ライプチッヒ音楽日記

ライプチッヒ生活を日常の身近な音の話や音楽を中心に紹介したいと思います。時にワインや絵の世界にも飛んでみたいと思います。

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」・リングを聴き終えて その3

2008年01月31日 21時47分21秒 | ワーグナー
神々の黄昏の冒頭登場する、ノルンたちが紡ぐ「運命の綱」のごとく、このニーベルングの指輪の登場人物は、登場し、また消えて行き、複雑に絡み合っていきます。そして主な配役のほぼ総てが死んでいくのです。
4部作すべてに登場して歌う役は,
ひとつとして原作にないのが面白いところです。
4部作中、最高はアルベリヒ、ボータン、ブリュンヒルデの3役がそれぞれ3つの作品に登場します。今回のドレスデンの演出では、この物語の主役中の主役のボータンを台詞はありませんが原作にない「神々の黄昏」に登場させています。やはり物語を紡ぐ大きな糸が一本欲しいということなのでしょうか?

ワーグナーの「ニーベルングの指輪・リングを聴き終えて その2

2008年01月30日 18時04分10秒 | ワーグナー
なにせ曲の長さだけをとっても空前絶後、聴き終えるだけでも、聴衆にとっても空前絶後。とても通りすがりでは、聴き通すことは出来ません。やはりワグナー教の信者「ワグネリアン」でなければ。一応にわかワグネリアンの端くれに今回で入れていただけましたでしょうか?「ニーベルングの指輪」4部作の上演時間を見てみると「ラインの黄金」2時間30分(150分)ヴァルキューレ3時間40分(220分)ジークフリート3時間50分(230分)神々の黄昏4時間20分(260分)合計上演時間のみで14時間20分、休憩時間や移動時間を入れると、どれだけの時間を費やさねば、これを聴きとおすことが出来ないのか、気が遠くなるような作品です。しかし作品の上演時間だけをみても4部作としての構成、重みつけを読み取ることが出来ます。4部作の終末に向けて傾斜したエネルギーの頂点に立つ「神々の黄昏」は、其の構成内容とも単独で聞いても十分すぎる作品ではあります。しかし今回3部作を聴いた後だからこそ、「神々の黄昏を聴く意味があるのだと感じました。

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」・リングを聴き終えて その1

2008年01月28日 16時54分00秒 | ワーグナー
昨年の5月にケムニッツの劇場でリングが上演され、その機会にジークフリートのみを聴くことが出来ました。そのときから、いつかリング全曲を聴いて見たいという、小さな夢を抱き続けて今回実現したわけです。
まったく内容についても知識のない状態から、有名なブーレーズのDVDを購入してまず、概要を頭に入れ、粗筋は音楽の友社の「スタンダード・オペラ鑑賞ブック4、ドイツオペラ下」と山本一太著「はじめての指輪」を結構何度も読ませていただきました。お陰で今回少しは内容が理解でき、楽しめたと思います。このリングの虜と申しますか、病み付きともうしますか、嵌ってしまうファンの気持ちも、今回聞き終わって些かながら理解できる気がいたします。
今4日の公演のプログラムやチケットを並べて子供のように宝物にしている自分を発見しました。

ワーグナー「神々の黄昏」 ドレスデン

2008年01月28日 09時49分42秒 | ワーグナー
いよいよワーグナーのリングも今日の「神々の黄昏」で完結です。今日も朝から雨模様です。リング最後の公演に遅れてはならじと、結局17時公演に先立ち14時にライプチッヒを出発しました。今日はジークフリードまでと指揮者Peter schneiderからLothar Zagrosekに出演者でアルベリヒがTomasz KoniecnyからHartmut Welkerへと異なります。またファーゾルトを演じたMatti Salminenがハーゲン役で登場しました。したがってどのように全体の流れを壊さず、今日の公演としての色が出てくるのかが楽しみでした。またこのリングに始めて登場する合唱がどうなのか?にも注目。
結果はやはり前評判どおり、ハーゲン役のSalminenが素晴らしく、すっかりジークフリートやブリュンヒルデの影が薄くなってしまったほどです。カーテンコールでもひと期は大きな拍手とブラボーコールが贈られていました。ジークフリートが指輪を奪いに行くシーンでは、右手袖でホルンソロが登場したり、3幕では左手袖で角笛をソロで出したりと飽きさせません。
配役の中ではグートルーネが太りすぎで、動きがタプタプしていて鈍く、他の配役の足をひっぱて居たのかな。今回ほんの少ししか登場しない、アルベリヒは演技力、声の力に並々ならぬものを感じました。出番の少ないのが残念。
ジークフリードまで全く登場しない合唱が、満を持して登場。しかし男声が主で、女声は本当に一声のみなのが、いかにもワーグナーらしい。
最後のブリュンヒルデの自己犠牲の場面やワルハラ炎上はいまひとつスペクタクルに欠けるけれど、十分に感動させてくれました。最後ハーゲンがラインに飛び込むのでなく、グートルーネに槍で刺されて死ぬという解釈はむしろ自然でした。
4日をかけて鑑賞したリングはあまりにも重くて総括するには少し時間がいりそうです。家に辿り着いて、ホットして黒ビールの栓を抜いたのは夜半12時でした。
今日はリング疲れでお休みにしました。

