ライプチッヒ音楽日記

ライプチッヒ生活を日常の身近な音の話や音楽を中心に紹介したいと思います。時にワインや絵の世界にも飛んでみたいと思います。

ふるさと

2007年07月25日 09時04分59秒 | 合唱曲
ドイツでの生活が早一年経ち、今日から2週間ほど、一時帰国することになりました。若いころ欧州に滞在したときと違って、物理的には生活はずいぶん楽になりましたが年をとった分、精神的には疲れました。そんなこともあり、安らぎを求めて私にとっての故郷は何処なのか?改めて問い直すうち、やはりあの歌が心の中で響いてきました。
そう室生犀星作詞磯部俶作曲「ふるさと」そうです、磯部俶なんですよ、作曲が。
改めて作曲者を意識しました。
亡くなられるまで、江東区のいそべとし記念男声合唱団の面倒を見ておられました。

ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて 異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや

いまだから、この歌の意味がはじめて分かるような気がする。
この歌に写真はいりません。

ハリーポッター発売

2007年07月21日 19時14分12秒 | ドイツの日常
ハリーポッターの最新刊がこの田舎のライプチッヒでも、同時発売されました。
テレビではロンドンでは長蛇の列ができたとか、ベルリンでは結構フィーバーだったとか結構報道しています。
でもはっきり言って、ここライプチッヒでは関心薄いなーー。
今日はトーマス教会でモテットを聞くつもりが、金曜日が夏休み前の最終回なのを忘れていました。
でも教会では結婚式が行なわれて少しですがオルガンも聴けたし、まあ良いでしょう。
というわけでちょいっと本屋によって気がついたわけですが。
ほんと今日が発売かと思うくらい人が集まっていない、日本のいつものあの騒ぎは何なのかと真剣に悩んでしまいます。

ライプチッヒのヴェニス

2007年07月20日 22時52分41秒 | ドイツの日常
ライプチッヒはドイツの都市としては珍しく市内に大きな川が流れていないのです。
その代わりというか、運河が結構あちこちあります。昔の工場地帯が今はオシャレなSPOTに変身して、素敵なレストランもあります。なかにはヴヴェニスばりのゴンドラに乗れるレストランもあるんです。これからの夏の週末のお勧め。
場所はライピチッヒの南部、PLAGWITZ地区NONNEN STRの一本裏手です。
ライピチッヒのヴェニス。そういえば、確か東京の江東区も東京のヴェニスとか称していたっけ。

バッハコアも夏休み

2007年07月17日 18時58分54秒 | 合唱曲
バッハコアも15日から9月はじめまで夏休み。ほんとにあらゆる物が夏休み。レストランも閉めて、どこかに行ってしまう。
ライプチッヒの南のはずれのグルデンゴッサ村にある、ニコライ教会カントールのユルゲンの家で、恒例のSOMMER FESTと称するバ-ベキュー大会。皆で持ち寄りでパーテイー。

写真は庭です。公園ではありません。3時集合で3時半ごろの写真で人数が少ないのは、まだ集まっていないだけ。皆のんびりしていて最後の人が来たのが7時。
女性はサラダ、ケーキ、男性はビール、ワイン金のない若者はバーベキュの焼き奉行と自然に分担が出来ている。

1911年に出来たこの建物がユルゲンの母屋です。

ここがユルゲンの練習室兼オーデイオルーム。
周りが森だからどんな大きな音で演奏しようが、聴こうがやり放題。
良いですね。うらやましい。

これが、かのヘルムート・ヴァルヒャから譲りうけたという、練習用オルガンです。

昨日から薄ら寒かったドイツに猛暑が戻ってきました、外ですから一日いて結構ばてました。気温は34度今日は38度ドイツ南部では40度とか。ほんとにドイツなのかなーー。なんとかしてよこの暑さ。
練習仲間の皆とは9月4日の練習まで、しばしさよなら。

ライプチッヒ大学合唱団

2007年07月14日 19時19分58秒 | 合唱曲
今日はトーマス教会の土曜日の恒例のモテットにライプチッヒ大学合唱団が出演するというので聴きました。J.S.BACHのオルガンSINFONIAで始まり、モテットBWV227,Max
RegerもMein Jesum Lass ich nicht,BachのカンタータBWV 27.
合唱は母音の響き、子音による言葉の表現いずれも素晴らしかった。T,P,Fの子音はこれでもかといわんばかりに響いてきました。指揮はライプチッヒで最近の評判David Timm。BWV 227がオリジナルオルガンの前で演奏、BWV27はBACHオルガンの前に移って演奏。いままでこのような形式ではトーマス教会では演奏されたことがないのでは。こんなすばらしい演奏が毎週気軽に聴けるのは幸せです。
Max regerのこの曲はオルガンとviolin2丁の伴奏でしずかで透明感あふれる美しい曲です。どこかフランスの香りが漂う気がします。彼はライプチッヒ大学の音楽監督を1907-8にわたって勤めており1916年ライプチヒでなくなっています。そのためライプチヒではあちらこちらで彼の曲がよく演奏されます。


