ライプチッヒ音楽日記

ライプチッヒ生活を日常の身近な音の話や音楽を中心に紹介したいと思います。時にワインや絵の世界にも飛んでみたいと思います。

ローエングリーン

2007年04月15日 16時25分39秒 | Weblog
人口25万人のドイツの中堅都市ケムニッツのOpera劇場で14日上演のローエングリーンを見る機会を得ました。ケムニッツは都市としては、観光と言う面からはほとんど見るものがなく、旧東ドイツ時代にカールマルクスシュタットという名前で呼ばれていた名残の巨大な頭像が目立つくらいでしょうか。
劇場は新装なってまだそれほど時間が経っていないと思われ、700席ほどの席数ではありますが設備は最新式でセンスもよく、椅子も座り心地がよく各席に傾斜が程よく配置されていて、後ろの席でも音響も含めて遜色なく聴くことができる素晴らしいホールかと思います。
この劇場での初めてのOperaを見させていただいたわけですが、この都市の規模にしてはと言ったら失礼かもしれませんが、とても質の高い聴衆で満席。当たり前のことですが、劇場は聴衆が作るもの、センスがよく質のよい、音楽に理解の深い暖かいこの聴衆をもつ劇場だからこの劇場の新装も実現したことでしょう。
ローエングリーンの演出はなんと表現するのでしょう。ネオクラシックとでも「言うのでしょうか。衣装は完全に現代風でもなくまたクラシックでもない。
私の趣味ではアクセプタブルなアレンジでした。ただしこのオペラの煌びやかな
部分は少し不足していましたか。回り舞台と立体的な舞台装置をうまく組み合わせて歌手が浮遊するかのような面白い感覚を感じさせていました。ただし2階部分での演奏が後半多くて前の聴衆の方は首が痛くなったのではないでしょうか。
しかし白鳥の騎士らしさがあまり装置、演出から見えなくてすこしがっかりですか。でもローエングリーンのCharles PIERCEは身長も高くとても優雅で雄雄しく素晴らしかった。その他出演者総てよかったのですが、特に大人数の男声合唱は素晴らしかったあれだけの人数をそろえるだけでも大変だと思いますが、素晴らしい歌声をありがとうと言いたいです。
Barezaの棒も生き生きとしていてバンダのフォルテとピアノのコントロールは素晴らしかった。弦の響きも繊細ではないが伸びやかな響きはすがすがしく、魅了してくれました。素晴らしい演奏にカーテンコールがつづき、スタンデイングで聴衆も
またこたえ、帰りの車の中でもまだその残響が頭の中で響き渡り、家に帰りくまでの1時間まったくラジオやCDをつける気にならないほどでした。
また近いうちにぜひこの劇場を訪れようと誓いました。