goo blog サービス終了のお知らせ 

なぎのあとさき

日記です。

台風明け

2005年08月27日 | 日々のこと



あちょぶ?



ねじゅみはっけーん!

台風一過。早く起きて庭チェックをしたかったけれど、
起きると10時すぎ。
この2、3日は夜更かしが続いて起床時間も遅い。

窓から庭を見ると、せっかく花をつけてたガウラが
すっかりなぎ倒されている。
ゼラニュームの花も枯れている。台風の被害はそれくらい。

上野へ。某社で取材。
取材の合間に、別の某社まで歩いて10分くらいの道を往復。
陽射しがはじけて暑い! まぶしい! 

取材後、某社からすぐの居酒屋で打上げ。
ビール、秋刀魚のお刺身。
オヤジ2人が最高潮に盛り上がってからまれた。
「男には、不慮の事故というものがある!」
といって皆でうなずきあっている。
業界の人でシラフでもギラギラしてるんだから、
お酒が入るともうギンギラギン。
若い女子2人は黙って見守っている。
あまり若くない私が一番絡まれた。
「いつ結婚するの?「別れちゃえば?
「早くしないと、今は綺麗でも女は40になると急に老けるよ、
そういう人いっぱい見てるから
「そうそう!「女は40になるとそれまでの人生が
幸せだったか不幸だったか顔に出る「そう!!」
とリピートしながら勝手に盛り上がっている。
隣に座ってた1コ上の甘木さん「怒っていいですよ」 
ギンギラギンのオヤジたちに怒ってもね。かないまへんがな。
甘木さんは今日来るはずだった人と連絡がとれなくて、
今朝部屋まで探しに行ったけどいなくて、
失踪してしまったらしいという話。

寝る前、「ノラや」を少し読み返していたら、
ビーが家出したときのことを思い出して、
2002年の夏の日記を、少しずつアップすることにした。
殿のマネばかりするモンチは、暑いのに膝の上で寝る。

コメント

其の一 梅雨のあとさき

2005年08月27日 | ビーに降る愛の歌 2002

 近所の大学で実験用のネズミが大脱走し、その辺で大発生しているという噂があった。狩りが得意なビーは、毎日ネズミを仕留めては、得意満面でくわえて帰ってきた。ネズミに慣れない頃の私は、「ちゅごいね~、ビーたんちゅごい!」と褒めながら、ソファの背もたれの上に飛び乗ったり他の部屋に逃げたりして、同居人のTが帰るのをひたすら待っていたけれど、あまりに頻繁にくわえてくるうちに次第に慣れ、ネズミが生きていれば捕かまえて逃がし、死んでいれば裏の空き地に返しに行った。
 ビーはネズミを生かさず殺さず転がしては弄び、殿がうらやましそうな目で見ると、「フウウウウ」と唸った。飽きると放り出すか、気がむくと骨ごと食べることもあった。見ないようにしていてもザリッザリッという生生しい音が聞こえて、家の中が野生の王国だった。
 私がネズミを救出して逃すと、ビーは「フンッ」と鼻を鳴らして再び外に行き、すぐにまた別の獲物を捕まえてくるので、1日に3度もネズミを捕まえてきたこともあった。生きたネズミを部屋で見失い、2、3日後にネズミを救出したこともあった。

 梅雨が始まる少し前、ビーは真夜中にネズミとりのトリモチを全身にべったりつけて帰って来た。
 猫用のシャンプーで洗っても、トリモチは毛にこびりついてとれないので、Cに車を出してもらって、動物の救急病院に連れて行った。
「自分でなめようとするの。トリモチがのどにつまったらどうしよう」
「もうすぐ着くから大丈夫」
 ビーは不安らしくニャーニャー鳴き続けていた。
「毛、剃られちゃうのかな」
 ビーがかわいそうで仕方がなかった。
 獣医がビーを籠ごと引き取ってしばらくした後、看護助手の若い女性が説明にきた。
「深夜料金が1万円、レントゲンが2万円、血液検査が2万円、さらに特殊な方法で洗うのですが、人手もかかりますので、5万ほどになります。それと少し脱水症状が出ておりまして、点滴が1万円。合計すると10万円ほどになりますが、よろしいですか」
Cが目をつりあげて、「お金のことより、ビーは大丈夫か、まずそれを説明してください」
「大丈夫ですよ。五回くらい繰り返し洗えば、完全におちると思います」
「それを先にいってくださいよ」
「でも、お金のことも重要ですから」
「お金は別にいいですけど、ビーは今まで病気をしたこともないし、レントゲンとか血液検査を今する必要はないと思いますが」と私。
「いえ、レントゲンと血液検査をしなくては、お受けすることはできません。救急病院の決まりですから」
 一刻も早くビーをトリモチから解放したくて、「じゃあお願いします」
 校了中で会社にいるTに電話して顛末を説明。「10万だって」というと「あはは」と笑っていた。

 採血の注射を打つためにビーは前足の毛を幅一センチほどでぐるりと一周剃られた。レントゲン写真の説明で看護助手が、「この部分が消化しきれていない食べ物です。ここには便ですね。ここにおしっこもたまっています。あとこの辺は全部脂肪になりますね」 ビーのアーモンド型の丸っこいお腹の中が、食べ物、うんち、おしっこ、後は脂肪ばかりなのが可笑しくて、Tにその写真を見せたいと思った。

 最初にトリモチをつけたビーを見たとき、接着剤かと思って背筋が寒くなった。器量よしで、賢くて、素直で、思いやりのある猫のビーが、人間の邪悪な心の犠牲になることはあってはならない。トリモチでよかった。「ビーは好き勝手に遊んででそんなのつけて帰ってきたんだから、」とTもいった。「ビーは全然かわいそうじゃないからね。」 

 一度ひきあげてから翌朝病院に来ると、ビーは医師たちに、洗ってはドライヤーで乾かすことを五回も繰り返され、帰りの車の中では鳴く気力もなくぐったりしていた。エリザベスカラーをしたビーは、人間の赤ちゃんみたいで可愛かった。

(写真は2002年11月30日)

コメント