Bach の宗教曲を集めたアルバム "Continuum"。
原曲は歌唱つきのカンタータなどで、
その主要部をピアノソロやピアノ連弾にアレンジしている。
一部の曲以外は Olafsson 自身による編曲。
YouTube で少しづつ
動画がリリースされていたが、
amazon で探してもアナログの LP版しかなくて、
CD が出ていないようなので、
全6曲の YouTube 公式音源をまとめておく。
楽曲の解説は、ChatGPT に教えてもらったので、
間違っているかもしれない。
J.S. Bach: Cantata, BWV 159: Es ist vollbracht (Arr. Ólafsson for Piano)
カンタータ「成し遂げられたり」
タイトルは、ヨハネによる福音書19章30節にあるイエス・キリストの言葉
「Es ist vollbracht(成し遂げられたり)」に基づいている。
この言葉は、イエスが十字架上で最後に発した言葉の一つであり、
「救済(贖罪)の完成」を意味する。
というとおり、優しく、希望を感じさせる曲。
J.S. Bach: Cantata, BWV 21: Ich hatte viel Bekümmernis (Arr. Ólafsson for Piano)
カンタータ「私は多くの悩みを抱えていた」
このカンタータは全11曲から成る大規模な作品で、
魂の苦しみと神の慰めをテーマとしている。
特に、深い悲しみから神による魂の救済へと至る流れが
劇的に描かれている点が特徴的。
「私は多くの悩みを抱えていた。
しかし、あなたの慰めが私の魂を元気づける。」
というとおり、重苦しい歩みの中に、
微かな希望を感じさせる曲になっている。
J.S. Bach: Cantata, BWV 150: Nach dir, Herr, verlanget mich (Arr. Ólafsson for Piano)
カンタータ「主よ、私はあなたを慕い求めます」
バッハの現存する最も初期のカンタータの一つであり、
詩篇25篇の言葉をもとにしたテキストを用いている。
この作品は、苦悩の中で神の助けを求める信仰者の
心情を描いており、最終的には神への信頼と勝利の確信へと至る。
全7曲のうちのたぶん第1曲で、
表題のとおり、神への思慕が、
祈るような静かな響きで簡潔に表されている。
J.S. Bach: Das alte Jahr vergangen ist, BWV 614 (Arr. Kurtág for Piano 4 Hands)
コラール前奏曲「古き年は過ぎ去りぬ」
オルガン小曲集(Orgelbüchlein)》BWV 599–644 の一曲で、
新年を迎える際のコラール前奏曲として作曲された。
新年の歓びというよりは、
時の静かな歩みとともに
去り行く年への感慨、郷愁が
描かれている。
オルガン曲なので、足で演奏する部分もある曲を
連弾用に編曲して Olafsson と奥さんの2人で弾いている。
ジャケット写真を見ると、
高音域を Olafsson が担当しているようだ。
反田夫妻にも弾いて欲しいような。
J.S. Bach: Cantata, BWV 12: Weinen, Klagen, Sorgen, Zagen (Arr. Ólafsson for Piano)
カンタータ「涙と嘆き、苦しみと恐れ」
この作品は、キリスト教の苦難と信仰の試練、
そして最終的な希望と勝利をテーマとしている。
全7曲のうちの第2曲ではないかと思うが、
「苦しみの中にある信仰者」 が、
短調と長調を要り交ぜて、抒情的に描かれている。
涙が流れ落ちるかのような下降する音型が印象的で、
ロ短調ミサ曲にも引用されているらしい。
J.S. Bach: Komm, süßer Tod, BWV 478 (Arr. Bauer for Piano)
讃美歌「来たれ、甘き死よ、至福の安らぎよ」
この曲はバッハの他のコラールやカンタータと異なり、
バス独唱用のシンプルな宗教歌曲として作らた。
しかし、その内容は非常に深い精神性を持ち、
後の作曲家たちにも影響を与えた。
歌詞は、死を願う信仰者の心情を表現しており、
死の恐怖、悲しみとともに、
死は終わりではなく、
神との合一、苦しみからの解放であり、
新たな平安の始まりである、
というキリスト教の考え方が、
とても荘厳かつ感動的に表現されていて、
アルバムの締めくくりにふさわしい。
Olafsson 自身も、別の動画で、
バッハの曲の編曲の中でも
最も偉大なものの1つと言っている。
いずれの作品も、静謐さ、純粋さ、抒情性、
ある種の強靭さ、やエクスタシーなどが
混然として、とても特別な印象を受ける。
上のショート動画によると、
このアルバムは、Olafsson の
Bach Diary の第1弾ということで、
この後もまだ続くらしい。
バッハを弾かずに1日は過ごせない
というようなことも言っている。
いずれも、神に捧げられた、というか
神と対話するような曲だが、
Olafsson は、どういう神を
イメージして弾いているのだろう?
追加:
Útúrdúr: J.S.Bach/G.Kurtag : Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit
Vikingur と、Halla の連弾による、教会カンタータ「神の時こそいと良き時」。
叔父さんの葬儀のために書かれたとも言われているらしいが、詳細は不明らしい。
Kurtag によって四手のピアノに編曲されていて、ソプラノを受け持つ人が手を交差させて弾く。
これは 10年くらい前の動画のようで、若い二人がとても初々しい。
同じ二人によるモーツアルトの連弾の動画もあって、こちらもとても良い(以前にも書いたと思う)。
この曲は、アルゲリッチも好きなようで、連弾の動画がいくつかある。
ゆっくりとした名演だ。
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