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レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術

2007年09月19日 00時27分11秒 | book
レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術
本田 直之
東洋経済新報社

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●話の流れ

成果=パーソナルキャピタル×マインド

ビジネスパーソンには練習が足りない。
練習、自己投資をし、パーソナルキャピタルを高める必要がある。

パーソナルキャピタルは4つの項目に分かれる
・労力
・時間
・知識
・人脈

これらにレバレッジをかけ効率のいいパーソナルキャピタルを構築する。

この話の中で一人歩きしているのがテーマにもなっているレバレッジです。


少ない労力で大きな成果を目標としていますがレバレッジという意味ではちょっと違うかな?と思います。

本書の中で使われているレバレッジはいわゆる時短、能率といった仕事の効率性の意味合いの方が強いと思われます。


●レバレッジ
レバレッジと言えば金融関連をちょっと勉強した方だとすぐ出てくる事ですが、日本語では「てこの原理」と言われたりします。

しかし金融商品などで言った場合、レバレッジとは「ボラティリティ(変動性)の向上する行為」と言ったほうが具体的でいいかもしれません。
当然逆に働くこともありますし、支点が壊れる事もあります。

(重要ポイント)
レバレッジは必ず上がるものでもありません。
その前提が本書にはありません。

●レバレッジの効果
・自己資本を担保に他人資本を組み入れ、高いボラティリティを得る
・スケールメリットを生かし、より高い利益を得る
・リスクで時間を買う

本書に書かれているレバレッジは上記の事とはちょっと違うような気がします。


●書評
確かに小さなことをこなしていくことで大きなものを動かすと言った考え方はレバレッジとも言えなくもないですが、簡単に言うと自分の身の回りをシンプルにして他の人を借りてより大きい効果を得る事を目標にしているといった事でしょうか?

そのため「仕事のスタンスの概略本」としか見られません。

ハック本に近いかな?

読んだ後はなんとなく自分にも出来そうですし、実際出来るかも知れませんが、それだけではレバレッジを効かせたとは言えません。


そしてもっとも重要なレバレッジを効かせるモノとタイミング(投資対象と期間)が全くありません。

株に例えるなら何の株を何時まで買うかも決まっていないで買い方をひたすら考えてるのと一緒です。


正直、昼寝がいいとか自己暗示とかレバレッジじゃないと思います。


そして一番残念なことは本書は人脈のレバレッジで話が終わっていることです。
その後にまとめや作者の後付がありません。

最初に「これらにレバレッジをかけ効率のいいパーソナルキャピタルを構築する。」と書きましたがこれは自分が勝手に書いたものです。


そのため尻切れトンボな感じは否めません。


自己啓発本として見るには面白いですが実生活でのレバレッジの利かせ方を学びたいと思っているならお勧めできません。