大野 更紗という人の「困ってる人」という本を読んだ。
1回目はものすごい勢いで最後まで読んだのだけど、
読後感が気になって、今、2回目を読んでいる。
「筋膜炎脂肪繊炎症候群」という難病に突然なってしまう。
この病気の診断に1年かかり、その間は何の病気か分からなかった。
その後9ヶ月くらい入院されて最近退院された。
この本は初めはこんな病気があるんだとか、
こんな病院があるんだと知らない事をいっぱい知れたのだけど、
読んでいるうちに、いかに自分が大変かということに終始している気がしてきた。
私は辛い、私は大変な病気、私は・・・私は・・・という感じだ。
この人は検査のため、某特殊病院に一時入院するのだけど、
そこの事を「日本の社会の果て」とか「地獄」と表現する。
1日中心電図の音や呼吸器の音が鳴り響き、
臭いもひどくて、汚いらしい。
こんなところで私は・・・という、別世界の人間なのになぜ?
という問が発せられて、そこに入院している人の尊厳を、
知らないうちにこの人が傷つけているのではないかと思うようになった。
この社会にはその病院が最後の砦の人もいる。
自分が一番辛いのではないと学習すべきだったのに、
自分に課せられた「筋生検」というすさまじい検査のことで頭がいっぱいだ。
人はそんな状況になったら、みんなそうなるのだろうか。
この本はすでに10万部売れているそうだ。
だけど、上智大学院文系女子のインテリっぽい香りはするが、
文体は稚拙で、ブログを読んでいるようだった。
主治医への信頼がなくなったような事も書いているのに、
今もその主治医の元へ外来で通っているというから、
どんな神経の持ち主なんだろうと思う。
続編が出たらまた読むかもしれないけれど、
自分の知恵になるような情報は得られないという覚悟で読むべきだ。
くぅ