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横須賀総合医療センター心臓血管外科

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たてさん から たてよん へ?:心臓血管外科の緊急手術

2019-03-11 22:43:03 | 心臓病の治療
 以前、春日部中央総合病院の部長で派遣されることになり、その病院の循環器部長にあったとき、「たてさんまってるよ~」って言われて、何のことか質問したら、定時ー緊急ー次の緊急って感じで縦に三件の手術をこなす日々が待っていますよ、って意味でした。果たして、赴任した当日に、急性大動脈解離の上行大動脈置換術、それが終わると、緊急で大動脈基部再建術と、2件の緊急手術をこなし、その日は初日なので定時の手術はなかったのですが、本当に縦に2件の緊急手術をしなければらないない環境でした。
その後もしばしば「たてさん」を経験しましたが、大学病院では術者もレジデントもそれなりに数がいるので、縦ではなく、並列で緊急手術をすることがおおく、たてさん はなかなか経験できませんでした。

 横須賀市立うわまち病院では、緊急手術は断らずに24時間対応していますが、物理的に並列での手術は困難で、同じように「たてさん」で手術を行うこともあります。まさに2019年の3.11は、定時ー緊急ー緊急のたてさん、になりました。三件目の終わったのが朝の5時でしたが、その時点であらたに、緊急手術の依頼があり、あわや、たてよん になりそうでしたが、手術室の入室まで時間が必要であったこと、4件目の手術をするのに、手術器具の洗浄、再滅菌が必要であることから、ショック状態の患者さんをそこまで待たせることは、生命の危険をより大きくする可能性があると判断し、たてよん にはせずに、近隣の病院へ紹介、転送しました。そこで無事に手術を終えた、との懇意にしている心臓外科医から電話連絡を頂き、まるで自分たちのチームがその患者さんを助けたような、その患者さんを助けるのに一役買ったことを誇りに思えるような、満足した気持ちになりました。

 心臓血管外科の緊急手術は、一刻を争うことが多く、そのタイミングによって患者さんの命が大きく左右されることになります。普段は施設間の競争関係にもある心臓血管外科の領域ですが、患者さんの命を救う、という共通の目的の前には、どの施設で緊急を受けるのが最も救命率が高いか、という、患者さんファーストの視点から緊急対応をすることが多いのが実情です。

3.11 あの日から8年

2019-03-11 22:43:03 | 心臓病の治療
 東日本大震災からちょうど8年。地震発生当時は、横須賀市立うわまち病院循環器外来でインタビューを受けていました。大きな地震に一瞬インタビューが中断しましたが、それを終了したあと、あんなに大きな震災に発展するとは想像外でした。たくさんの方が、亡くなられて・・・本当に痛ましい、大参事でした。
 また大きな地震が来るとも言われていますが、その対策は徐々に進んできているものと思いますが、津波に関しては、防ぎようがないので、発生時に被害を最小限にするような努力しかないとおもいます。重要な建物などは津波の被害が起きにくいところに今後は選択するべきですし、居住地区もそうだと思います。また災害発生時に、その周辺の交通が遮断されないかどうかなどは、スタッフの通勤が可能かどうかという、ロジスティクスの面も重要です。