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Ep7をほどく(補遺)・Ep7は『Land of the golden witch』そのものでは?
筆者-初出●Townmemory -(2010/12/07(Tue) 18:43:07)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=57480&no=0 (ミラー)
[Ep7当時に執筆されました]
☆
「Ep7をほどく」シリーズの補遺です。直接的な続編ですので、このシリーズをお読みでない方には理解できない可能性があります。そして以後、自分の説につごうのいいことだけをひたすらべらべら述べますので、覚悟して下さい。
Ep7をほどく(1)・「さいごから二番目の真実」
Ep7をほどく(2)・まずEp7を紗音説で読む(上)
Ep7をほどく(3)・まずEp7を紗音説で読む(中)
Ep7をほどく(4)・まずEp7を紗音説で読む(下)
Ep7をほどく(5)・分岐する世界の同一存在
Ep7をほどく(6)・ベルンの動機、読者の動機
Ep7をほどく(7)・ジェシカベアト説(上)
Ep7をほどく(8)・ジェシカベアト説(中)
Ep7をほどく(9)・ジェシカベアト説(下)
Ep7をほどく(10)・すべてのベアトリーチェのために
Ep7をほどく(11)・そしてアンチミステリーへ
「Ep7をほどく」について、ざっと、乱暴な要約をしますと、「Ep7が紗音犯人説に見えるのは実はヒッカケじゃない? Ep7というひとつの物語から、2つの真相が導き出せるように設計してあって、紗音説はその2つのうちのわかりやすいほうなんじゃない?」みたいなことを言いました。真実を見るには、片目ずつではなく両目で見なければいけないというEp6のアレです。ふたりの犯人像を両方読めて、はじめて正解なんじゃないか、「クローゼット」と「ベッド下」と、両方のカードを持ってないと駄目なんじゃないか。Ep5でいえば、夏妃説と戦人説と両方提示できないと合格じゃないんじゃないか。というようなことです。
あ。そうやって要約してみると、Ep5~7の流れは、マスタリングとして流麗ですね。
Ep5では、いったん夏妃犯人説が真実認定されたあと、「ちょっと待った!」といって戦人犯人説が出てくる。対立しあうふたつの犯人説は「どっちも真実としての資格がある」というスゴイ認定がなされる。
Ep6では、それを一歩推し進めたような、嘉音が「クローゼットに隠れている」のか「ベッド下に隠れているのか」という問いがなされる。「クローゼット」だけ気付いて、「ベッド下」の可能性に気付いていない場合は不正解となる。もちろん、「ベッド下」だけ気付いても不正解。両方の可能性を同時に検討していなければ正解できないという展開がでてくる。
そしてEp7では、「あなたは果たして、Ep7の物語から、紗音犯人説と、朱志香犯人説の2通りを抽出できますか?」という問いかけがなされているのだ……というようなことを、最後のはわたしが自分勝手に主張しているわけです。
さて、ところで。『Land of the golden witch』の話をします。
あの、本編しか読まれていない方には、『Land of the golden witch』何なのかわからないと思うので、ざっと説明します。「本来、Ep3として公開されるはずだった“Land of the golden witch”というシナリオが存在する」ということを、竜騎士07さんがいろんなところで言及しておられるのです。それは究極に極悪で、読者を完全にミスリードしてしまうので、やばすぎてお蔵入りにした、みたいなニュアンスのことを竜騎士さんはおっしゃるのです。
『Land of the golden witch』の正体については、Ep5当時にこのような推理をしていて、考えは今でもほとんど変わっていません。→ 『Land of the golden witch』の大ネタって何?