ところで、ライプチッヒ七不思議その2でご紹介した、ストリートミュージシャンのブロックフレーテのおじさんが、なんとこのモテットの演奏会を聞きにきていたのです。本当に楽しそうに、体をゆすって聞いている姿も見ると、本当に音楽がすきなのだなと、感じました。みすぼらしい姿と美しい内面が共存する。矛盾ですね。
ふとシューベルト「冬の旅」終曲「老楽士Der leiermann」がダブりました。

ライピチッヒ音楽大学

2007年07月13日 03時14分50秒 | 合唱曲
ドレスデンゼンパのコーラスALTのHさんの紹介で、ライプチッヒ音楽大学(HOCHSCHULE FUER MUSIK UND THEATER FELIX MENDELSSOHN BARTHOLDY LEIPZIG)のB教授にレッスンをお願いすることになりました。
68歳のおじいさんですが、素晴らしいこえの持ち主で、言葉も出来ない見ず知らずのものに、優しく教えていただきました。
内容は目新しいことはありませんでしたが、今まで正確に把握できなかったことが、こういうことなのかとひとつひとつ再発見できてとても楽しい瞬間でした。
ドイツリートは当たり前すぎますが、まずドイツ語。ドイツ語が出来ないものが歌を習おうとするには、相当に無理があると感じました。
でも何よりも、歌は楽しく歌いましょうという先生の言葉が救いで、何よりもうれしかったです。
ピアノの伴奏をお願いしたのは日本人でAさん。
数少ない日本人の知り合いが出来てまたラッキーでした。

ライプチッヒ七不思議その5 菩提樹

2007年07月12日 20時52分36秒 | ドイツの日常
菩提樹といえば、なんと言ってもシューベルト「冬の旅」5番「DER LINDENBAUM」でしょう。ここライプチッヒの地名は、かの昔7-9世紀に当時の蛮族といわれたスラブ系ソルビア人が菩提樹のもとの地Lipzikと称したころの地名から発したとも言われております。
しかし市内には特別に菩提樹を見かけるわけでもありません。ベルリンのウンター
デンリンデンのように地名のとおりの菩提樹の並木があるわけでもないのです。
LINDEN STRという通り、確かに市内にありました。でも北の外れ、空港に近い住宅街の中にひっそりとあるのです。
またLEIPZIGのMUSIKALISHE COMEDIEという劇場はオペレッタ専門劇場ですが、この地名がDREILINDEN STRでも、とくに大木のLINDENBAUMがあるわけでもなし。
不思議だ。
そういえば、トラップ一家の物語のサウンド・オブ・ミュージックの原作は菩提樹という題名だったと思います。
変わったところでは、菩提樹の葉は発汗作用があり風邪のときに飲む薬用茶としてお茶のコーナーで売っていました。

写真は冬の旅の楽譜、音楽の友社刊、昭和42年初版いつか歌いといつも携えている楽譜です。

ライプチッヒ七不思議その4(オペラ座にオーケストラがない)

2007年07月12日 19時36分37秒 | オペラ
オペラ座は現在改装中で今シーズンは閉館、来シーズンも10月から上演となんとものんびりしています。このオペラ座には専属オケがありません。というのもすぐ前のAUGUSTUS PLATZの反対にあるゲバントハウスが兼ねているからです。
因みにRICCARDO CHAILLYが2005年からゲバントハウスとオペラの音楽監督を兼任しています。しかしゲバントとオペラの運営はこれまた全く違うのです。
ゲバントが買いたいのなら買いに来いと言わんばかりの態度なのに比べ(たとえば
年間会員の購入は月-金の12時から18時までしかOPENしていない。勤め人はこなくていいと言うこと?)オペラのチケット窓口は年間会員ん申し込みも含めて20時までOPEN。
大きなホールが2つあってオケがひとつというのも珍しい。しかしゲバントは3編成くらい出来るメンバーがいるので当然なのかもしれません。
ドイツのオケは一度契約すると、終身ですから。いいですね。
この写真のオペラのアングル良いでしょう。これはゲバントハウスの中から見たオペラですから、チョット変わったアングルです。

ライプチッヒ七不思議その3(前面キャンバスの建物)

2007年07月07日 06時39分33秒 | ドイツの日常
写真の建物はライプチッヒの一番目立つ場所にある建物で、しかも空き家です。むしろ廃墟といったほうが正しいでしょう。2006年のワールドカップでは、ライプチッヒも旧東独の中から会場として選ばれて、結構な海外からの旅行者も訪れたそうです。中央駅からほぼ右手正面に、また北からの(ベルリンから)の高速道路で市内に入ると正面に見えるのがこの不思議な建物なのです。
さすがに、一番目立つ建物を廃墟のまま、世界にさらすわけにいかず、アートでラッピングすることにしたようです。
作者はミヒャエル・フィッシャー。
ライプチッヒはポップアートの世界では、世界のひとつの中心らしいのですが、1969年生まれの彼の作品は市内のあちらこちらで目を引きます。
特に市内のインフォメーションでは全面的にかれのデザインを採用していますので、パンフレットはじめあらゆるところでこの手のアートを目できます。
しかしいつになったらこの地区の再開発が始まるのですかね。不思議だ。

