横濱kabitanの、あれこれ話

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日米コミックス比較⑩

2009年11月05日 06時14分06秒 | 海外マンガ研究

-続き

●〔Tokyopop,自社サイトのみ発売(英語でアニメマンガ-2006.8)〕
『一昨日から昨日にかけて,英米マンガ関連ブログはこの話題で一色。
 それは,TokyopopにICv2が取材した際に発表されたビジネス新方針でそれによると,自社サイトのみで売られる事になったマンガは現時点で米・韓・日/産マンガが17作品。
 現在売れ行きが芳(かんば)しくない,もしくはこれから出しても売れ行きが見込めないと思うマンガをワザワザ,一般書店・コミック専門店に出す事をやめたという事らしい。
 これによって,部数が多く見込めない作品でも中間業者に払う分が減り,利益率が上る。更に〝サイト限定発売”という標語が付く事で,もっと注目されるべきなのに売れ行きが伸びていないと考える作品の宣伝にもなるという訳。
 最近,運営サイトは大きく変わり一種の交流場になっている。そこに,〝サイト限定発売マンガ”を置く事でアクセス(訪問)数を増やし,このサイトを北米マンガファン交流の中核として機能する事を念頭においているようだ。
 書籍タイプでの発売との事。

 この取材記事がネットに載るや,英語圏ネット上で大論争となり取材側のICv2も3人のコミック専門店店主の意見を載せている。
 その内,2つ。
≪支持-
 毎月沢山のマンガ出版される現状で,書店の棚スペースも限られている。
 出版側の多少の方針変更は止むを得ない。これからも続く作品の場合,売れない事で途中で打ち切られるよりもどんな形でも出版される方が良い≫
≪反対-
 コミックス専門店はマンガの売上に多く貢献していないとは言え,〝サイト限定作品”を発売するのは専門店を切り捨てる行為。地元のコミックス専門店で,マンガを買うのが楽しみにしている多くの読者の楽しみを奪う≫』
●〔米国出版デルレイ,米国産マンガに進出(アニメアニメ-2007.2.1)〕
『大手デルレイが,米国産マンガでカナダ出身人気ロック歌手と共同制作-悪魔に苦しむ主人公を助けるのがそのロック歌手・・・と,いう内容。

 デルレイは,米大手出版社ランダムハウス系コミック出版社。近年,親会社ランダムハウスと講談社が事業提携をしている事から,講談社モノが多い。出版点数は,VIZメディアやTokyopopに較べると少ないが,人気の高い作品が選ばれている,業界第3位として安定した成長を続けている。このため,人気作品版権競争の激しい日本マンガ出版では,比較的優位にビジネスが出来る立場にある。
 また,小学館グループの版権に強いVIZメディアと共に米・韓/散漫が出版を行わない数少ないマンガ出版社であった。今回,デルレイが米国産マンガ出版に踏み切ったのは,版権競争よりも米国産マンガの将来を考えた投資を考えられる。
 現在,米国産マンガはビジネスとして必ずしも大成果を残していない。しかし,現在のマンガ読者との描き手の増加が,将来は作品レベル向上と市場拡大をもたらす可能性がある。その時に,米国産マンガビジネスを全く手掛けていないのはリスクが高い。また,日本側に版権料を支払う日本米国産マンガに較べて作品制作コストが相当低い事も,理由になるだろう。
 米国人マンガ家の収入は決して高くないので,米国産マンガ制作コストは日本マンガより低い。マンガの採算分岐点は日本マンガより低く日本マンガ程売れなくとも利益を回収出来る事は考えられる』
●〔米マンガ出版社が出す,オリジナルマンガを巡る話題(英語でアニメマンガ-2007.2.19)〕
『↑のデルレイが自社製作マンガを出すと発表すると,米国マンガ関連ブログ界隈でかなり話題となっていた。
 今回は,そのオリジナルマンガを巡って英語圏マンガ関連ブログ界隈での盛り上げについて,最近では米国のマンガ出版社が日本産マンガの版権を得て出版するのではなく,オリジナルマンガを出版するのは珍しくない。それなのに何故,デルレイの発表がこんなに話題になっていたのか。
 幾つか理由があると思うのだが,主な理由に思われるモノをまとめてみた。
≪①講談社と提携する出版社からの,米国産マンガ発売-
 今回,オリジナルマンガを出版すると発表したのは米国のマンガ出版社デルレイ。
 デルレイは,ランダムハウスの傘下でランダムハウスが2003年に講談社と提携した事で,デルレイ・マンガ部門は講談社系マンガに主に多く出している。VIZやTokyopopと比べ,米国マンガ市場への参入が遅くマンガ出版点数も多くはないが,良質なマンガを出す出版社として,またファンの声に耳を傾ける出版社としてファンの評判は高い。
 他のマンガ出版社には,日本マンガ版権料の高騰(こうとう)などの理由で,自社でマンガを作ろうとする働きはあったが集英社+小学館(の2社共同出資)の作品を出すVIZと,講談社からの作品を主に出すデルレイは今まで本格的に自社製マンガ出版に乗り出したことはなかった。その為,今回のデルレイの発表はファンを驚かせた。
 これで米国大手マンガ出版で,オリジナルマンガを出版していないのはVIZだけとなった,以前,VIZもそういうのを考えていたが現在そういう動きはない(ただし,非営業で世界銀行との共同で製作した事はある)≫

-続く
 



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