内容が前の書込みと重複するのですが、竜騎士さんは『Land of the golden witch』をこう説明するのです。
ここでの「今」とは、ep4発表直後のこと。
ここで言及されていることをまとめると、
・Ep4直後の段階で『Land of the golden witch』を公開した場合、真相でないものを真相だと思われてしまうだろう。
(「ひぐらし」の「綿流し編」だけを公開した場合、「魅音が犯人だ」とみんな思いこんでしまう。そのような状態が発生するだろう)
・Ep3で『Land of the golden witch』を発表していたら、「真相でないものを真相だと思う」段階にすら至らないだろう。
(「ひぐらし」で例えれば、「魅音が犯人だ」という間違った結論にすら到達できない人が続出するだろう)
以上のような要約ができるように思うのです。
つまり『Land of the golden witch』の正体は、
「真相でないものを、あたかも真相そのものであるかのように思いこませるギミック」
である。
より詳しくいえば、
「もっともらしいウソの真相を用意し、ユーザーがそこに行き着くように誘導する。ユーザーはその真相に満足するので、本当の真相は覆い隠される」
というようにわたしは推理しました。
このことはEp1~3の流れをみると、多少裏打ちできるように思います。『Land of the golden witch』は、本来Ep3として提示されるはずのものでした。
Ep1では、事件が発生する。
Ep2では、事件の真相にたどり着けなくする隠蔽工作がなされる。(幻想描写というノイズが入り出す)
Ep3の『Land』では、「ニセの真相」が提示され、そこに向けて読者が誘導される。(本当の真相は隠蔽される)
この流れを想定すると、「ホップ・ステップ・ジャンプ」という感じで、美しくミステリーが成立するのです。きっと、当初はこんな展開がプランニングされていたと、わたしは想像します。
ところが。Ep2を公開した時点で、幻想描写に負けて、「こんなの推理できねーよ」というユーザーが続出してしまった。竜騎士さんがインタビューでそんなニュアンスのことを言っています。
このまま『Land of the golden witch』をやっても、「ニセの真相」に気付いてもらえない。それではこのギミックはご破算だ。だから、Ep3で『Land of the golden witch』をやるというプランはお流れになった。だいたいわたしはそんな感じのことを考えています。
さて。
だいたいわたしが、これから何をいおうとしているのか、おわかりになったかと思いますが。
わたしはこの「Ep7をほどく」シリーズで、
「Ep7からは2通りの真相が抽出できる。わかりやすい紗音犯人説の裏側に、もうひとつ別の犯人説(朱志香犯人説)が隠されている」
ということを論述してきました。
わかりやすい犯人説の裏側に、もうひとつの真相?
つまり、ひとつの物語に対して2通りの真相があり、片方がわかりやすい場合、ユーザーはそれに飛びついて満足するので、もう一つは結果的に覆い隠される……。
というカタチでEp7をみた場合、これはわたしの想定する『Land of the golden witch』とまったく同じ構造なのです。
竜騎士さんはインタビューで、「『Land of the golden witch』をやってみようかな、という気になりはじめている」といった意味のことを言い出しておられます。(http://news.dengeki.com/elem/000/000/147/147660/)
ということで、この記事のタイトルのような結論がえられる。
「Ep7が『Land of the golden witch』だったのではないか」
そのようにいったん仮定してみると、いくつかピースがはまる感じがあるのです。
『Land of the golden witch』には、ウェルギリアスという男性キャラクターが登場する予定だったそうです。それがお蔵入りになったので、名前だけ借りた「お助けキャラ・ワルギリア」に変更された。
『うみねこのなく頃に』が、ダンテの『神曲』から、いくつかイメージをひっぱってきていることは有名ですが(そしてわたしは『神曲』を読んだことがありませんが)、ウェルギリアスというのは、『神曲』にでてくるキャラクター、「プブリウス・ウェルギリウス・マロ」さんのことでしょうね(実在した詩人でもあります)。ダンテをベアトリーチェのもとに導く案内人です。
Ep7には、クレル・ヴォーブ・ベルナルドゥスというキャラクターが出てきます。彼女は「犯人のアバター」、いわば仮面をかぶって正体を隠した犯人として、告白をします。
このネーミングは明らかに、「クレルヴォーのベルナルドゥス」を下敷きにしています。この人も実在の聖職者ですが、『神曲』にでてくるキャラクターです。役回りはウェルギリウスとまったく同一で、「ダンテの案内人」です。『神曲』は、前半をウェルギリウスが案内し、後半をベルナルドゥスが案内するような感じになっているそうです(あの、伝聞情報なので、正確には違うかもしれませんが)。
つまり、ザックリしたいいかたをすると、ウェルギリウスとベルナルドゥスはおんなじ役割のキャラなんだ。
だから、こういう想定ができる。
「Ep3で登場するはずだったウェルギリアスは、Ep7のクレルとまったくおんなじ役回りで使われるはずだったにちがいない」
「ウェルギリアスは、Ep3で登場した場合、“私が犯人である”と言い出して、事件の告白をする予定であった」
「しかしその内容は、魅音にソックリな別の誰かが“犯人は私です”と言うような感じのものであった」
「そういうEp3が想定されていたが、諸般の事情でお蔵入りになった」
「その後“今ならもうコレをやっても大丈夫”という判断がなされた」
「そこで、ウェルギリアスをクレルというキャラに変更し、Ep7で、『Land』とほぼ同等のギミックが展開された」
そんな感じに合わせてみると、だいたい綺麗。というお話でした。
ちなみにこの推理は、偽書オリスクシリーズの英恵さんのエントリに影響を受けて書きました。→ http://kisaragi48.blog27.fc2.com/blog-entry-33.html
たとえばウェルギリアスが告白する内容が「霧江犯人説」であったりする、というのは納得度が高いと思います。Ep3で霧江犯人説が提示された場合、Ep4からの縁寿の活躍とのつながりが良い、という議論は納得です。(これ自分で気づきたかったなあ!)
