横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

Redo MICS-CABG②:RCA領域への再血行再建

2021-07-31 04:58:46 | 虚血性心疾患
 Redo CABG(再CABG=冠動脈バイパス術後の狭心症再発に対する再CABG)を右冠動脈に血行再建必要な患者さんについて、今日の症例ですが、他の施設の症例について電話で相談されました。画像などを拝見した訳ではないので、最適な手術方法がどういったものなのか、正確には返答できませんでしたが、実行可能なアプローチを採用するということが重要なのは間違いなく、開存する既存のクラフトを損傷しないアプローチがやはり最重要です。

 もし、ターゲットの右冠動脈がCTO(完全閉塞)で還流域の広い血管ならin situ(中枢吻合が不要)で使用出来る右胃大網動脈は最適なクラフト(バイパスに使用する血管)です。お電話ではあまり良く考えず、横隔膜越しの難しい吻合しか想定しませんでしたが、もし、#2(右冠動脈本幹で右房壁に沿って走行する部分)へ吻合でいいのなら、当施設なら第5肋間の小開腹で右開胸し、右胃大網動脈を右胸腔内に誘導し、心臓を剥離することなくバイパス出来るこのアプローチを採用します。もし、4AV(房室枝:回旋枝領域に近い部位)への吻合なら第5か第6の左開胸でアプローチします。いずれも、側方開胸なら、視野が悪い場合、肋骨弓を切って創を大きくすれば簡単に末梢吻合が可能になります。4PD(後下行枝:心臓可壁の中心部)に吻合の場合は横隔膜越しに吻合することは難しい場合が多いのですが、最初に覗いてみて難しければ肋骨弓を切って左開胸に創を延長すれば露出、吻合が簡単になります。正中アプローチよりは遥かに安全で合理的なアプローチです。右胃大網動脈が使えない場合は#2への吻合なら右内胸動脈を右小開胸で採取して使うというオプションがあるのと、長く採取した大伏在静脈を左右どちらかの腋窩動脈に中枢吻合して側方開胸から行うのがベストな方法です。

 側方アプローチ、開腹アプローチが困難な場合は、正中アプローチしか選択肢はなく、この場合は人工心肺を装着して、オンポンプビーティングで、ボリュームを引いて再開胸することが、心臓が虚脱された状態で剥離することが出来るので、グラフト損傷を避ける最良の方法です。もし正中アプローチとする場合でもRGEAが使えれば、上行大動脈を触る必要がないので、それが最良のグラフトとなります。
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ナディア?、ナディール?、ネイディア?、ネイダー? → Nadir

2021-07-31 04:46:03 | 心臓病の治療
大動脈弁輪の左室側に近い、大動脈側から見て一番落ち込んだ深い部分をNadirと呼びますが、これは英和辞典で検索すると、発音記号(néidər | -diə)と近い日本語はネイダー、もしくはネイディアと発音するそうです。Native English Speakerに発音を確認したいところですが、英語での大動脈弁置換のレクチャーや発表で、ナディールという発音でしゃべっている外人を何人か聞いたことがあります。実際はどうなのでしょうか、ご存じの方、教えてほしいです。
 → 留学経験のある大学で准教授をしているドクターが当院に見学にいらした際に聞いてみたところ、ネイディアではないか、との話でした。当院ではネイダーと呼ぶことにします。

 さて、このNadir、日本人のお医者さんたちは、ナディール、もしくはナディアと呼んでいる人が多いのですが、ナディアというと、アニメ「不思議の海のナディア」とか、トヨタの車種「ナディア」を思い浮かべます。そこで、日本語で言うナディアという言葉をネット検索してみたところ、ナディアのスペルはNadiaで、これはロシア語の「希望(надежда)」(ナディージタ)を語源とするそうで、ロシアでは女性の名前として一般的だそうです。希望、という名前、日本ではさしずめ、「のぞみ」さん、という感じでしょうか。
 一方、大動脈弁置換で出てくるNadirはスペルも違っていますが、こちらを英和辞典で調べると、意味は、「どん底」(人生の)です。画像検索するとイカ墨パスタを頬張るグロテスクなロックバンドが出てきました(https://vk.gy/images/10911-flyer.png)。