ライプチッヒ バレエ UWE scholzに捧ぐ

2008年01月26日 22時19分34秒 | バレエ
タイトルを勝手に捧ぐとしましたが、ライプチガーに愛され、尊敬を集めたライプチッヒバレエのDIRECTOR UWE SCHOLTZの演出作品の中からの名場面集です。勿論プリマは日本人の大石舞子さんそしてドイツ人で旦那のAngerMaierさんのも出ておられました。1994年に急逝したUWE SCHOLTZは1958年生まれ冷戦時代に西ドイツから東独時代のライプチッヒに来て前衛的なバレエを演出、ライプチッヒ市民から今なおバレエファン以外からも名前を聴くほど、この街にとって大事な歴史的人物なのです。今日は彼の振り付けの作品をピアノ伴奏、ピアノとチェロ伴奏そしてゲバントハウスの3つの異なる伴奏で見ることが出来ました。チェロの伴奏は歌うようで、本当にバレエとぴったりでした。大石さんの踊りは其の繊細さにかけては他のダンサーとは群を抜いており、彼女の踊りを見に来ているという拍手に包まれていました。
この田舎町にも素晴らしいダンサーがおります。応援してあげてください。

ヴェルデイ「LA TRAVIATA」

2008年01月26日 08時07分17秒 | オペラ
前回は昨年の12月27日に同じ演目を同じ会場で見ています。短期間のうちに同じ演目をほぼ同じスタッフで聴く、初めての贅沢です。前回は2階バルコンの下だったせいか?あまり声が通って来た記憶がないのですが、今回は2階バルコン席なので遠くても、かえって声がよく聞き取れました。やはり席によってぜんぜん感じ方が違う、すなわち値段の差だけのことはあると感じました。しかし同じ価格帯の席でも聞こえない席もありますね。
今回も満席。加えて明らかに音楽、演出関係者、が多く居られたせいもあり、皆さん前回公演よりも力が入っていて、楽しく聞かせてもらえました。
おとなしい観客が多いここライプチッヒには珍しく,
ブラボーが飛び交っておりました。やはりこの白と黒で統一したシックな今回の演出はかなり評判を呼んでいるようです。私はこの演出が非常に印象に残っています。この劇場のレパートリーとして残っていく気がします。

ドイツレクイエム

2008年01月26日 07時03分07秒 | 合唱曲
2月1日がブラームス生誕175周年だそうで、ここLEIPZIGの音楽大学でもブラームス関連のコンサートが目白押しです。
今日は19時半からのドイツレクイエムを聞きました。ライプチッヒ音大のオケと合唱ですが、正直言ってうまくはありませんでした。でもやはりドイツ語は母国語ですからしっかり聴こえてきました。オケのなかに、普段見かけない人を発見しました。男性のハーピストです。初めてみました。ソロはSOPがJULIA SOPHIE WAGNER BARがJI-SU PARKいずれも将来が期待される新進気鋭のソリストです。
BARは少し線が細いかな。でもマスクも良いし、今後人気がでるかも。

最後のレッスン

2008年01月25日 22時54分00秒 | その他音楽
都合でB先生のドイツリートのレッスンも今日が最後となりました。素人で覚えの悪い生徒を根気よく教えていただいた先生にただ感謝するばかりです。いままで、自分勝手に思っていたことが直接いくつか、確認できたことは大きな収穫でした。しかし必ずしもそれが実際の歌唱に生きて居ないのは歯がゆい限りです。
最後のレッスンの教材に選んだのは、シューベルト白鳥の歌からセレナーデです。
昔々、大学時代に先輩がこれを歌っていて、いつか歌えたらとここに秘めていた曲です。何せヤタラEが出てき、少し声域が高すぎるのですが、あえて挑戦しました。今日は少しは歌えたのかなと自画自賛でした。

ゼンパーオーパー 紹介 その6

2008年01月23日 21時53分18秒 | オペラ
ゼンパーの舞台上部にある時計です。緞帳の上に配置されて、5分刻みで表示されます。とくに長丁場のワグナーものは時に時間も気になりますが、舞台を見ながら
さりげなく時間を知ることができて重宝しています。宮廷機械職人のグートケースが製作した時計を、ゼンパーの息子が一部装飾を加えて、内部も歯車から電子式に改装されているそうです。

バッハコアの世代交代

2008年01月22日 22時26分05秒 | 合唱曲
今回からしばらくユルゲンボルフはBACHCHORの指揮をしない。理由は判然としないが、イタリアから来てワイマールで指揮を勉強中のDanide Squeoが3月まで指揮を担当することとなった。ドイツ語が私同様、問題山積で、指示がうまく表現できないのが多少問題だけれど、その若さが総てをカバーしてくれます。

