キャンバスと筆を買いに藍美術さんへ、すぐ目の前は石神井公園です。ちょっと散歩を兼ね池の周辺三分の一くらいを歩きました。天気も良く(今日は夏日という事もあり)大勢の人で賑わっていました。健康的で良いですね。
NHK日曜新美術館で”写実絵画とは”と題し野田弘志画伯(現在74歳、北海道が制作拠点のようです)の人物画の制作過程を放送していたので拝見させていただきました。人物写実画と云う事で興味津津、すぐさまテレビに視線が。寝起きだったのですがデジカメで要所要所を画像に記録致しました。ブログで一部紹介させて頂きます。野田画伯はイラストレーターから画家に転身、写実に拘った画風で有名です。近いうちにホキ美術館にも野田画伯の作品を拝見しに訪れたいと思っています。肖像画家として興味深かったところは、ご依頼いただいたご婦人の手を、写真通りリアルに描くかどうか。野田画伯が手の表現に迷われていたところです。拘ったのはレオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザの手の表情。写実的に、年齢からいえば手に血管が浮いていても不思議ではないのに、実際絵の表現は綺麗に丸みを帯びふくよかに描かれています。どちらの表現に向かうか悩まれます。野田画伯は最終的に写真に写っているままを表現する方向に決断します。写実画家の選択でした。(おそらく肖像画家の選択は逆だったと思います。昔も今もご依頼いただく方に喜んで頂いてこその肖像画です。但し矛盾するかもしれませんが男性の場合はたくましさを出す為に、女性とは反対にリアルに表現します。職業肖像画家はそういうものだと考えます。野田画伯はご自分でも言っておられましたが、見たものを感情を挟まず存在そのままを表現する。対象物を冷徹に観察する。そういう意味でも”写実画家”ですね。)
ご依頼された女性の心理に心が向くのは私が肖像画家だからでしょうか。野田画伯は御自分のスタイルを通されていますが、私はついついお客様のご期待に応えようと、お客様主体の気づかった肖像画家の視点で考えてしまいます。横で見ていた嫁が一言、家に飾りたくなる絵が良い絵で、飾りたくない絵がよくない絵。評論家の方が面白いことを云っていました。超リアルに描いた絵は食堂に飾っては食事が進まない。この言葉にはいろんな意味合いが・・・賛否両論、。とても面白い番組でした。好奇心でしょうか抜け目なくお描きになっているパレットを画像に・・・王道というべき教科書通りの色の三原色をパレットに置いておられました。元イラストレーターという事もあるのか、面相筆を巧みに使っています。見習うべき事は大いに見習いたいと思います。
昨夜のテレビ番組(地球散歩・・)でイタリアの美術学校に通っている少女のコメントが面白かったです。ラファエロは天才天才と幼少のころから地元で聞いていて、ルネッサンス、ルネッサンスと何処へ行ってもいやというほど耳にしたそうです。実際ラファエロの若い頃の初期の人物画には稚拙なものが残っており、なかなかそこに焦点が当たりません。生まれたときから天才画家のように言われていることに反発します、と。(美術に興味を持ち始めてからはルネッサンスという言葉がむしろ大好きになったそうです。)最初はみんな上手くなかったのです、努力を積み重ね天才といわれるに至るのです。若いのに鋭い切り口で熱弁していた事に、新鮮な風を感じました。やはり並はずれた努力が人を天才たらしめるのですね。世に知られる方の努力は尋常ではないと思います。どんなにすばらしい作品を描かれている画家さんも実は最初はピッカピッカの一年生だったのですね。これは画家を目指す多くの方の励ましになります。私も50歳を過ぎて、この道へ方向転換現在に至ります。これからの道のりも長いようですが一生懸命に頑張りたいと思います。
「吉田肖像画教室」
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