 人生のどん底と希望、まったく意味が正反対になってしまうので、少なくともナディアとは呼ばずにやはり、ネイダー、もしくはネイディアと呼ぶのが正当でしょうか。

 ちなみに天文学では、Nadirは天底という言葉があり、天頂(Zenith)の反対語だそうです。Zenithといえば、そういう名前のステントグラフトがありますね。


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Redo MICS-CABG①

2021-07-31 04:37:24 | 虚血性心疾患
 Redo CABG(再CABG)は冠動脈バイパス術後のグラフト(バイパス血管)閉塞や新規病変のために狭心症再発や新たな心筋梗塞の危険のある患者さんに検討しなければならない難易度のきわめて高い手術です。もしRedo CABGをする必要なくカテーテル治療で血行再建できるのであれば、通常間違いなくカテーテル治療を選択するでしょう。しかしながら、カテーテル治療できないしょうれいであれば、このRedo CABGを検討せざるを得ない症例も存在します。
 CABG術後に再開胸して心臓手術を行う際は、開存するバイパス血管(グラフト)の損傷の危険性があり、この損傷は致命的なダメージにありうるため、いかにグラフト損傷を避けるかということが課題になります。本年1月29日のブログに記載した内容:https://blog.goo.ne.jp/gregoirechick/e/6a1ee9fc4ff0c6d783268642178db6bb
では、CABG術後のCABG以外の再手術(CABG以外)の話を記載しましたが、再CABGはさらに難易度が高くなる可能性があります。

 Redo CABGにおいても既存の開存するグラフトを損傷しないで吻合することは最重要で、次に再バイパスにはどのグラフトを採用するか、中枢吻合をどうするか、という問題があります。

 先日、当院で経験した症例では、20年前に他の施設で2本の大伏在静脈を使用して、上行大動脈から右冠動脈#3、および左前下行枝#7に血行再建されてあり、その後の狭心症再発症例で、対角枝と回旋枝#14-1(PL-1:Posterolateral branch)が責任血管である症例に対して、左第5肋間アプローチでこの2か所に再バイパス追加し狭心症を治療した経験があります。80代なかばの患者さんでしたので、小開胸アプローチで手術することで回復が非常に早く術後1週間で退院可能となりました。この場合のグラフトは左内胸動脈と下肢の大伏在静脈を使用し、左内胸動脈はIn situグラフト(中枢側はもともと鎖骨下動脈につながっているので中枢即吻合不要)で、大伏在静脈は長めに採取して左腋窩動脈に吻合して第2肋間から胸腔内に誘導しました。長めに採取することで心臓の可壁までカバー可能でした。対角枝、回旋枝領域のRedo CABGには左開胸アプローチが非常に有用で、特に中枢側吻合を上行大動脈にする必要がないことでグラフト損傷のリスクをゼロにすることが可能です。
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冠動脈外科学会で勉強したMICS-CABGのコツ

2021-07-30 07:00:49 | 虚血性心疾患
① MICS-CABG 胸骨から心膜を剥離すると心臓の重みで背側に心臓が落ちて視野が改善
② Octopus NUVOで心臓を押し下げてRITA採取の視野を確保
③ Octopus NUVOにかわるリトラクターを胸壁貫通で使用して視野確保可能
④ Y-Compositeは左第2肋間の小開胸創から引き出して胸壁外で作成
⑤ Octopus NUVOで肺動脈を吸引してけん引すると上行大動脈の視野、操作性が改善
⑥ CPB装着を躊躇せずにMICS-CABGを完遂する
⑦ FA-FVを確保してCPB装着をスムースにできるようにしておく
⑧ 脱転はLIMA Suture使用
⑨ 心膜を大きく切ると心臓の脱転が容易になり視野、操作性が完成
⑩ NT-SVGであればLITAとのY-Compositeも可能
⑪ NT-SVGが今後の主流・常識に HarmonicでHarvest

実際に学んだこと①③⑨で両側内胸動脈を採取してみましたが、実際に今までよりも快適にグラフト採取が可能でした。今後は両側内胸動脈が増えていきそうです。
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手術器具は消耗品!?

