健二がまだ二十歳だった頃、仲の良かった女性がいた。真理である。ある週末に真理は健二の元を訪ねて来て熱っぽく語った。
「貴方と分かち合いたい喜びがある」
この真理の言葉に、健二は、
「ほういったいそれは・・・・・」
と尋ねると、
「ブルースリーの映画を一緒に見て、感動を分かち合いたい」
と言うのである。
かくして二人は、
「燃えよドラゴン」
を見に行ったのだった。この映はそれまでにない画期的な映画だった。
「主役がアジア系の男性」
というそれまでのパターンに無い映画だったのだ。
映画を見てからも、二人は興奮が覚めやらず、栓抜きなしで飲めるサッポロライトを飲みながらあの映画の感動を語った。
「真理の同級生も加わって話は盛り上がった」
彼女達の言うには、
「こんな素晴らしい俳優はいない」
と言うのである。
「健二君、真似をしてみて」
女の子たちのリクエストに応じて健二はカンフーのポーズを取った。
この時代、女子大生の三種の神器は、
「ブルースリーの写真、栓抜きなしで飲めるサッポロライト、井上陽水のカセット」
だった。
健二と真理は、燃えよドラゴンの後の作品も一緒に見に行った。
「とにかく感動」
この一言に尽きた。
大学を卒業後、二人が顔を合わす事はなかったが、三十年以上過ぎて二人は再会した。
「昔の映画を語る会」
に入会したらばったり会ったのである。
健二の言葉は、
「はじめまして」
だった。
真理も同じように、
「はじめまして」
と言葉を返してにやりと笑った。
「貴方と分かち合いたい喜びがある」
この真理の言葉に、健二は、
「ほういったいそれは・・・・・」
と尋ねると、
「ブルースリーの映画を一緒に見て、感動を分かち合いたい」
と言うのである。
かくして二人は、
「燃えよドラゴン」
を見に行ったのだった。この映はそれまでにない画期的な映画だった。
「主役がアジア系の男性」
というそれまでのパターンに無い映画だったのだ。
映画を見てからも、二人は興奮が覚めやらず、栓抜きなしで飲めるサッポロライトを飲みながらあの映画の感動を語った。
「真理の同級生も加わって話は盛り上がった」
彼女達の言うには、
「こんな素晴らしい俳優はいない」
と言うのである。
「健二君、真似をしてみて」
女の子たちのリクエストに応じて健二はカンフーのポーズを取った。
この時代、女子大生の三種の神器は、
「ブルースリーの写真、栓抜きなしで飲めるサッポロライト、井上陽水のカセット」
だった。
健二と真理は、燃えよドラゴンの後の作品も一緒に見に行った。
「とにかく感動」
この一言に尽きた。
大学を卒業後、二人が顔を合わす事はなかったが、三十年以上過ぎて二人は再会した。
「昔の映画を語る会」
に入会したらばったり会ったのである。
健二の言葉は、
「はじめまして」
だった。
真理も同じように、
「はじめまして」
と言葉を返してにやりと笑った。