■目次1(犯人・ルール・世界設定)■
■目次2(碑文・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
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Ep7をほどく(補遺)・Ep7は『Land of the golden witch』そのものでは?
筆者-初出●Townmemory -(2010/12/07(Tue) 18:43:07)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=57480&no=0 (ミラー)
[Ep7当時に執筆されました]
☆
「Ep7をほどく」シリーズの補遺です。直接的な続編ですので、このシリーズをお読みでない方には理解できない可能性があります。そして以後、自分の説につごうのいいことだけをひたすらべらべら述べますので、覚悟して下さい。
Ep7をほどく(1)・「さいごから二番目の真実」
Ep7をほどく(2)・まずEp7を紗音説で読む(上)
Ep7をほどく(3)・まずEp7を紗音説で読む(中)
Ep7をほどく(4)・まずEp7を紗音説で読む(下)
Ep7をほどく(5)・分岐する世界の同一存在
Ep7をほどく(6)・ベルンの動機、読者の動機
Ep7をほどく(7)・ジェシカベアト説(上)
Ep7をほどく(8)・ジェシカベアト説(中)
Ep7をほどく(9)・ジェシカベアト説(下)
Ep7をほどく(10)・すべてのベアトリーチェのために
Ep7をほどく(11)・そしてアンチミステリーへ
「Ep7をほどく」について、ざっと、乱暴な要約をしますと、「Ep7が紗音犯人説に見えるのは実はヒッカケじゃない? Ep7というひとつの物語から、2つの真相が導き出せるように設計してあって、紗音説はその2つのうちのわかりやすいほうなんじゃない?」みたいなことを言いました。真実を見るには、片目ずつではなく両目で見なければいけないというEp6のアレです。ふたりの犯人像を両方読めて、はじめて正解なんじゃないか、「クローゼット」と「ベッド下」と、両方のカードを持ってないと駄目なんじゃないか。Ep5でいえば、夏妃説と戦人説と両方提示できないと合格じゃないんじゃないか。というようなことです。
あ。そうやって要約してみると、Ep5~7の流れは、マスタリングとして流麗ですね。
Ep5では、いったん夏妃犯人説が真実認定されたあと、「ちょっと待った!」といって戦人犯人説が出てくる。対立しあうふたつの犯人説は「どっちも真実としての資格がある」というスゴイ認定がなされる。
Ep6では、それを一歩推し進めたような、嘉音が「クローゼットに隠れている」のか「ベッド下に隠れているのか」という問いがなされる。「クローゼット」だけ気付いて、「ベッド下」の可能性に気付いていない場合は不正解となる。もちろん、「ベッド下」だけ気付いても不正解。両方の可能性を同時に検討していなければ正解できないという展開がでてくる。
そしてEp7では、「あなたは果たして、Ep7の物語から、紗音犯人説と、朱志香犯人説の2通りを抽出できますか?」という問いかけがなされているのだ……というようなことを、最後のはわたしが自分勝手に主張しているわけです。
さて、ところで。『Land of the golden witch』の話をします。
あの、本編しか読まれていない方には、『Land of the golden witch』何なのかわからないと思うので、ざっと説明します。「本来、Ep3として公開されるはずだった“Land of the golden witch”というシナリオが存在する」ということを、竜騎士07さんがいろんなところで言及しておられるのです。それは究極に極悪で、読者を完全にミスリードしてしまうので、やばすぎてお蔵入りにした、みたいなニュアンスのことを竜騎士さんはおっしゃるのです。
『Land of the golden witch』の正体については、Ep5当時にこのような推理をしていて、考えは今でもほとんど変わっていません。→ 『Land of the golden witch』の大ネタって何?