ワーグナー「ジークフリート」 ドレスデン

2008年01月21日 21時22分30秒 | ワーグナー
ドレスデン-リングシリーズの第3日目、普通は初日はカウントしないので,
2日目となるのでしょうか。最近のライピチッヒは一転してかなり暖かく,
昨日の最高気温は13度でした。高速道路休憩所で見かける桜はもう一部花が開いていました。夜11時半帰宅時にも12度ありました。今日は日本流で言う4階席で聴きましたが、ボータン、ミーメ、ジークフリート、アルベリーヒ、いずれもしっかりと響いてきました。本当にすごい歌手がそろっています。今日までの3日の配役、指揮者は同じメンバーです。演出の特徴である固定された舞台上の椅子席がようやく、3幕で登場しました。このジークフリートには熊と大蛇が登場します。これをどのように表現するのかが興味のまとですが、熊にはがっかり、と言うかいささか呆れました。市販の大きな熊のぬいぐるみを、ジークフリートが抱えて登場したからです。ミーメがジークフリートに恐れを教える場面では指人形が登場しました。全体の前衛的な演出とくらべて、熊と指人形は違和感を覚えました。
この作品の中で始めて女性が登場するのは、小鳥の声です。ずっと男ばかりのバサバサした色合いの中で、女声がはじめて登場するわけで、ここは透明で美しく安心して聴けるSOPがほしかったのですが、高音部がかすれて残念でした。
今日は一階席は満員でした。2階以上は2-4割方は空席がありました。
今日はこの3日で最も多くの日本人の聴衆をお見受けしました。20人は居られたと思います。長丁場のジークフリートを聴き終えるだけでも、一仕事。満足感は数日後にジンワリと感じられることでしょう。リングシリーズも最終日27日を残すのみとなりました。

ゼンパーオーパーバル

2008年01月21日 00時45分30秒 | その他音楽
一昨日18日、第3回復活ゼンパーオーパーOPERA BALLが2000人以上の参加者を集めて行なわれました。有名なウイーンのBALLと同様の形式で、ガラコンサートとDEBUTANTによるダンスが開催されました。男性黒タキシード、女性赤イブニングドレスの社交界デビューを果たす、16歳から25歳の男女の繰り広げるバルは瑞々しく華麗、場外のオペラ前広場には1万人が集まり、正面の大スクリーンに見いっていました。最後はゼンパー屋上からの華麗な花火を堪能。この様子はテレビで拝見しました。

ゼンパーオーパー 紹介 その5

2008年01月20日 13時07分09秒 | オペラ
ゼンパーオーパーに向かって左手、宮殿側を階段を降りていきますと、左手にゼンパーのレストラン、右手に楽屋が見えてきます。因みにこのレストランはあまり評判を聞きませんのでお勧めはしません。練習や着替えは皆この右手の建物の中で行なわれます。皆さん大きな楽器を担いで、雪の中でも果敢に出勤されていました。寒さのせいもありますが、日本と違って、この楽屋口で出待ちをする方をほとんど見かけません。さあ今日はジークフリートをゼンパーで聴けます。そろそろ車のエンジンをかけるとしましょう。

ゼンパーオーパー 紹介 その4

2008年01月19日 16時10分16秒 | オペラ
ゼンパーオーパーの内部で一際輝きを放っているのが、この日本流の2階を飾る装飾と大理石です。何といってもこのイオニア式の緑色の大理石の列柱の美しさは、ご覧になった方の記憶に長く残ることでしょう。写真ではきれいに移っていませんが、案内書によりますとこの列柱は2本一組のうち、片方は人造大理石、片方は漆喰とのことですが、近くで見ても私には其の違いを判別することが出来ませんでした。エルベ川と宮殿側に同じ構造が存在します。そこかしこに椅子が配置されて、
何処でもくつろげるのが、構成の暖かさを感じさせます。

日本大使館での新年会

2008年01月18日 19時34分41秒 | ドイツの日常
ドイツでは大使館がベルリンに、領事館がハンブルグ、デユッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘンにあるそうです。(全部を訪れたことがないのではっきりしませんが)それぞれ地域の日本人を集めて一月に恒例の新年会、正式には名刺交換会を行います。今春も招待状が参りましたので、管轄のベルリン大使館に出かけてきました。日本酒はもちろん、おいしいシャンペンを頂き、おせち、お雑煮、お寿司と、普段のライプチッヒの生活ではお目にかかれないものばかりで、久々におお食いしてしまいました。会場には仕事関係の方々よりも芸術、とくに音楽関係者が多く、来ておられました。ライプチッヒからは、ライプチッヒバレエのMさん夫妻(旦那さんはドイツ人ですが日本語が堪能)、デッサウの歌劇場からはオケ、ビオラのM、Iさん、ベルリン国立歌劇場のKさん夫妻たちと久々に音楽談義を日本語でできました。