人の話を聞くのは半分寝ながらでもできることだ。
岸田総理のいう「きく」というのは、音として耳に入っている、ほどの意味なのだろう。
「聞く」ことは受動的な行為であるから、そこに力は発生しないのは自明である。話を聞くだけのことは、別に「ガス抜き」と称される。
力が発揮されるとしたら、他人の話を聞き、精査の上、問題点をつまびらかにし、課題解決に向けた方策を講じてからの話である。
残念ながら、現総理にリーダーシップというものを感じない。
一国のリーダーたる人物が着任にあたり、誇らしげに言い放った「聞く力」、ただの「ガス抜き」に専念するということか、と落胆したのは筆者だけではあるまい。