内容が前の書込みと重複するのですが、竜騎士さんは『Land of the golden witch』をこう説明するのです。
KEIYA:今発表したとしても、これまでのシナリオのなかで最高の難易度になるのでしょうか?
竜騎士07:うーん。今の段階だと、ヘタすると思考停止どころか、真相だと思われかねません。『ひぐらし』で例えれば、『目明し編』のない『綿流し編』みたいな。「魅音が犯人なんだ」で終わってしまうくらい致命的です。
――それを危惧して一度『Land of the golden witch』を止めたのでしょうか?
竜騎士07:恐らく第3話で発表していたら、その段階にも至らない方が続出したと思います。
【うみねこEP4対談】謎解き部と物語部を両立させられたらいいなと思っています
http://news.dengeki.com/elem/000/000/147/147660/
http://news.dengeki.com/elem/000/000/147/147660/index-2.html
ここでの「今」とは、ep4発表直後のこと。
ここで言及されていることをまとめると、
・Ep4直後の段階で『Land of the golden witch』を公開した場合、真相でないものを真相だと思われてしまうだろう。
(「ひぐらし」の「綿流し編」だけを公開した場合、「魅音が犯人だ」とみんな思いこんでしまう。そのような状態が発生するだろう)
・Ep3で『Land of the golden witch』を発表していたら、「真相でないものを真相だと思う」段階にすら至らないだろう。
(「ひぐらし」で例えれば、「魅音が犯人だ」という間違った結論にすら到達できない人が続出するだろう)
以上のような要約ができるように思うのです。
つまり『Land of the golden witch』の正体は、
「真相でないものを、あたかも真相そのものであるかのように思いこませるギミック」
である。
より詳しくいえば、
「もっともらしいウソの真相を用意し、ユーザーがそこに行き着くように誘導する。ユーザーはその真相に満足するので、本当の真相は覆い隠される」
というようにわたしは推理しました。
このことはEp1~3の流れをみると、多少裏打ちできるように思います。『Land of the golden witch』は、本来Ep3として提示されるはずのものでした。
Ep1では、事件が発生する。
Ep2では、事件の真相にたどり着けなくする隠蔽工作がなされる。(幻想描写というノイズが入り出す)
Ep3の『Land』では、「ニセの真相」が提示され、そこに向けて読者が誘導される。(本当の真相は隠蔽される)
この流れを想定すると、「ホップ・ステップ・ジャンプ」という感じで、美しくミステリーが成立するのです。きっと、当初はこんな展開がプランニングされていたと、わたしは想像します。
ところが。Ep2を公開した時点で、幻想描写に負けて、「こんなの推理できねーよ」というユーザーが続出してしまった。竜騎士さんがインタビューでそんなニュアンスのことを言っています。
このまま『Land of the golden witch』をやっても、「ニセの真相」に気付いてもらえない。それではこのギミックはご破算だ。だから、Ep3で『Land of the golden witch』をやるというプランはお流れになった。だいたいわたしはそんな感じのことを考えています。
さて。
だいたいわたしが、これから何をいおうとしているのか、おわかりになったかと思いますが。
わたしはこの「Ep7をほどく」シリーズで、
「Ep7からは2通りの真相が抽出できる。わかりやすい紗音犯人説の裏側に、もうひとつ別の犯人説(朱志香犯人説)が隠されている」
ということを論述してきました。
わかりやすい犯人説の裏側に、もうひとつの真相?
つまり、ひとつの物語に対して2通りの真相があり、片方がわかりやすい場合、ユーザーはそれに飛びついて満足するので、もう一つは結果的に覆い隠される……。
というカタチでEp7をみた場合、これはわたしの想定する『Land of the golden witch』とまったく同じ構造なのです。
竜騎士さんはインタビューで、「『Land of the golden witch』をやってみようかな、という気になりはじめている」といった意味のことを言い出しておられます。(http://news.dengeki.com/elem/000/000/147/147660/)
ということで、この記事のタイトルのような結論がえられる。
「Ep7が『Land of the golden witch』だったのではないか」
そのようにいったん仮定してみると、いくつかピースがはまる感じがあるのです。
『Land of the golden witch』には、ウェルギリアスという男性キャラクターが登場する予定だったそうです。それがお蔵入りになったので、名前だけ借りた「お助けキャラ・ワルギリア」に変更された。
竜騎士07 いえ、当初の「Land of the golden witch」では、全然違う位置づけのキャラだった。名前もワルギリアじゃなく、ウェルギリアスだったんです。
――どんな位置づけだったのでしょうか?
