た。
 それは3500円くらいだったのに「欲しい」と言えなかった。
 そんなお金があれば3日くらいは充分に食べられたからだ。
 でも、どうしてもどうしても諦められなくて、
 帰り道、ちゃだに乗せてもらっていたバイクのタンデムシートで泣いた。
 そしたらちゃだはそのワンピースを買ってくれた。
 それは、本当に嬉しくて・・・すり切れるまで、
 いや・・本当にそのワンピースはすり切れたのだけど、そこまで着古した。

 あれから19年・・・・
 私は今、物欲のかたまりとなっている。
 あの19年前のワンピースのありがたみをどうして忘れてしまったのか、
 それほどまでに「私は我慢している!」という思いに支配される。

 先日はこの生活にとても考えられないような60万円を越える額の指輪。
 そう、それはただの装飾品だったもの・・・
 食べられもせず、着ることも出来ない・・・
 そんなものをちゃだはカードローンにしてまで買ってくれようとして、
 私はそれを心のどこかで怖いと思いながらも、
 あの指輪を手にできるんだ、自分のこの指にはめてキラキラと耀くのを眺められる、
 ・・・・と喜ぶ自分の物欲に負けていた。
 本当にこれは諦められない!と思い込んでいたからだ。
 
 でもその指輪の話をすると二人はいつも喧嘩になる。
 これはもうダメということだ・・と思い直して、
 私はこの1月から心を残していたその分不相応な指輪を、
 最後にもう一度見たいと言わないでおこうと思い、
 キッパリと「買えません」と仲の良いスタッフさんに電話をした。
 今まで3回くらい断っては、まだ取り置いてもらっていた指輪だったけど、
 今回はもうこれが最後と思って話すことができた。
 まだ「あの指輪を誰かが買って指にはめるのだろうな」と思うと、
 本当に動揺して気持ちが塞ぐけれど、それはもう仕方がない。

 今日、また6000円くらいする、これもブローチ・・・
 食べられもせず、着ることも出来ず、ちゃだと一緒に楽しむこともできない。
 そんなものを買おうとした自分が怖くなって、
 思い切ってその相手様に断りのメッセージを送った。

 最近そんなことが続いて、私は自分で自分に呆れている。
 それでも気持ちは痛くて物欲が無くなることはなく、
 諦めたものに未練がいっぱい残っている。
 買おうかどうしようか・・・
 迷っているうちに完売してしまったリボンの付いたガラスパールのネックレス。
 運悪くこの時期に重なって、2500円・・買っておけばよかったとか・・・
 何故、この強い物欲が私を支配するのか情けない。

 東京に行ったとき、二人にお金が無いことは承知だった。
 すぐに働かなければいけないことも、自分が身体を壊せないことも理解していた。
 だから原宿とか青山とかでは遊べないけど、
 私は「すぐ裏の多摩川の土手を散歩するだけでいい」とちゃだに言えた。

 今はどうしてしまったんだろう・・同じ自分なのに。
 こんな気持ちにさいなまれる時間がとてもツラい。
 自分の気持ちがツラいのだ。
 あの頃の自分に戻りたい。
 ファンデーションを実家から持っていったその一つだけで、
 2年も化粧をしていたけど・・貧しいとも何とも思わなかったあの頃。
 
 もう一度、謙虚な自分に戻りたいと思うのに、この私の肉は物欲に負ける。
 負けるな、私!!
 温かい部屋で、優しいちゃだと3匹の猫と、綺麗な音のピアノと、快適な車。
 多くの服や今までに買ったリングやネックレス。
 もうこれ以上、何がいるんだ!!
 ・・・・と、そう自分に言ってやりたい。

 変われ!
 私・・・・!!

 

 

 

 くぅ

コメント
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