2021-07-30 06:40:17 | 心臓病の治療
 手術器具、特に冠動脈バイパス術に使用するマイクロの持針器、攝子などははっきりいって消耗品のようです。しばらく使っていると把持力が低下し、持針器などは把持した針がくるくる向きが変わってしまいます。特に8-0の針は細くて小さいので非常に取り扱いが難しくなります。数年使用した持針器では、針先の向きが容易に変わるので、吻合操作そのものが非常に難しくなりますが、これは今まで筆者の技術が劣っているためかと思っていましたが、把持力のある持針器に変えた瞬間に手術が上手になったような気がするのはどうも持針器のせいのようです。それもあって横須賀市立うわまち病院心臓血管外科開設後10年が経過した一昨年、他の手術器具を購入する際に同時に新しいチタン製の持針器、攝子を購入しましたが、これも新しいのにかかわらず把持力がなく、これは術者の問題ではなく単に粗悪品を購入してしまったということのようでした。大動脈疾患などは長い時間の手術に耐えられるように心臓血管外科医はスタミナとか力技が重視されるような、そうした印象を持っていましたが、特に冠動脈手術の場合はマイクロの持針器のように精密な操作を行う器具に関してはどうも術者がとことんこだわることが重要なようです。職人的な意識の高い日本のおいても技術でカバーというよりも、精度の高い手術を行うためには精度の高い器具が必要です。
 冠動脈吻合用のマイクロの持針器に関しては、先端にダイアモンド粉を吹き付けて把持力を強化したものがあり使用していましたが、今年に入ってどうも針先がくるくる回るようになり、手術に使用するのに我慢できなくなってしまいました。どうも先端に吹き付けられたダイアモンド粉が落ちてしまったようです。先端の形状がすり減ってしまっているのかもしれません。いずれ先端の性能が落ちた持針器はもう使えません。ダイアモンド粉の再吹付もできるようですので、それを試してみてだめなら更新ということになります。持針器は一本20万円もする高価なものなので出来るだけ長く使いたいものです。
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鎖骨下動脈盗血症候群:名医の診断

2021-07-27 07:16:00 | 心臓病の治療
 鎖骨下動脈盗血症候群(Subclavian steal syndrome)は鎖骨下動脈が起始部で閉塞した場合、椎骨動脈を介して上肢の血流が環流されるため、脳に行く血流が低下して脳虚血症状が出るという病態です。鎖骨下動脈が閉塞しているとすべての患者さんに治療が必要という訳ではありませんが、閉塞側の脳還流低下が脳血流シンチグラフィーで証明されたり、(閉塞側の)脳MRIでラクナ梗塞が多い場合、手を動かすと脳虚血症状が出る、または手を動かすとだるくなる場合などが血行再建の適応となります。
 血行再建術は、カテーテル治療で成功する場合もありますが、鎖骨下動脈の閉塞は非常に硬い石灰化を伴うこともあり、万が一カテーテル治療で血管の解離や破裂が起きた場合は救命できないリスクが高いことからバイパス手術が最初から選択される場合もあります。
 バイパス手術としては、腋窩ー腋窩動脈バイパス術が開胸する必要がないため最も低侵襲で、長期成績も良好であるため多く採用されます。この血行再建のためだけに開胸して上行大動脈から腋窩動脈にバイパスすることは通常ありませんが、他の開胸が必要な病態がある場合はその同時手術として開胸での血行再建術が行われることがあります。非常にまれですが、大動脈炎症候群やShaggy aorta syndromeで腋窩ー腋窩動脈バイパスが出来ない場合に、大腿ー腋窩動脈バイパスが検討されることがあります。

 鎖骨下動脈盗血症候群の診断は、血圧の上肢の左右差で気づかれることが多いのですが、造影CTやMRAで偶然見つかるという場合もあります。先日は開業医の先生から、頸動脈エコーを行った際に椎骨動脈が逆行性に流れているので疑ったといって紹介されてきた患者さんがいて、まさに神業的な診断能力と思い、感動しました。この名医は、小磯診療所の磯崎院長先生です。
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オリンピックテレビ視聴による人流抑制・心に刻むオリンピックシーンで外出制限

2021-07-27 06:55:14 | その他
 連日のメダルラッシュ、テレビから目を離せません。日本がオリンピック期間中に金メダル取得数で世界一になることは、筆者が生まれてから今まで一瞬たりともなかったので、誰もがテレビの前で興奮しているのではないでしょうか。今までニュースでのダイジェストでしか見たことない、という人も、柔道の準々決勝、準決勝、決勝とシリーズで応援したり、卓球混合ダブルスの大逆転を連発してるまさにその瞬間をはらはらしながらテレビの前で応援することは人生における一生の思い出になるのではないでしょうか。
 筆者が最も心に残るオリンピックシーンの一つは、かつてロサンゼルスオリンピックで柔道の山下泰裕さんが、準決勝で足のけがを負いながら決勝まで勝ち上がり、決勝でインドの代表のモハメド・ラシュワンに足をひきずりながら勝利して金メダルを獲得した場面です。その試合、対戦者のラシュワンは山下の痛めた足を最後まで攻撃せず、健常なほうの足に勝負を挑んで負けたことに後悔はない、という正々堂々さにもさらに感動したことを忘れません。今でもそのシーンを思い出すと涙があふれそうになります。
 そうした感動を心に刻むシーンが無数にあるのが、オリンピックだと思います。
 皆さんの心に刻まれている思い出のシーンはどんな場面でしょうか。

