ライプチッヒ音楽日記

ライプチッヒ生活を日常の身近な音の話や音楽を中心に紹介したいと思います。時にワインや絵の世界にも飛んでみたいと思います。

ペトリューシュカ・火の鳥 in Bremerhaven

2007年04月29日 23時07分53秒 | Weblog
28日はBremen特別州の飛び地であるbremerhavenの州立劇場に出かけてバレエ「ペトリューシュカ・火の鳥」の初演を見ることができました。ストラビンスキの音楽にVanaevが新演出したもので、超満員の盛況でした。Bremerhavenまで片道450km、3時間半のドライブはすがすがしい天気にも助けらて快適。今回のプルミエ公演にはBremerhaven在住のピアニスト スエマツ ユミコも出演。ご主人はちなみにオケのオーボエのスエマツ ケイジ。実は公演の横の席にスエマツさんのお嬢さんお二人が座られたので教えていただきました。今回の公演のハイライトは火の鳥役のプリマタケタ マキの演技と今年この劇場に採用された新人Yが主役としてペトリューシュカをどのように演じるかですが、
溌剌としたエネルギーあふれるYの演技は終始観客を圧倒。技のキレ、テクニックも出演者の中で群を抜いており、今後この劇場のプリンシパルとしての地位をいきなり今回の公演で確立した感があります。カーテンコールは5度。暖かい住民の暑き拍手がまだうっすらと夕日を残した町にいつまでも響きわたっていました。火の鳥の父役は権威、伝統、格式の象徴でありペトリューシカは反対に自由、奔放に生きている。その舞台設定のためにVanaevは日本文化からいくつかのヒントを取り入れているかのごとく見えます。火の鳥の父のその髪の毛は武士のちょん髷を模しているのではないか?ペトリューシカの出だしはボストンバックを下げたフーテンの寅さんではないのか?いつかVanaev氏と語り合える機会があれば確認したいところです。(ごらんになっていない方には何のことか理解できないと思います、すいません)
ところで、コンサートの後で小腹がすいたのでこの町の漁港にあるレストラン「A.Hennersdorf」で食事をしました。北ドイツの漁港ですから、お魚は抜群でした。カツオのステーキもタラのソテーも新鮮で絶品。ワインのストックも多くサービスも気持ちよく、二人で50ユーロはリーズナブルといえます。

また、bremerhaven州立劇場にはオケ3人専属コーラス2人、バレエ2人の7人もの日本人が居られます。これほどの日本人の集積度の高い劇場はドイツの中でもないのでは?この町は海洋学のメッカのようで研究所には多くの日本人の方も居られ、また水産関係者方もおれらる様でした。しっかりしたコミュニテイーを日本人の方々が維持しておられる様でうらやましい限りでした。

ゲバントハウス 大ホール

2007年04月29日 21時57分48秒 | Weblog
金曜日の朝知り合いのピアニストのXさんから突然のお誘いがあり、27日夜に急遽ゲバントハウス大ホールでの演奏会に出かけました。ゲバントハウスの大ホールでのコンサートは今回が初めてです。PerleのAdagioに続いてRadu Lupuのピアノでベートーベンのピアノ協奏曲4番そして、シェーンベルクのペレアスとメリサンデというなんとも盛りだくさんで、意欲的なプログラムでした。Radu Lupuは今回初めて聴く機会を得たのですが、素晴らしい演奏でした。なにせピアニシモがすばらしい。
新雪の上にそっと真珠を乗せるようなタッチ。歌うかのごとく流れるフレーズ。
あっというまに演奏が終わってしまったという印象でした。
髪の毛はもさもさ、ひげはボサボサの一見寝起きのブラームスのごとき外見とは全く異なる繊細緻密な言葉に表せないレベルの演奏でした。たくさんのファンがつめかけ前半に設定のプログラムにかかわらず、カーテンコールが数えられないほど続き、前半のプログラムでは異例のアンコール演奏をしてくれました。
ところでゲバントハウスのピアノは舞台中央からせり上がりで出てきますから。移動による調律の狂いにピアニストが神経質になる必要もなく、素晴らしいしシステムと感心しました。(ピアノはスタンウェーでした)日本にもこんな劇場ありましたっけ。ご存知の方教えてください。サントリーは残念ながら袖からガラガラ押してピアノを出します。
ゲバントハウスの弦は荒馬の集団のごとき荒っぽい面もありますが、今日に限っては繊細で素晴らしかったです。特にシエーンベルクは現代音楽特有の弦の音が
ハーモニーに包まれることなく生で出て行く箇所が随所にありますから丁寧に引いてもらわないと聴けません、ずいぶん練習して揃えてきたなと感じました。指揮Zinmanの丁寧な指揮は秋山さんを思い出しました。
素晴らしい演奏会の後の夜風はまた格別です。