ライプチッヒ七不思議その2(ストリートミュージシャン)

2007年07月06日 22時13分25秒 | ドイツの日常
ライピチッヒにもストリートミュージシャンがたくさんいます。どうも常時同じ場所で同じ人物が演奏するケースと、街々を渡り歩く人と2種類ありそうです。
その中でこの写真の人物は、いつもトーマス教会やニコライ教会の横のカフェーのあたりで演奏しています。フルートとリーコーダーの人物は普段別々に演奏していますが、たまに一緒に演奏することもあるようです。(あがりの分配はどうするのですかね?)フルートの人もかなりの腕ですが、このリコーダのおじさんは只者ではない。なにせ小学校でわれわれが使ったような、プラスチックのリーコーダで難曲をいとも簡単に軽快に演奏する。前に置いた空き缶に1,2ユーロ硬貨が小気味良い響きで次々にはいっていく。しかしこれだけではないところが面白い。このおじさん、ジャグリングをしながら、笛を吹く、しまいには其の笛もジャグリングしつつ時に空に舞いながら吹くのですよ。なんとも。まあ、町の人気者ですね。
でも、このおじさん冬は全く見かけない、どこで何をしているのか?不思議だ。

トーマス・クヴァストッフ

2007年07月06日 21時58分21秒 | オペラ
Thomasu Quasthoff(トーマス・クヴァストッフ)の冬の旅のCDを聞きました。
透明なあまい声、母音で変化しない響き、どこかでこんな声を聴いたぞ。そうだ
フィッシャー・デスカウに近い。
当地では、よくテレビの音楽番組にも出演して、その容姿を拝見する機会がたびたびあります。彼はサリドマイドのために、四肢が極端に小さく、普通人よりもまた肺も小さいのだそうです。見かけ頭もうすく、とても歌手の華やかさは風貌からは感じませんが、いったん声を発すると、その奥深さ、声に乗せて表現する心の広さ、深さに聴衆は息を呑むのです。
若いころは、冬の旅のあまりの暗さ、寂しさに近づきがたいものを感じていました。しかし、今聞くと、自らの経験のなかにいくつかの合一点を見つけることも、共感することも出来、この曲の素晴らしさを素直に感じることができます。
冬の旅の最後の23番DREI SONNNENN、24番のでDER LEIERMANNはいいな。
切々とPPで、ああーー言葉にならない。聞いてください。

指揮者ゴロー・ベルク

2007年07月03日 00時18分53秒 | オペラ
アンハルト州立デッサウ劇場の常任指揮者のGolo Berg(ゴロー・ベルグ、われわれ現地日本人ファンの間では、ごろーチャンと言っております)はならず者揃いのデッサウ劇場オケの指揮者として苦労をしていますが、丁寧でやさしいあの指揮ぶりは、きっと日本のオケにはピッタリだろうと思っていました。最近やはり日本からいろいろとお呼びがかかっているようで、8月24日に神奈川フィルそして10月14日にはなんと東京交響楽団をミューザ川崎で振るというではないですか。ミューザではベートーベンの運命がメインのようです。デッサウでは年間会員でもあり、ぜひ応援したい音楽家の一人です。

ライプチッヒ七不思議その1(青い配管)

2007年07月01日 10時33分34秒 | ドイツの日常
ライプチッヒには私のような外国人にはなんとも奇妙に感じる不思議なものがあります。7つあるか分かりませんが、いくつか紹介したいと思います。
まずは、写真のこれ。なにか?おわかりでしょうか?

この奇妙な配管が街中に張り巡らされており、景観上もなんとも不細工ですし、道路を塞いで通行上も迷惑。なにかなーと思っていました。最初は都市集中暖房配管の臨時配管かと思いましたが、どうも違う。
これは現在のライプチッヒ中央駅とバイエリッシャー駅の間を地下鉄化する工事の
排出された泥を運搬廃棄するための配管」なのです。日本ではこの手の工事手法は
あまり取らないのでは?
この工事はEU,ドイツ政府、ザクセン州、ライプチッヒ市の総力を挙げて取り組んでいる工事ですが、完成は?と聴いてもだれも明確に答えない,こたえられないのがなんともドイツ。あと4-5年のうちには完成するらしいのです。

町の中心にコンテナを改造したインフォセンターがあってここで工事の概要を見ることが出来ますが、やはり完成時期は何処にも書いていない。不思議だな。