 こうしたテレビの前に人をくぎ付けさせるオリンピックですが、これを新型コロナウィルスパンデミック下で無観客で決行することは、外出抑制、人流抑制によって感染を食い止める効果を期待してのことかと思います。今までリアルタイムでオリンピックをテレビで見たことがない、そうした感動を味わったことがない、という可哀そうな若者が多いようですので、是非この機会にオリンピック視聴の素晴らしさを知ってほしいです。
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心臓血管外科医養成のためのチューター制度:自治医科大学附属さいたま医療センター

2021-07-25 07:54:06 | その他
 心臓血管外科医になるためには外科専門医の取得、心臓血管外科医の取得などの専門資格の取得を前提に修練を積み重ねていく必要があり、その過程で多くの手術や臨床症例で経験値を積み、一人の独立した心臓血管外科医を目指して日々修行が必要です。
 日本においては、「道」としての修練習慣の歴史があり、まさに心臓血管外科道、のような徒弟制度が長く続いてきました。しかしながら、技術偏重や専門以外の知識不足など日本の医師の卒後教育制度が大きく問題視され、阪神淡路大震災を契機に日本の初期研修医制度が変わったのをきっかけに専門医制度や修練医の取り扱いなどについても変革が行われてきました。
 心臓血管外科医においては、外科専門医取得後に心臓血管外科専門医取得するために、人工心肺の運転経験やOff The Jobトレーニングの必修化なども加わり、修練施設においてはより充実したメニューの修練医プログラムが必要となってきました。
 自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科医局おいては、その修練医の到達度を定期的にチェックするためにチューター制度を作り、一人の修練医に対して上級医師2人が担当となって専門医取得取得のための必要なクレジットの獲得状況や、研究、学会発表のアドバイス、生活上の相談などを受ける窓口としてチューター制度を作って運用が開始されています。
 とはいっても、実際はこれから起動していくような感じではありますが、定期的なウェブ面談を通じて、修練医がスムースに不安なく修練が受けられ、専門医取得まで達成できるようにお手伝いすることを制度化しようとする試みです。
 先週、初めて修練医と上級医師2名によるウェブ面談を実施しましたが、まだトライアルという感じではありますが、確実に積み重ねていくことがこの制度が生きてくることになると思います。
 そしてこのチューター制度を成功させることが医局員が安心して修練を受けれる施設として認定される、ひいては新たな医局員を集めることになると思います。

 医局によっては教授の人柄で医局員が集まったり、医局の力(関連病院やポストの多さ)、研究内容などで医局員が集まってくるものかもしれませんが、医局員教育を魅力の一つとして発信していくことも重要と考えます。

 ということで、先週の一回目を皮切りに、学会もひと段落したことですし、面談などを定期的に行っていく予定です。
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新型コロナウィルスパンデミック時代の換気抜群の食事:焼肉ライク

2021-07-24 18:51:46 | その他




 新型コロナウィルスパンデミックの予防のために公共の施設では換気が重要視されていますが、飲食店においてもクラスタ予防、飛沫感染予防には店内の換気が大切です。この換気効率を売りにお客さんが増えていて、この緊急事態宣言下においても売り上げを伸ばしているお店が「焼肉ライク」です。このお店のコンセプトは一人焼肉、一人専用のお店です。おひとりさまの食事なので基本的に会話せず、お客さんは黙々と食べるので感染するリスクが低く、また、一人焼肉のガスの焼きスペースも十分な局所排気装置による換気が行われています。一人での食事が基本なので、滞在時間も短く、隣のお客さんが万が一感染者であっても濃厚接触にはならず、安心して食事ができるスペースです。
 筆者も初めて入店してみましたが、おひとり様のお客さん中心で、半数が女性なのもちょっと驚きました。
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壇ノ浦