竜騎士07 「Land of the golden witch」を発表する可能性があるかもしれないから、詳しくは言えませんが……。確か、当初は今のワルギリアとは似ても似つかない風貌。男だったこともあって、設定が迷走していました。
『うみねこのなく頃に Episode3 真相解明読本』P103
『うみねこのなく頃に』が、ダンテの『神曲』から、いくつかイメージをひっぱってきていることは有名ですが(そしてわたしは『神曲』を読んだことがありませんが)、ウェルギリアスというのは、『神曲』にでてくるキャラクター、「プブリウス・ウェルギリウス・マロ」さんのことでしょうね(実在した詩人でもあります)。ダンテをベアトリーチェのもとに導く案内人です。
Ep7には、クレル・ヴォーブ・ベルナルドゥスというキャラクターが出てきます。彼女は「犯人のアバター」、いわば仮面をかぶって正体を隠した犯人として、告白をします。
このネーミングは明らかに、「クレルヴォーのベルナルドゥス」を下敷きにしています。この人も実在の聖職者ですが、『神曲』にでてくるキャラクターです。役回りはウェルギリウスとまったく同一で、「ダンテの案内人」です。『神曲』は、前半をウェルギリウスが案内し、後半をベルナルドゥスが案内するような感じになっているそうです(あの、伝聞情報なので、正確には違うかもしれませんが)。
つまり、ザックリしたいいかたをすると、ウェルギリウスとベルナルドゥスはおんなじ役割のキャラなんだ。
だから、こういう想定ができる。
「Ep3で登場するはずだったウェルギリアスは、Ep7のクレルとまったくおんなじ役回りで使われるはずだったにちがいない」
「ウェルギリアスは、Ep3で登場した場合、“私が犯人である”と言い出して、事件の告白をする予定であった」
「しかしその内容は、魅音にソックリな別の誰かが“犯人は私です”と言うような感じのものであった」
「そういうEp3が想定されていたが、諸般の事情でお蔵入りになった」
「その後“今ならもうコレをやっても大丈夫”という判断がなされた」
「そこで、ウェルギリアスをクレルというキャラに変更し、Ep7で、『Land』とほぼ同等のギミックが展開された」
そんな感じに合わせてみると、だいたい綺麗。というお話でした。
ちなみにこの推理は、偽書オリスクシリーズの英恵さんのエントリに影響を受けて書きました。→ http://kisaragi48.blog27.fc2.com/blog-entry-33.html
たとえばウェルギリアスが告白する内容が「霧江犯人説」であったりする、というのは納得度が高いと思います。Ep3で霧江犯人説が提示された場合、Ep4からの縁寿の活躍とのつながりが良い、という議論は納得です。(これ自分で気づきたかったなあ!)
■目次1(犯人・ルール・世界設定)■
■目次2(碑文・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
え?そんな話でしたっけ?
>>定義確認。客室内とは、ベッドルーム、バスルーム、クローゼット内の3区分である。
>>『妾もその認識でいるぞ。 そしてすでにそなたは、ベッドルーム、バスルームの2区分で、誰も隠れていないことを赤き真実で確認したはずだ。』(赤字)
ベッド下に隠れるのは、この赤字に引っ掛かると思うのですが。ここには例の「認める」はありませんし。
(一連の「認める」系の赤字こそ、読者の目をそこに引きつけてミスリードさせるデコイだと思いますが)
あぁ…まぁ…いつものように自説に合わない赤字は無視でいいと思いますけど。
赤字宣言したのはエリカがバスルームへ入る前だから、その後エリカがベッドルームに戻った時には、隠れている場所の可能性はクローゼットもベッド下も両方有り得て、それに気づかずに片方に決め付けちゃダメみたいなことをエリカが推理してたじゃん。
一番盛り上がるクライマックスシーンなのになんで知らないの?
