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重文支倉常長像 大泉氏の指摘―ロザリオ

2005-09-02 12:07:19 | 支倉常長
国の重要文化財の支倉常長像は写実的で人間の内面を見事に描き切っている。見る側が常長に対して抱いている感情や印象を納得させるものである。

後世の模造または改竄の可能性を大泉光一氏が示唆する根拠の一つであるロザリオの描写であるが、氏の指摘どおり、環を成していない。

一方、大泉氏が国立国会図書館で発掘した「支倉六右衛門常長齎歸品寶物冩眞」の肖像画ではロザリオは環状なのである。
後者は白黒写真ではあるが、絵画としては全体に稚拙な印象を与える。
しかし、ロザリオの描写は前者より正確である。

確かに、当時のヨーロッパの画家が、現在、支倉常長像として一般に流布された肖像画におけるロザリオのような描写はしないだろう。

大泉氏は多くの根拠を挙げながら、問題を投げかける。
原画とはほど遠い後世の模造ないしは改竄が重要文化財に指定されたままになっていることを。

科学的検証を行ってもよいのではないかと思う。
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