日々の寝言~Daily Nonsense~

デジタル赤字、デジタル小作人

今日のクローズアップ現代は
「デジタル赤字」

ビジネスクラウドや生成 AI などの
プラットフォームを利用することで
円が GAFAM 等に流れている
という話だった。

その中で「デジタル小作人」
というワードが出てきて、
なるほど、と思う反面、
違和感もあったので、
少し考えてみた。

プラットフォーマーが提供している
インフラサービスが土地にあたり、
そこで作物を作る小作人は
地代を徴収されるということで、
確かに、小作人なのかもしれない。

その一方で、加工貿易の喩えもあって、
インフラサービスは、
原材料や機械などの道具
にあたるという考え方もできる。

実際、番組中でも、
今やとても有名になった
「陣屋」のデジタル化の
事例がとりあげられて、
自前でつくった旅館運営支援
サービスが年商3億円
なのだといっていた。

この場合には、「小作人」感や
それに伴う悲惨な感じは
かなり薄くなる感じだ。

この違いは何なのだろうか?
何に由来するのだろうか?

単に見方の違い
ということなのか、
それとも何か
本質的な違いがあるのか?

土地というのは有限な資源で
代替することも難しいのに対して、
原材料や道具はそうではない?

加工機のような道具を作っている人たちも
材料を仕入れて労力を費やして
いるのに対して、地主や
プラットフォーマーは
もちろん、競合との闘いのために
サービスをアップデートしたり
スケールさせたりする必要はある
とはいえ、基本的には、
最悪、何もしなくても利用料=地代
チャリンチャリンと入ってくる、
というところが違う?

なんだかすっきりしない・・・

ネットで検索してみると、
もともとは、今年の1月に
日経新聞に載った記事らしい。

こちらの note にまとめがあった。
昭和99年のデジタル小作人

これに対して、
デジタル小作人で何が悪い、
的な意見もあるし、
搾取されている状況から脱却すべき、
というような意見もある。

結局、搾取されているのか、それとも
道具や機会を与えられているのか
は、プラットフォームに対する
利用料金がフェアなものかどうか
によるだろう。

このところの円安で、
利用料金がかなり上昇
していることも
搾取という見方の背景に
なっているのかもしれない。

また、特定のインフラサービスに
ロックインされてしまいがちで、
競争原理が働きにくく
なっている点も問題ではあると思う。

しかし、番組でも言われていたように
IT の荒野はまだまだ広く、
今後新たなプラットフォームサービスを
創り出してゆけばよい
という意見もあるだろう。

Google を見てもわかるように、
あるサービスの覇者が、
次のサービスの覇者になるとは
限らない、というか、むしろ、
一つの成功が、次の成功の準備の
足かせになることも多いのだから。

それにしても、日本は
IT、デジタル技術で
勝てない・・・

もちろん、トロンや京、富嶽の事例などもあって
個人レベルや個別事例ベースでは、
勝負になっている/いた場面もあるわけだが、
デジタル産業全体として
激しく負けているのは
間違いないところだ。

上の note にもいろいろ
理由は書かれているが、
個人の能力というよりは、
社会全体の価値観のようなものに
何か本質的な要因があるのだろうか?

変化を厭う?
自由過ぎるのが怖い?
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