横須賀うわまち病院心臓血管外科

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左心室の部位名称について

2019-03-26 07:46:07 | 心臓病の治療
左心室の位置の名称について
① 心尖部 心臓の先っぽに近い部分
② 心基部 房室弁輪に近い部分 心房より
③ そして、心尖部と心基部の間の部分を、心室中部、と呼ぶようです。

心基部に関しては、心エコーでいう、僧帽弁後尖の裏側あたりをイメージ的には示し、いわゆる高位後壁梗塞のときに壁運動異常を呈する部位という印象です。

心尖部は、たとえば、タコつぼ型心筋症のときには、心尖部付近の壁運動異常が起き、心基部側の収縮は良好、というようなときにも使用されます。
心尖部送血、心尖部脱血、TAVIの心尖部アプローチのときには、本当の心尖部よりも前壁より、第二対角枝と前下行枝の間の三角形の部分に操作します。また右室の心尖部は、パースメーカーの心室リードを留置する場所です。

こうした使い方のなかで、心室中部は、Mid-ventricular postionとも言われ、心エコーでいう、乳頭筋レベルの位置の表現と思われます。閉塞型肥大型心筋症では、左室中部の流出路狭窄(Mid ventricular obstruction)という表現をします。

ということで、本日のうわまち病院の心エコーカンファレンスで、心尖部と心基部の間の部分はなんというか、という議論になったので調べてみました。

ちなみに、横須賀中央にある「鳥良」という焼き鳥屋さんで「ハツモト」の照り焼きというメニューがあり、ハツモト=心基部という意味だと思います。焼き鳥のハツは、おそらく、心尖部と心室中部の部分を焼いたもので、ハツモトの部分は除去されていて、普段は食べられずに処分されているのかもしれません。
コメント
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