二宮正治の随筆 ４月１日

「友達を失いたくなかったら野球の話と宗教の話はするな」
　と学生の頃先輩に言われたものだ。
だが、私の地元の広島カープは四連敗である。
「地方の球団は厳しいな」
　これが私の偽らざる本音である。
「日本は地方が死んでしまうとどうしようもなくなるが、今確実に地方は死につつある」
　これは動かし難い事実だろう。
さっきまで私は、今年高校を卒業した若者の相談に乗っていた。
「せっかく地元の大学に合格したのに、東京の学校に受けなおす」
　と言うのである。なぜと言う私の問いに、
「魅力が無い」
　と言う。
この若者の言葉を聞いて、
「地方の将来は、広島カープのように前途多難だ」
　と痛感した。
地盤沈下しているのは広島だけではないと思う。日本全国の地方都市はみな、
「広島と五十歩百歩」
　だと思う。
「地方の再生が日本再生への道」
　であると、私は思う。