今日はAVアンプを買い換えようと新宿のアバックに行ってきました。
本命はSonyのAVアンプTA-DA5600ESです。前にも書きましたが「音展」でのデモの印象が良かったことに基づいています。対立候補はPioneerのSC-LX83。予算から少し外れることから候補に入れていなかったのですが、先々週に秋葉原のアバックで試聴したところ、予想外に音が良かったためです。その後に買ったHiViの特集「最新AVセンター15機種厳密テスト」でも高い評価を得ており、今日はこの2機種について比較試聴してきました。
試聴に使ったソフトは、お店にあった「小澤征爾サイトウキネンオーケストラBlu-ray」「オペラ座の怪人」、それから持ち込みの「サマーウォーズ」です。余談ですが、新宿アバックはあんまり試聴ソフトが多くないです。秋葉原のアバックはここ数年の(よく試聴に使われる)メジャーどころのBDを数多く揃えているので、新宿もそうかなと思って殆ど手ぶらで行ったのですが、数が少なくて非常に困りました。新宿アバックにアンプ比較に行く人は手持ちのソフトを持っていった方がよいでしょう。
チェックは音質面についてで、「小澤征爾~」では音数の多いソフトをどう処理するか、主にアンプの基礎体力を見ました。「オペラ座の怪人」では独唱のシーンで、センターをメインとしたシーンのサラウンドの作り方をフロントハイを絡めて聞きました。「サマーウォーズ」はエンディングの山下達郎の曲で、ニュアンスの出し方を見てみました。自分は映画が好きですが、その中で使われている音楽の聞こえ方が気になる方で(ミュージカル大好きです)、爆発シーンとか、発砲シーンとか、そういうのはわりとどうでもいい方です。だからアクションシーンについては今回チェックしていません。
で、結論から言うと
「SC-LX83」を注文してきました。んー、83をあきらめようと思って比較試聴しに行ったのだけど、結局83になってしまった。
しかし、散々悩んだ末です。実は今でも5600のほうにも未練があります。自分が5600がよいと思ったのは何と言ってもスピーカーの補正技術です。まず位相補正。自分は昔、同一フルレンジスピーカーで5chをやったことがあるので分るのですが、5本の位相が同じだと凄く滑らかなつながり方をします。と言うか先にそれをやったので今の位相が揃っていない状態はかなり不満です。とは言えフルレンジには戻れないので、位相補正技術はかなり欲しいのです。πにもあるのですが、Sonyの方式はフロントの位相をいじらないのでこちらの方が好ましいと思っています。
次に音響付加、特にフロントハイを加えた「HD-D.C.S.」はセリフがリフトアップして自然に画面中央に定位する上に、ソニーのダビングシアターの音響を加えていて、劇場においてスクリーンから音が出る感じがよく出ています。
「スピーカーリロケーション」もスピーカー間の隙間がよく埋まる感じで、うちのように、理想的な位置にスピーカーを置けない部屋では欲しい機能です。
以上のようなスピーカー補正が高品質で掛かるのが素晴らしいところです。自分が現在使っているAX2600にも音場モードが沢山ありますが、音質面から言うとオモチャみたいな物で、結局自分はストレートモードしか使っていません。5600の音場モードは常用しても良いと思えるほど高品質で、他の全てを投げ打っても手に入れたいと思えるほどの魅力があります。補正ばかり書きましたが、アンプ自身の音も柔らかく、たおやかな表現力があると思います。
83の良かったところは、アンプの基礎体力です。DACも絡めての話になるのでしょうが、まず解像度が高いです。解像度については好みもあるので高ければいいと言うわけでも無いですが、かなり細かい音まで掘り起こしてきます。そして解像度が高いにも関わらずうるさくない。「小澤征爾~」で、かなり音量を上げて再生して貰ったのですが、まだまだ上げられそうでした。冨家さんが常々言っている「良い音なら音量を上げても煩くならない」はアンプにもある程度当てはまる話だなぁと思いました。
結局決め手となったのは「サマーウォーズ」で、「83の方が、自分がこうだと思っている山下達郎の声に近い」でした。これが無かったら今日は決められずに帰ってきたかも知れません。83の方でフロントハイを加えたサラウンドモードの試聴が出来なかったこともあって(あれだけ機種が多いので店の方で操作を把握し切れていないようです)、本当に悩んだのですが、結局機能云々より最後は「自分の好きな音が出るか」で決めてきました。は~、清水の舞台から飛び降りちゃったぞ。
お値段はアバック決算セールと言うことで、20万円台の真ん中より下にしてもらいました。それから現在使っているAX2600を下取りに出すことにして、これが1万円くらいになるはず。5600と83では5万円くらい違うので痛いのですが、5600の場合に買うつもりだったOnkyoのiPodトランスポートND-S1000を諦めることにして(83だとiPodが直につながる)、まぁこれで26,000円程は接近するので何とか許容範囲かな、と自分を納得させることにしました(^^;)
現物ですが、現在一時的に品切れと言うことでメーカー発注を掛けるそうです。来週中に来るでしょうか。アンプの置き換えは大仕事になるので、置き換えは週末になると思います。まぁなんにせよ楽しみです。
ちょっと思い出したので書くのですが、「音展」でSonyのスピーカーと組み合わせた5600は本当にいい音を出していました。83で解像度と書きましたが5600が解像度が低いとは思っていません。ニュアンスの面から言うと83より好ましいと思えるところも多々ありました(吐息の色気とか)。
で、ここからは本当に余談なのですが、今日「PARC Audioファンによる試聴会企画」のミーティングで冨家さんに会った時に「この前Sonyのスピーカー聴いたんですけど良かったですよ、なんだっけ50万くらいの奴」と言ったら、「何だろう、海外製ユニットを使った奴ですかね~。僕らが居た頃には意地でも内製してたもんですけどねぇ・・・」と言っていて、そういえばユニットから内製する日本のメーカーも減っちゃったなぁと。Fostexなんかも、最近良い感じの完成品スピーカーを作っていると思うのだけど、あんまり売れていないみたいだし、スピーカーに関してはユーザーの海外信奉が強い感じで、国産はなんかどんどん寂しい事になっちゃいそうですねぇ・・・
さらに余談なのですが(^^;)、値引き条件を向こうが検討している間、「成約記念ということでビクターの3Dプロジェクターの視聴させて下さいよ、買えないですけど(笑)」と言ってX7を独り占めでしばらく視聴させてもらいました。ソフトは「アバター」いやー、3Dプロジェクター元年からこの絵が出るとは凄いですね。自分は六本木ヒルズシネマで「アバター」を見たのですが、それより良かったです。こりゃーお金がある人は買っちゃうでしょうねぇ。羨ましいです。