2021-07-24 11:55:53 | その他


冠動脈外科学会2021では初めて山口県を訪れました。山口市よりも下関のほうがおいしいお店がたくさんある、とのことで学会のセッションがひと段落した後は、下関に向かい、壇之浦に来てみました。平 知盛が錨を抱えたまま壇之浦に飛び込み、平家が滅亡したこの地は大河ドラマで何度も見たシーンが浮かんでくるようです。ドラゴン桜で主演した阿部寛が平知盛役をしていたシーンが印象的でしたが、いま、この壇之浦の下には自動車が海底トンネルで九州まで通過できる関門トンネルが通っていて、一部は歩行者用のトンネルもあり、780mほど歩いて九州に渡りました。
下関は大きな港町で山口県の中心的なところで、住みやすそうなところでした。

お寿司屋さんで懐石料理をいただいたあと、小倉で一杯飲んで、新幹線で新山口まで帰りました。秋吉台や萩を訪れる時間はありませんでしたが、山口県、堪能できました。
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新型コロナウィルスパンデミックの報道規制

2021-07-24 11:44:46 | その他
 新型コロナウィルスパンデミックに関してはNHK,民放、どのチャンネルのニュースを見ても画一的で全く独自性もない、というのは、政府によって報道が規制されていることによるものです。
 たとえば、イベルメクチンによってインドの感染者数、死者数が激減した、などというテレビ報道や新聞報道は許されていません。もしこうした報道がされてしまうと、画一的な国民性の日本人は一斉にイベルメクチンを求めてパニックを起こしたり、長い行列ができたり、それをネタに詐欺や新たな商売が横行するということが起こるから、政府が規制せざるを得ないのだと思います。一度、大阪府知事がイソジン嗽液が効果がある(かもしれない)とテレビの前で言ったばかりに、大量の人が薬局に押し寄せてイソジン液を買い占めする事件が起き、そのあと、効果に関しては根拠がないということで府知事が謝罪した事件がありました。日本人は往々にしてこうした報道に惑わされて一斉に買い占めに走る傾向があります。こうしたパニックを避けるために報道の規制を行っている、というふうに言われてはいますが、一説によると、イベルメクチンが有効だということがわかると、多額の費用をかけて開発したワクチンがいらなくなってしまう、売れなくなってしまう、という側面もあり、FDAもWHOもイベルメクチンに関しては認めていない、という現実もあるのかもしれません。

 いずれにしろ、日本人の民度は、災害時には非常に高いと世界の国々から評価されていたにも関わらず、生命の危機が目前にある大地震の時にはそう見えても、実際には福島の放射線被害地域の住宅には多くの泥棒が入って荒らされている現実を見たり、新型コロナウィルスパンデミックに関しては、緊急事態宣言下においても多くの人が休みにはレジャーに出かけて行ったり、オリンピックスタジアムの前に入れもしないのに人だかりが集まってくるのを見ると、日本人の民度も低いと言わざるを得ません。
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冠疾患学会2021

2021-07-23 09:10:17 | 虚血性心疾患


昨年は冠動脈外科学会、冠疾患学会ともに新型コロナウィルスパンデミックの影響で開催されませんでした。どちら学会もランチョンセミナーや企業講演を一昨年に依頼されたこともあり、筆者にとっては思い入れのある学会とも言えますが、今年はどちらの学会も開催されます。

冠動脈外科学会ではテクニカルセッションでのライブでの発表を依頼されましたが、冠疾患学会2021ではシンポジウムに応募してみようと思います。
早速演題登録したところ、10041の登録番号!41番目ということなのでしょうか。一週間、演題募集期間が延長したとはいえ、大丈夫でしょうか。他の学会も現在は応募者が集まらなくて困っているようで、今年の秋に友人が主催する在宅医療関係の学会でも参加者が集まらなくて困っているとの相談を受けたばかりです。
会場は大阪ですが、ハイブリッド開催ですので、コロナウィルスが心配な人でもオンラインでの発表も可能と思います。

できるだけ学会、盛り上がってほしいものです。
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MICS-CABGがこれから普及するか

