子供が産まれて1ヶ月半たちました。もう初めてのことばかりで、子供のことで手一杯であっという間にここまで来ましたが、この最近ちょびっと(ほんとにちょびっとですが)、余裕も出てきました。今日は子供は嫁に任せて、近場の美術館をはしごしてきました。名付けて「中国・朝鮮うつわめぐり」です。
今日の行程をgoogle mapに表示してみました。
こちら
そんなに長い時間遊んでいるわけにも行かないので、自転車で行ける範囲です。
まず、
日本民藝館に行きました。

その昔、柳宗悦という人が「民芸運動」というのを始めたのだそうです。古民具や朝鮮陶磁など、素朴でおおらかなものの良さを見いだしたのこと。
自分は益子のうつわが好きな物で、ちょこちょこ調べたりしているときに、この人の名前がよく出てきました。で、興味はあったのですが、駒場ってなんかすごく遠いイメージがあって(電車だと渋谷で乗り換えるから)、そのうち行こうと思ってそのままだったのですが、あらためて地図を見ると、自転車で20分くらいの距離でした。
ここでは今「白磁と染付」という展示をやっています。が、実はじぶんはあまり白磁に興味がない物で(^^;)、その他の常設展示をじっくり見てきました。なかなかよかったのが、石仏の拓本。東北地方の道祖神などを墨で拓を取った物があったのですが、なんとも言えないかわいらしさでした。これ欲しいなぁと思ったのですが、よくよく考えると、石とは言え仏様に墨を塗りたくって拓を取るのですから、ちょっとばちあたりな気もします。まぁちゃんとお願いをしてとったのでしょうが、そういうものをむやみ欲しがるのもちょっとアレかなと思って、これの写真が載っている雑誌を買ってきました。
あとは木喰さんの仏像もありました。ちょっと前に東博でも展示があったし、「美の壺」なんかでも取り上げられてちょっとブームな木喰さんですが、もともと見いだしたのは、柳宗悦だそうです。
民芸運動は結局、柳宗悦というカリスマと一体で、この人が死んでしまってからは下火になったようですが(自分も本でしか知らない)、ここは「柳宗悦テーマパーク」といった感じになっていて、彼が何を目指したかが感じ取れるようになっています。
次は
戸栗美術館に行きました。ここは今、「中国・朝鮮陶磁」展をやっています。中国は唐から清まで幅広く展示しています。目を引かれたのは、三彩の水差し、それから明の青磁の瓶。
朝鮮陶磁は李朝白磁が中心でした。自分は高麗青磁が好きで、それも象嵌のやつが好きなので、それを目当てに行ったのですが、展示は一点のみであんまりよくなかったです。
それから時間がちょっとあったので、区立の
松濤美術館に寄ってみました。展示は「景徳鎮千年展」です。予備知識無しで行ったのですが、非常に興味深い展示がありました。
「7501行程」
初めて聞いたのですが、1975年権勢の絶頂にあった毛沢東に、中国共産党が景徳鎮に命じて彼専用の器を作らせたということです。1万数千点作って、損傷無く完成したものは3割程度、そのうち1000点余りを中央に送らせ、残りは廃棄を命じたといいます。なんか聞いたことある話ですね。
人民のための共産主義などと言っていても、結局彼は
「 皇 帝 」
だったということでしょう。
この器ですが、廃棄を命じられたものの、二度とこれほどものは作れないだろうと言うことで、関係者が秘匿、毛沢東の死語これが流出して存在が知られるようになったと言うことです。
で、これがかなりすごいです。「紙のように薄く雪のように白い」といった感じ。つけられている絵もすごく綺麗で、誰も見ていなければ、2,3枚持って帰りたいといった所。これ、弾くといい音がするんだろうなぁ、ああ、指でつついてみたい。そんな事を考えながら、美術館をあとにしました。
というわけで、なかなか充実した一日でした。ところで、今日はこの前買ったad[es]にPocketMappleをインストールして持って行きました。GoogleMapもいいですが、ローカルにデータを持っていると、ぱっと出して、ぱっと表示されるのが良いです。紙の地図と違って現在地もすぐに出るし。オススメです。