Green Nurses

ビジネス新書をこよなく愛する中間管理職ナースのブログ。

山本文緒著:恋愛中毒

2009-03-29 17:00:46 | 読書
過去をグヂグヂ思い悩み、後悔と自己嫌悪の日々を過ごす女と、
豪快な男の、ラブストリー、というか、なんというか。
面白い小説だった。

男が女に言った「過去に“もしも”を持ち込むな」というセリフ、
確かに、“もしも”は、未来にしか使わない人のほうが多いと思う。
私自身も、過去には使うことはほとんどないかも。

豪快な男は、愛人をいっぱい作りながら、どこか憎めない、タフな男。
私から見ても、とても魅力的だった。
こういう男って、自分が20代のころは、いたような、いないような。
でも最近周りにはいないなー、と思って、ちょっと考えてみた。

すると、豪快な男がいないのではなく、
自分がそんな魅力的な人を、男として見ていないんじゃ、
というちょっとさみしい現実を見つけてしまった。

自分が恋愛中毒になったことがあるかどうかもわからないが、
すでに、恋愛離脱していることを知った週末であった。

柳美里著:仮面の国

2009-03-21 19:38:12 | 読書
柳氏は、本当に喧嘩っぱやい。
敵に対するいやみ三昧の言葉に、唖然としながら、どこかすかっとした。
こんなに正面切って喧嘩できる人、ちょっとうらやましい。

自分はいつも、譲歩を重ね、現実的な妥協案に着地しようとしてしまう。
いつの日か、本当に譲れないことに出会ったら、柳氏のように喧嘩したい・・?
いや、やっぱり、喧嘩はかえって時間のロスのような気がする。
一足飛びに自分の意見を受け入れてもらえるなんて願わず、
段階的に、考えを態度で示していくのが、やはり自分流かな。
これは、典型的な日本人の交渉術、なのかもしれないけど。

ところでこの本、櫻井よしこ氏の解説がぴか一で、感心してしまった。
柳氏は、敵対する相手を論破することに夢中で、どこか読者の存在を無視して
しまうところがあって、つまり、非常にわかりにくい文章。

一方、櫻井氏は、数ページで、柳氏が扱っていた問題をあっさり要約し、
自分の立場もさらりと紹介してしまう。
さすが、柳氏が尊敬する女性。
喧嘩をしながら傷つく彼女を援護する言葉は、賢さと包容力をもつ母のようだ。

WBC

2009-03-21 00:15:59 | 今日のできごと
盛り上がってるWBC。
想像以上に、いろいろなドラマを見せてくれる。
今日、韓国に勝って1位で準決勝に乗り込んだサムライJAPANの面々は、
本当に侍のように、機敏に、しっかりと、自分の役割を果たしていた。

今大会、私が思わず注目してしまうのは、原監督のコメントと、
イチローのピリピリ感を取り巻くチームメイトの振る舞い。

原監督は、負けても勝っても、前向きなコメントをだす。
これがどんな効果につながるかは、昨年のジャイアンツのリーグ優勝に
見られるとおりだが、WBCでもいい効果を生んでいるように思う。

イチローがファインプレーをしたり、ヒットを打つと、チームメイトは
本人以上にうれしそうにしている。
これからの試合、イチローがもっと打てるようになれば、どんなにチームが
盛り上がるか。私はむしろそれを楽しみに待っている。

さすがヒーローたち、普通では考えられない緊張の場面で見せる表情は、
まさに、きりり、としてかっこいい。
そして、自分の出した結果をかみしめる表情は、心を打つ。
人は修羅場の数だけ成長する、のだと思う。

ジェネラル・ルージュの凱旋

2009-03-01 13:24:52 | 読書
チーム・バチスタの栄光、の海堂尊の本。
登場人物のキャラの魅力がいいなあ。

やっぱり、医療従事者って、病院ものの話って好きだよねえ。
私も、これまでに何度も看護師が嫌になって辞めたくなったけど、
医療ものの話はやっぱり好きだもの。

たまに、ドラマや映画で、「そーんなきれいなことばかりじゃないぜ」と
思ったりするけど、海堂尊は、現役の医師だから、読んでいて違和感がない。

私は、海堂尊シリーズの人気を支えているのは、
実は世に結構いる医療従事者じゃないか・・・と思っている。

東野圭吾著:どちらかが彼女を殺した

2009-03-01 12:34:16 | 読書
結局、どちらが殺したか、よくわからなかった・・・。
そして解説を読んでも、ネットでネタばれを見ても、なんかピンとこず。

東野圭吾氏は、数々のヒット作をだしているが、
これからも、時々はこういう読者になぞ解きをさせる本を出すのだろうか?

謎解き本を2冊読んでみて感じたことは、読者に謎解きに参加させることで、
主体性を引き出すんだなーということ。
なかなか興味深いサービス、だと思う。

そういえば、読書って、完全に受け身、だ。
途中途中で理解が不完全な部分があっても、読み進められる。
でも、謎解きは、何度も戻って理解をしながらじゃないと、完結しない。

私がこよなく愛する新書たちにも、
こういう謎解きのような部分を織り交ぜていただけると、
主体的に取り組めるし、理解が徹底するからいいなあ、と。
勝手な意見ですけど。