2021-07-20 04:03:13 | 虚血性心疾患
 今回の第26回日本冠動脈外科学会では、前回の金沢で行われた学会ではほとんど見られなかったMICS-CABGのセッションが初めて多く取り上げられました。テクニカルセッションで2セッション、モーニングセミナー、招聘講演でも取り上げられ、具体的な手技面での議論が多く行われたことは、ようやくこれから普及していくという予兆のように思われました。多枝血行再建にするか、PCIとのHybridにするかも議論に値することですが、小開胸アプローチでの手術は、手術症例を紹介してくれる循環器内科医にとっては紹介のハードルを大きく下げることになり、心臓血管外科手術症例数を増やしていくためには今後必要になってくる術式と考えます。学会でも多く取り上げられるようになっていることは、今後その必要性が認識されてきた、ということの証拠であり、この流れは今後も続くものと思われます。今回の学会のテクニカルセッションでも、横須賀市立うわまち病院で行っている、左内胸動脈の次のグラフトを上行大動脈への中枢吻合した静脈グラフトとすることで多枝血行再建するMICS-CABGをより普及に貢献するという内容の発表をテクニカルセッションで行いました。横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では、今後も可能な症例は積極的に左小開胸でのMICS-CABGを採用していく予定です。

 上の世代でMID-CAB創世記に苦労した先輩の心臓血管外科医は、MICS-CABGには懐疑的だそうです。やはり正中切開との比較で吻合やグラフトデザインの面で劣るということが理由と思われます。しかしながら、側方小開胸でも正中切開と同等のクオリティの吻合デザインができる症例もあり、そうした症例を適応としていくことで普及していくものと考えます。とはいえ、積極的にMICS-CABGを採用しても当横須賀市立うわまち病院の現状3~4割の実施率をみても全体の3~4割程度となることがMAXかもしれません。
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新型コロナウィルスにイベルメクチンが効いている!?

2021-07-16 06:00:08 | 心臓病の治療


 インドで感染爆発が起きて5月にニュースになりましたが、その後急速に感染が収束し、本当かどうかはわかりませんが、7月13日の新規感染者数死者数そもにゼロという報告となっています。イベルメクチンによる予防効果、治療効果を表しているということでしょうか?
 →とおもったら、数値が更新され4万人以上が毎日感染して3万人近くがなくなっているようです。一時よりは少なくなっているとはいえ、まだまだ感染は抑えきれていないということでしょうか。

 アジアではインドネシアが一日4万人以上の新規感染者数で死者数も一日891人と猛威を振るっています。インドネシアでもイベルメクチンが人気となり売り切れ状態のようです。日本の新規死者数が3人と、ワクチンの効果で高齢者の死亡者が激減していると思われますが新規感染者数は全国的に増えているようです。横須賀市も一日数人から、ここ一週間で連日10人以上に増え、昨日は20人を超えています。感染のピークのままオリンピックを開催するという異常事態に日本は突入しそうですが、それでもマスクをしなくなったり、大規模イベントを行っている国の1/10くらいの感染者数であることに変わりはありません。

 いずれにしても、ワクチンと治療薬の両方でのアプローチが必要です。
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冠動脈外科学会2021

2021-07-16 05:41:37 | 心臓病の治療
 冠動脈外科学会2021が山口市で開かれています。新型コロナウィルスパンデミックの影響で今回はハイブリッド開催となりました。一般演題はアーカイブ配信となり、シンポジウムやテクニカルセッションは現地でハイブリッド開催です。現地の発表の三分の一くらいがオンラインでの発表となっていますが、あらかじめ録音録画した動画を流し、それに対してオンラインでディスカッションするスタイルなので発表動画を安定した環境で視聴できました。
 今回の学会は、一般その他大勢の発表は少なく、国内の誰もが知るエキスパートが勢ぞろいして演者となっているため、午前中のセッションなど怖くてフロアから質問できる雰囲気ではありませんでした。実際にフロアからの質問が全くないセッションとなっていました!

 久しぶりの学会会場の雰囲気、やはりいいですね!という声があちこちで聞こえました。

 理事長講演では、今度東京でInternational coronary congressが開かれること、冠動脈外科学会の財務状況が改善したことでJACVSDと連携して正確な手術統計が得られるようになったこと、新たな試みとして冠動脈吻合競技会を開催し、それに対するアクセス数が非常に多くなっており、新入会員も増えたことなどが紹介されました。冠動脈吻合競技会のところでは、新たに今年から新規に20人ほどの審査員を入れて客観的な評価を行っていることが紹介され、審査員の一人に加わった筆者の顔写真もスライドに入れていただいていたのをみて、ちょっと嬉しかったです。
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