横濱kabitanの、あれこれ話

横浜トリエンナーレ中心にした横濱文化歴史紹介しています-このブログは子供に有害サイト見せない運動を応援しています。

日米コミックス比較⑪

2009年11月06日 04時42分09秒 | 海外マンガ研究

-続き

≪②10代の人気のある歌手を使った企画-
 今回のデルレイの発表で,初オリジナル作品には人気歌手がスタッフとして参加する事が明らかになった。
 その歌手は10~20代前半の女性層に人気があり,今年4月に発売された作品には制作スタッフの一人として参加するだけでなく,キャラとして登場するという事。以前にも,Tokyopopが歌手マンガを出版した事あるがそれが売上良かったのでデルレイもと受け止めるファンが多く,その一部に反感持たれたようだ。
 今までマンガを読んでこなかった層に売るために,人気歌手を使うというのは余りにも商業的であり,人気歌手の名を借りただけのお粗末なモノになるのはわかりきっているというのがその反応。
 ただし,今回のファンの反応を受けデルレイ側や作者側が足しげにそういったファンのブログにコメントを入れたり,マンガ関連サイトの緊急取材に応じたりと機敏な対応を見せ,その甲斐あってか好意的意見も見られるようになった。しかし,デルレイ側はこの企画はあくまでマンガ好きの歌手から持ち込まれたとしてる。
「どんな戦略が使われていても,良いマンガであれば買うし出来が悪ければ買わない」
という,ファンの意見は当然ながらこの意見に集約される訳だがマンガが今の処メディアミックスの対象となる事が少ない米国では,有名人の名を前面に出す企画に対して,ファンの反発は強いようだ≫
≪③日本を含む,アジアの読者がメイン-
 更に米国のファンを驚かせたのが,このオリジナルマンガが米国の読者は2次的で日本を含むアジアのマンガがメイン,という事である。
 当初の発表では述べられていなかったが,その後の製作者の取材で明らかになった。ハッキリした証拠があってのものではないが,米国のマンガが含むアジアの読者をメインとしてオリジナルマンガを出版すると明言したのは,これが初めてなのではないだろうか?≫
-米国の硬派なマンガファン達は,いままで
「日本産以外のマンガは,受け入れない」
として,米国産マンガをまがいものと呼ぶ事も珍しくない。そこまで硬派なファンではなくても,やはりマンガは日本産が一番という考えは米国のマンガファンにも根強い。しかし,米国産が数多く出版されていく内に,少しずつ状況は変わってきているのだ』
●〔Tokyopop,格付システム導入(英語でアニメマンガ-2007.2.20/23)〕
『Tokyopopが07年秋から,マンガに対してかなり細かい格付を実施するようだ。
 Tokyopop創立10周年記念祝の一環として,かつてない程のグラフィックノベル格付システムを実施する準備を進めている。グラフィックノベルを使って,若者の読み書き能力を高める運動を主にしたと図書館員の助けを得て作成しているのはグラフィックノベル業界全体を反映したモノになるだけでなく,その格付それぞれに詳細な解説も付くというかなり徹底した格付ガイドとなり,ゲーム業界のソフト審査機構の行うモノに近いモノになるようだ。
 ガイドには,5つの年齢層に分けられた40以上の内容表示マークが入る予定。そして,2007年秋からは格付マークと様々な内容表示マークがセットとなって,本のカバーに印刷される事になる。対象年齢を出しているだけの現行の格付もTokyopopによって始められたが,新システムの方が本を手に取ろうとするに,本の内容についてより多くの情報を与える事にだろう。
 今,米国のマンガ格付はそれぞれの出版社がそれぞれのマークで対象年齢を表示する形で行っている場合が多い。内容によっては,更にビニールに入れられる事もある。
 実は,こうしたのを始めたのもTokyopopだった。今回の新システムも広まるかは別として日本マンガがこれからもっと米国市場で主流になっていくと仮定すれば,業界全体としての格付への取り組みはこれからあってしかるべし,むしろ遅すぎているともいえるのかもしれない』
●〔デルレイの,人気歌手マンガ発売4日で増刷決定(英語でアニメマンガ-2007.4.17)〕
『出版前から北米マンガファンの間に何かとやり玉にされていたが,歌手本人も新アルバム宣伝でTVの露出度が高かったのも売上に大きく影響しているようだ。
 ともかく,蓋を開けて見たら大当たり。これで北米もメディアミックス戦略が成り立つか。そして,マンガファン層の拡大に貢献するか・・・』
●〔デルレイ,新たにオリジナル企画(アニメアニメ-2007.6.20)〕
『米国で拡大し続けるマンガ市場で,出版社が最初から英語で描く米国人によるマンガを発表する動きが強まっている。
 デルレイは,5月15日に米国ベストセラー作家の人気小説をマンガ化すると発表した』
●〔DC,オリジナルマンガ出版社(英語でアニメマンガ-2007.6.18)〕
『「バットマン」「スーパーマン」などで知られるDCが,日本のフレックスコミックス社に投資し事業提携を行う事になったというモノ。
 フレックスコミックスは,2006年12月からソフトパンク系列マンガ出版社として月刊誌を出版。現在,ネット・携帯でマンガ配信するなど,ネット事業がメインとなっている。DCは,フレックスと組んでネット・携帯・紙/媒体のためのオリジナルマンガを製作する事になるようだ。DCは,07年初めに日本支部を設立し今回の投資はDCジャパン主導で行われたらしい。DC本社ビジネス部門のパイス・プレジデントもフレックスの役員となる事が決まっている。これにより,DCは日本でのオリジナルマンガ制作に積極的に参加していく最初の米マンガ出版社の一つになる。
 今回の,投資背景には現在の米国マンガ出版社の殆どが出版点数は様々であるものの,日本産ではない自社製のオリジナルマンガを出版する傾向にある事が上げられるだろう。現在,北米で人気あるマンガ(日本マンガに似たコミックス)の殆どは日本産マンガの翻訳版。しかし,その版権に関してVIZ/デルレイ/スクエアエニックスというラインが出来上がっていて,この3社以外の北米出版社が人気作品を得るのは至難の業となっている。そこで,Tokyopopは早くから新人賞を設立するなどで新人育成・オリジナルマンガ制作に乗り出し,続々とオリジナルマンガ出版。

-続く



最新の画像もっと見る

コメントを投稿