人のブログに文句言うのはしっかり読んでからにしろよ。
で勝手に思ったことなのですが、
ひぐらしだったら
EP1 レナ
EP2 ミオン
EP3 サトコ
EP4 リカ
というメインヒロインがいました。
今回読んで考えたのが
うみねこは本来以下のような構成だったのではないかということです。
子供組 大人組 ストーリー
EP1 真里亜 夏妃 王道ミステリー
EP2 紗音 楼座 ファンタジー侵食
EP3 朱志香 霧江 裁判
EP4 縁寿 霞 未来編
EP5 エヴァ 絵羽 エヴァ回
根拠は薄いですが妙にスッキリします。
赤字否定説のせいで何言っても何の説得力もなくなってる・・
制作者が想定した以外の遊び方をしてはならない、なんて決まりはありませんしね。
ちなみに毎度思うんですけど、気に入らないなら2chなり公式掲示板なりで言えばいいじゃないですか。
なんでわざわざ「Townmemoryさんの考察を読む為の」ブログに言いにくるんですかね。
何をどう考えようと自由ですけど、それを誰かに言いたいなら、場所を考えなよって思います。
そっくり同じ書き込みが公式掲示板の方にもありますし、探さなくても各エントリからリンク貼ってくださってありますから、そっちでどうぞ?
赤字を疑う発想が取れない人はそれができる人が恐いのな.
スクショでそういう場面が出たし.
100%ありえないと口では言っても内心ありえたらどうしようと恐れてる.
だから攻撃しにくるわけだ.
赤字が嘘だったら大多数が不正解で.頭のいい極少数が正解したことになるだろ.
だから考えを変えてもらいたいわけだ.極少数の頭のいい奴なんかいなかったことにしたい.
全員が不正解ならしょうがなかったことにできるから.
まさに"魔女がいるって認めろ".
内心赤字は信じれないかもしれないとびくついてるから "全員で信じて安心しよう"と言っている.
話は変わるがポチ君は他人の間違いを指摘したつもりが自分が間違えてたわけだが.
ブログの人に謝罪はないのかな.
まあ自分の非を認められる人間なら最初からあんな失礼なコメはしないか.
このおっちょこちょいさ・・・ポチ君・・・.
もしかしたら、赤字肯定と赤字否定の境界線はそれほどはっきりしたものではないかもしれません。
第一に、赤字を肯定する人は、赤字を遵守しながら不可能を可能にする方法、トリックを考える。私も含めミステリファンにとって、これでカタがつくならのぞむべくもない話です。しかし、どうもこれを乗り越えるトリックが発見されない現象が多々ある。
そこで第二に、レトリック的な解決を考える。つまり赤字を、主語の入れ替えや指示語の対象をずらす、といった形で、トリックの形成を妨げる要因を無害化する。いわゆる叙述トリックですが、少し前のミステリの流行りではあります。
しかし、このように形式的には赤字を遵守しながら実質的に赤字を無視する手法は、はたして赤字を肯定している状態と呼べるのか微妙になってきます。
その延長線上にあるのが、赤字の意義を正面から否定し、他の論拠を足掛かりにして議論を構築するという、赤字否定論であるように思うのです。そう考えると、あながち赤字を肯定すると主張する人々も、微妙な境界線の上に立っている方々が多いのではないでしょうか。赤字否定論を批判するには、赤字を守った上でのガチなトリック説明を必要とするように思います。
ちなみに私は赤字肯定派ですが、叙述トリックによる解決が妥当かなと思っている人間です。できれば、境界ぎりぎりでもミステリで終わってもらいたい。美しいかどうかは別にして。
赤字否定で物語が終結するとしたら、そこにはこの情報の飽和した世界において、何を正しいと判断するべきか? という、竜騎士さんの社会批判があるという、斜に構えた見方もできるかもしれません。
竜騎士こんなこと言っちゃってるけど大丈夫?
長年の推理お疲れ様でした
当ブログの読者の皆様、あけましておめでとうございます。べつに「どうか皆さん読んで下さい」という姿勢で書いているものではありませんから、よろしくお願いしますという常套句は言いません。まあ、新年だからといっておめでたくも思っていないのですが、そのあたりはサービスです。
さて、今年、わたしは、あるいは我々は、何を得ることができるでしょうか。
人間は、各人に見合ったものしか得ることができないのです。皆さんが「たったこれだけのものしか得られなかった」と思ったとき、それは皆さん自身のすくいとる手の小ささを示しているのです。
意識し、自覚し、思考することのみが、その限界の突破につながるでしょう。皆さんの健闘を、特に祈りはしません。わたしはわたし本人の健闘を、わたし自身に対して祈ることにしましょう。
それではしばし、おやすみなさい。